政治を斬る!

こちらアイスランド(178)虹のしっぽを掴んだ!人気沸騰、黄金の滝を対岸から眺める。あちら側の人はアリンコのよう〜小倉悠加

ゴールデンサークルとは、アイスランド観光の超王道コース。地球の割れ目(議会政治発祥の地で世界文化遺産)のシングヴェトリル、間欠泉のゲイシール、そして大瀑布である黄金の滝グットルフォスの3点がセットされる。

アイスランドといえば、ゴールデンサークルと言われるほど、その人気は高い。アイスランドに来ると、まず案内されるのがゴールデンサークルだ。

超人気のコースなので、当然訪れる人の数は爆発的に多い。アイスランドの目玉であるから、アイスランド人の子供たちにも見せておきたいが、外国人観光客が多すぎて、学校の遠足もままならない(コロナで外国人が入国できない時期は、学校の遠足で盛況だった)。

そんな大人気の場所に、穴場などあるはずがない。と思いがちだけど、実はそれがあるらしい。調べよう調べようと思いながらずっと放置していた。

アイスランドのレンタカーは地元の会社で

チャンスが来たのは6月初旬の週末だった。今年は6月早々、異常気象で北部から東部にかけてドカ雪が降り、大好きな高地の道のオープンが遅れている。チッ、高地へ行けないなんて、なんという夏日の無駄遣い!

「そうだ、グットルフォスの反対側へ行くのはどう?」と案を出した。

数年前からずっと興味があり、時々言及はしていたものの、彼が夏休みの間はレイキャビクからなるべく遠い場所を目指したい。ここから2時間程度のグットルフォスは、どうしても「今度ね」と後回しになる。そうして季節は秋になり、冬になり、冒険心は失せて「今度」は「来年」に持ち越される。

高地の道路は全滅だから、この機会に「グットルフォスの反対側」を探ることにした。

反対側というのは、少し語弊があろうと思う。グットルフォスの大瀑布はクヴィータ川に位置し、観光客が見学をするのは西側だ。その反対側ということは、クヴィータ川の東側になる。

対岸ならすぐに渡れるだろうと思うかもしれない。けれど、この川は冷たい水で水量も多く、長靴で渡れるような川ではない。近くに橋もない。ぐる〜っと大回りをして、普通の地図には載っていないジープ道を進む必要がある。

出た、ジープ道!待ってましたジープ道!

ということで、地図を思い切り拡大し、近くまで行けることを確認して出向いた。天気はまずまず!

道路もジープ道とはいえ、大型車でないと通れないような悪路ではなく、大きな石が続く場所は普通車だときついけれど、条件さえあれば特に危険でもなさそうな気配だった。

グットルフォスの東側はハイキングコースのようになっており、がっつり整備されている感じでもなければ、放置されているのでもなく、ほどよくゆるくハイキングできるようになっていた。

駐車場は大型車でも4-5台ほど無理なく駐車できるスペースで、そこがいっぱいになっても少し離れた場所にはいくらでも停められそうな感じだった。

ハイキングコースは特に難しくはなく、途中道があやふやにはなるけれど、目的地は見えているから、迷うことはない。駐車場から滝が見える場所までは片道20分程度。起伏のある場所もほとんどなく、ハイキング・ポールはなくても問題なし。

おぉ、これが観光地とは反対側からの眺めだ。いいわいいわ。滝から少し距離があるから、全貌がよく見える。近づいて見るのも迫力あるけど、この眺めもとてもいい。そして、絶対的な優越感。こちら側は観光客ゼロ。そちら側は常に数千人。

最も落差がある部分は、西側からの方がよく見える。

東側のこちらは、断崖に近い部分を歩くことになる。遊歩道は整備されている。西側のように柵はないので(それがうれしいとはいえ)、断崖の方に近づきすぎると危ないので、常に注意は必要。それでも、苔がモコっと乗っているのではないので、見掛け倒しでズボっと下に落ちることはないから大丈夫。

視点が変われば景色も変わる。ここの川は非常に深く、周囲は柱状節理の玄武岩に囲まれていた。こういった岩石は、少し離れると人工的に作り込まれた壁のように見える。

対岸に駐車場が見えてくるようになると、足場がゴツゴツの岩場になって歩きにくい。進めないことはないが、進んだところで景色がそれほど変わる訳ではないため、ここら辺で来た道を戻ることにした。

グットルフォスはクヴィータ川にあり、滝の最大幅は70メートルということだ。川の幅が70メートルではなく、滝は川を斜めに落ちているため、距離が長いのではと思う。

西側からは下の写真の部分の滝が見えない。そして、ここで私は虹のしっぽを掴んだ!

この写真はもちろんIAなどではない。グットルフォスの滝の水飛沫にびしょ濡れになりながら撮った正真正銘、虹に触れた瞬間!!

アイスランドに来て、虹の写真はたくさん撮ってきたけれど、こうしてレインボーズ・エンドを本当に手にしたのは初めて。快挙!!

感想は、めちゃくちゃ濡れた!!(笑)

小倉悠加(おぐらゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、ツアー企画ガイド等をしている。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。

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