いいな、いいなぁ、 日本は桜が花盛りだし、今年は花見も解禁でいいないいなぁ。Youtubeの花見のライブ中継を見ては何となく見たつもりではいるけれど、もう何年日本の桜を見ていないのか。
折ある毎に書いていると思うけれど、日本を離れるに当たり一番気になったのが桜の季節だった。これだけはどうしても外したくない。そして正月の元旦だ。もっと単刀直入にはおせち料理とも言える。
おせちはこの数年何とかありつけたけれど、桜はアイスランドに移って以来ずっとご無沙汰している。来年は必ず見ようと思ってる。
桜の花とは何なのだろうか。単に毎年同じ時期にパーっと示し合わせたように咲くから素敵なのか、幼い頃から両親に連れられて近所の桜名所を見に行っていたことが何となく身体に染みついたのか。とにかく、毎年桜を見ないと、何となく落ち着かない。ま、そういう思い込みでしかないんだろうけど。
では、この季節のアイスランドに何があるか?あえてこじつけて見つけることにした。
すぐに思い浮かんだのは虹だ。アイスランドは通年虹が多い。特によく見かけるのはこの春と秋頃で、つまりは天気が非常に変わりやすく雨がよく降るという共通点がある。
ご存じの通り雨が降るだけでは虹は見えず、雨のすぐ後に太陽がピカリと光る瞬間がなくてはダメだ。
日本で虹を見た覚えはほんの数回しかないが、アイスランドではほぼ日常茶飯事になっている。空が広いこともあり虹が見えやすいのか、緯度経度も関係しているのか、そこらへんまで調べてはいないけれど、とにかくよく見える。
それでも、印象深い虹はほんの数回だ。最初に自宅の目の前に大きな半円の二重の虹を見た時は驚いた。けれど、これも何度か見ることになった。
運転中に素晴らしい虹を見て、すぐに停車できず、安全な場所に移動している間に居なくなってしまった虹も多い。そんな中、ちょうど都合よく素晴らしい虹を見ることができたのが、アイスランドの大統領官邸のあるアルフタネスという半島を訪れていた時だった。
つい先日は、キッチン側に大きく虹が出ていた。けれど、キッチン側の窓ははめ殺しのため、思うように写真が撮れない。ガシャガシャした背景で申し訳ないが、これが精一杯。とはいえ、虹がこうしてきれいに見えるだけで、何となく嬉しくなる。
レイキャビクの空シアターで最近大活躍なのがオーロラだ。それは先日書いたので、そちらをご覧いただければと思う。
もう一つ、最近驚いた空シアターの自然現象がある。まずは写真をご覧あれ。車の中からドライブ中に助手席から撮ったものなので、ピントがいまいちで失礼。
最初見た時、何のことやら分からなかった。虹ではない。けれど、虹色をしている。けれど、虹ではないーーーというおバカな堂々巡りを脳内で何度もした挙句、ハロという現象ではないかと思った。
この写真をツイートしたところ、フォロワーの方から「幻日」と呼ばれる現象であることを教えてもらった。幻日(げんじつ)とは、「大気中に含まれる結晶が光を屈折させることによって生じる大気光学現象の1つ」であるという。極地で観察されるということは、日本では滅多に見られないということなのだろうか。
彩雲を初めて見たのもアイスランドに来てからのことだ。一度こういった現象を見ると、体験的に見えそうだ、というのが分かってくる。この後何度か彩雲を見たが、これほど強く、美しい虹色の雲に出会ったのは、現時点ではこれが最初で最後となっている。
以下がその動画。ファイルは小さくしたものの、どうやら読み込みが遅い気配であることをお断りしておきますね。
アイスランドは大自然が醍醐味だ。オーロラ以外は誰も語らないけれど、虹もよく見えるし、空シアターでは時に彩雲や幻日まで見せてくれる。天気に恵まれれば、見たこともないような美しい日の出や日の入りも手軽に見ることができるし、雲の形が独特で不思議なことも多い。
そこに人が手を加えることはできないし、自然の、文字通りごく自然の営みには平伏すばかりだ。見惚れて、その後、なぜかとても謙虚な気持ちになる。
2023年4月14日追記:赤虹も撮ってたことが判明したので追加!
(アイキャッチにしたのは「Gullfoss /黄金の滝」の写真。このコラムが公開される当日に撮影!)