日本の灼熱地獄とゴタゴタとは無縁に、二週間ほどをかけてアイスランド一周を楽しんできた。サメタイの記事は事前に書き溜めて出ていったのはいいが、読み返すと、とんでもなく下手くそな日本語!なんで鮫島さんリライトしてくれないの〜と思ったり。こういう時は野菜増し増し状態でリライトお願いします!え?日本語下手すぎて直しようがない?!
そんな支離滅裂日本語にも関わらず、毎回大勢の方にお読みいただいているようで、本当に有難うございます。写真見に来てるだけ?!それでいいのです!言葉にできないため、写真を見て何かを感じてもらえれば十分。
では少しずつ、写真と動画で今回の旅行を振り返りますね。
まずはレイキャビクを出て、Kjölur(キュールル)という夏の間のみ通れる山間部の道へ!と書いて気づいたのは、今年はアイスランド一周してないじゃん・・・。アイスランド一周は通常、リングロードと呼ばれる国道1号線を使う(下の図の黒っぽい線が1号線)。環状道なのでアイスランドの山手線。この道路を使うと西部が置いてきぼりになるけれど、まぁ一周ということでオッケーとしましょう。で、今回は南西部を行くのにこれを使わなかった。しょっちゅう通る1号線の部分なので、避けたかった。その点、キュールルは夏の数ヶ月しか通れないから断然物珍しい。天気がいい日は、道の両側に氷河の山が見えて、目にもさわやか!
Kjölur:基本は四駆。レンタカーは小型車禁止。我が家は以前トヨタの小型車で走破した。レンタルではなく自己所有の車なのでオッケー。走行中彼は「この道を通った後、振動で車が壊れないかすごく心配」と何度か口にしていた。ゴツゴツの岩道もあるので、普通乗用車は何かと不安。本格的な川はないけど、雨降りの後に残る小川はあるので、車高が低いと問題もありそう。
第一日目はこの道の途中にあるキャンプ場, Kerlingarfjöll(ケルリンガルフョットル)に宿泊。そして今回はなんと小型ジープを使用!数年間トヨタの小型車にずいぶんとお世話になり、小型車で走れるギリギリの道を賢く快適に走ってくれた。優秀なトヨタ車、ありがとう!ただ、普通乗用車で行ける場所は網羅してしまったため、彼が中途半端な四駆ではなくジープを希望。それも街でも使える小型ジープにしようと、引き続きSuzukiの日本車。見た目もかわいい!
以下、道中の雰囲気が少しでもわかればと動画を繋げてみた。途中湖が出てくるけど、名前は調べないと分からないし、いい加減な繋ぎ方は平にご容赦を。窓ガラスは昆虫の特攻隊が突撃してくるので、どうしても跡が残る・・・。
数年前、トヨタ車で実はこのケルリンガルフョットルまで来たことがあり、次回はキャンプしたいと思っていた。キュールルのあちこちを見て回る拠点としてよかろうということだけで、ろくに事前調査もせずに宿泊。
それでも知っていたのは、天然温泉があるということ。キャンプ場には事務所があるので、キャンプ料金の支払いを済ませるついでに周辺情報を尋ねた。天然温泉は4-5キロ歩いたところだと彼は思っていたけれど、実際は1キロだということがわかった。楽勝の距離!
ちなみにアイスランドのキャンプ場は一人安くても千円程度。普通は1500-2000円。ここは僻地ということもあるのか、一人2500円。テントのキャンプといえども安くない。電気を使う車での宿泊は、人数分のキャンプ料金プラス、一日につき一台1000-1500円の電気料金がかかる。キャンプ場によっては、電気を使うキャンピングカーは一台で料金を設定しているところもある。
地図をゲットして、いざ温泉というところで遭遇したのは、馬の大群だった。アイスランドではホース・キャンプ旅行というのがあり、数名で大勢の馬をあちこちへ移動させていく。何十頭いたのか、馬が勢いよく目の前をズラ〜っと走っていく様は壮観。なので、ぜひ動画でどうぞ。
そしていざ温泉へ。川沿いの道は割合歩きやすく、所々に滑り落ちそうだったり、大きな石の間を抜けたりと、少しだけワイルドな気分が楽しめる楽しい道のりだった。歩き進むにつけ前に山が見えてくる。まだ雪が残っていたり、向こう側の山が見えてきたりと、時々立ち止まり写真を撮る。道端に咲いている小さな花は愛らしく、意味もなく深呼吸したり、彼と他愛のない話をしたりと、街から離れ自然たっぷりの空間を毛穴ひとつひとつに記憶させるように進む。
自然の色彩は興味深い。ひとことに緑といっても植物により色が異なるし、苔は下の部分は乾燥して茶色になっていても、上の方は細かな緑の葉(?)が柔らかく、フカフカで大変に心地がいい。思わず腰掛けたり寝っ転がったりしたくなる。
散歩を楽しんで到着したのは、川の奥の方に作られた入浴場。温水と冷水を混ぜ、適温になるようせきとめられていた。写真にはないが、右手前の少し奥に脱衣の便利な工夫がされている。とはいえ脱衣所はない。水温はたぶん36-38度程度ではと思う。ぬるめではあるけれど十分暖かく、長湯するのにちょうどいい。湯船の真ん中で水を吐き出しているのは古くなったパイプで、亀裂から温泉水が噴き出す様が芸術的だ。最初はアートオブジェかと思い、それが古びたパイプであることを知ると、己の芸術を見る目のなさを苦笑。いや、芸術というのはそもそも自然や自然による変体から生じたものなのかと、照れ隠しに柄にもなく哲学的なことを考えた。
キュールルにもう一箇所、Hveravellir(クヴェラヴェトリル)という温熱地帯&温泉で有名な場所がある。Hveravellirの方が見晴らしがいいけれど、ケルリンガルフョットルのこちらの方が風情があると見た。つまりはどちらも甲乙つけ難いし、自然の中のこういう温泉は本当に気持ちがいい。
湯船の大きさは20人程度なら余裕で入れそう。実際、私たちがいる間に犬を連れた大家族(大人と子供を合わせて8名)が訪れ、一時期この温泉は満員状態となったけど、それなりに他の人との距離は取ることができていた。
この日は家を出た初日だったので、日本式のお弁当で夕食。メニューはのり弁、甘い卵焼き、塩ジャケのシンプルなもの。けれど、アイスランドでは日本人宅でしか食せないグルメ!ちなみにここは宿泊施設もあるので、朝食や夕食なども提供していた。値段は見なかったけど、日本人が見たらびっくりだということは確実。
以下は今回の旅行で寄った場所の大雑把な一覧。本日ご紹介したのは、アイスランドのちょうど真ん中あたりに印のある場所。ドライブコースはICELANDiaサロンのみでのおすそ分けにしているので、ご興味ある方はぜひご参加ください。アイスランド一周、次回はここ。
小倉悠加(おぐら・ゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。アイスランド政府外郭団体UTON公認アイスランド音楽大使。一言で表せる肩書きがなく、アイスランド在住メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、カーペンターズ研究家等を仕事に応じて使い分けている。アイスランドとの出会いは2003年。アイスランド専門音楽レーベル・ショップを設立。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。アイスランドと日本の文化の架け橋として現地新聞に大きく取り上げられる存在に。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。