(前回はこちら)アイスランドの第二都市アークレイリ周辺を探索した次はMyvatn(=ミーヴァまたはミーヴァトン=蚊の湖)へ。アークレイリからミーヴァトンまでは約80キロ。ゆっくりとあちこち車を止めながらドライブを楽しむのにいい距離だ。ちょうど黄色いソーレイという花が真っ盛りで、あちこちでその色の華やかさに目を楽しませてもらった。アークレイリからミーヴァトンの道中も然り。
途中、有名なゴーザフォスという滝もある。
ミーヴァトンはどのような場所かといえば、日本の摩周湖と同じく大きな球状のマリモが生えることで知られていたり、擬似クレーターの周囲を歩けたり、景色の美しい温熱地帯を歩くことができたりと、かなり観光スポットとしては点数が高い。世界最大の露天風呂ブルーラグーンに次ぐと思われる、ネーチャーバスという温泉施設もある。
今年はそういう場所に行かなかったので、以下、以前に撮った写真でサクッとご紹介しますね。
ボコボコと地が沸き立つ温熱地帯のHverir。山の上まで登り、ぐるりと周囲を見渡すことができる。
ここで少し食事のことを。私は食が細いのか、1日3食は体調が悪くなる。胃が重くなりすぎるのだ。1日は二食で十分。今回の旅行日程の半分はホテルを利用したため、ホテルの朝食が朝食兼昼食となり、夕食まではチョコやナッツ、クッキーなどを軽くつまむ程度。朝食が美味しいホテルを彼が選んでくれたため、ホテルですぐに朝食をとれるのは時短にもなりとてもよかった。そうでない場合は、パン屋に併設されているカフェを見つけて朝昼兼用とするか、または車内で果物等をつまんで済ませる。
予算圧縮もあるが、アイスランドには基本的に軽く食べられるレストランやカフェがない。「軽く食べられる」という分類の前に、そもそも食事ができる場所が、地方に出ると少ないどころか存在しないのだ。
今年の夏に利用したのはアイスランド航空ホテルのチェーン。春先に5泊のお得なプランが売り出された際、すぐに予約を入れた。超お買い得なプランは通常、アイスランド語サイトでしか表示されない。英語サイトをいくら見てもわからない。
去年、観光業界はコロナの打撃を少しでも回避するため、ホテル・チェーンがこういった特別プランを売り出した。値段は通常の半額から三分の一程度だ。それでも(我が家には)安くないとはいえ、高くもない。これが地元アイスランド人に売れに売れた。
すぐに独立系のホテルやゲストハウスも続々と続き、去年のアイスランドは国内旅行ブームとなった。我が家もこの恩恵にたっぷりと預かり、通常では使うことのできない高級ブティック・ホテルをあちこちで利用した。ホテルによっては、歴代ピカイチの売り上げを記録したところもある。今年は若干値上げされたとはいえ、まだまだお買い得感は大きかった。
特にミーヴァトンのホテルの朝食は、彼の会社のシェフが一押しだったので期待していた。このホテル・チェーンの朝食は押し並べて満足度が高く、各ホテル毎に若干内容が異なった。確かにミーヴァトンのホテルは食事の内容も、使い勝手としての場所のデザインもよく、たっぷりと朝食を楽しませてもらった。
写真にはないけれど、チアシードとココナッツを混ぜたものがどのチェーンにも置いてあり、これがとても気に入った。自家製のパワードリンク(?)のような、例えばニンジン+生姜ショットのようなヘルシー系のドリンクもあって満足。
知ってる人もいると思うが、ホテルの朝食のスクランブルエッグは、すでに卵を攪拌した液を使っているところが多いので、ゆで卵や目玉焼きの方が卵としての鮮度は手堅い。
食の好き好きは人それぞれ。私は朝からガツンとお腹にくるものは苦手なので、もっぱら野菜とフルーツ中心。自分で焼くワッフルが美味しすぎて、パンまで手が回らなかった。満足、満足。
朝食後、このホテルを拠点に繰り出したのは、NASAがアポロ計画の際、月面にみたてて宇宙飛行士の訓練を行ったというアスキャ。それもViti(ヴィティ)という温泉湖を目指した。(次回に続く)
小倉悠加(おぐら・ゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。アイスランド政府外郭団体UTON公認アイスランド音楽大使。一言で表せる肩書きがなく、アイスランド在住メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、カーペンターズ研究家等を仕事に応じて使い分けている。アイスランドとの出会いは2003年。アイスランド専門音楽レーベル・ショップを設立。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。アイスランドと日本の文化の架け橋として現地新聞に大きく取り上げられる存在に。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。