アイスランドに定職を持っていたり、子供がいる訳でもないので、今回も二ヶ月半ほどゆっくりと日本で過ごした。一時帰国というか、定期日本滞在期間とした方がいいのかもしれない。
今回気づいたことは、異常な物価の値上がり、国民いじめとしか思えない悪政策、やたら増えた外国人。
どのような関係で増えているのか分からないが、ネパールあたりの人が多いと聞く。実家から一番近いJRの駅では、時間帯によっては日本人が私ひとりということもあった。正直に吐露すれば「私の日本を返してくれ〜」と思ってしまう。
私という人間が古くなってきたせいだろうか、ごっちゃな人種を見るとどうも疲れる。真にゆっくりした気持ちになれないのだ。日本に帰ってきたのだから、島国の人々、つまりは日本人だけ見ていたい。わかってます、時流に合わない古臭い考えであることは。
満開の桜を見たくて、今回は4月初頭まで日本に滞在できるようにした。四分咲き程度の時に上野公園を少し歩くことはできたけれど、あとは諸般の事情でほとんど桜を見る機会が持てなかった。残念ではあるけれど、桜の季節に日本に身を置くことができただけで、なんとなく満足した。なぜだろう?
満足したというか、ここ数日、雨続きで花見もないよなぁということも。ある。
どちらにしても、それどころではない感じで毎日が本当に忙しかった。母が望む物事をこなすのに手一杯だった気がする。「話し相手」というお役目も結構な時間と労力が必要で、91歳を迎えた母と、あとどれほど話せる機会が持てるか分からない。ずっと側にいてあげたいけれど・・・。
これで車の運転ができれば、母とあちこち行けるのだろうけれど、近所のスーパーへ歩いていく程度しかできなかった。タクシーを使ってもいいと私は思っても、倹約家の母がそれを許さないので、どうしても近所しか出歩くことができなくなる。痛し痒しというか・・・。こうして「・・・」の部分を多く抱えながら実家で多くの時間を過ごした。
アイスランドから夫が二週間近く日本に滞在したので、その時はほぼ毎日彼の行動に付き合った。日本もこれで5度目か6度目なので、彼も勝手はわかっている。けれど、日本語が読めない話せないのは大きな不備だ。それは彼のこの言葉に集約される。
「君といっしょだと食べ物のクオリティが爆上がりする」
だろうね。私は普通の日本人だから、日本の食事事情は把握しているし、メニューも読めるし、注文もできる。メニューに関して質問することもできる。外人ひとりで居酒屋は敷居が高い。私がいれば、当然食の守備も質も爆上がりする。
私にしても、ひとりだと入れる店も限られるため、二人で入った方が好都合だ。なので彼といっしょの間は、結構美味しいものを食べ歩いた。
おかげさまでアイスランドにいる間に感じていた食に関するフラストレーションはきれいに解消された。アイスランドへ戻ればまた不満が溜まってくるとはいえ、次回の帰国時にたんまりと美味しいものを堪能するという楽しみだと思うことにする。
それに、それに、あと数年でアイスランドの生活も10年になる。最初から永久にあちらへ行こうとは思っていないので、そろそろ日本に戻ろうかという考えもある。半々で暮らしたいのが希望だけれど、そんなに物事うまく行くのか?
ここでお知らせがあります。日本滞在中、ラジオ番組に出させていただきました。アイスランドにご興味ある方はぜひお聴きください。
お招きいただいたのはシンガーのAimer(エメ)さんの番組『Laid-Back radio』(JFN系列 30局ネット、通称えめらじ)。Aimerさんといってピンとこない人は、アニメ『鬼滅の刃』のテーマ曲「残響散歌」を歌っているシンガーと書くと分かるでしょうか。
ご縁は2013年まで遡り、彼女がインターネット経由で、”どこでもライブ”の試みをしていた時期に、コーディネーターとしてアイスランドでストリーミングをお手伝いしたことでした。
日本にいる間にアイスランドに関してをお話しましょうということで、ゲスト出演してきました。
ごく一般的な話や観光のポイントなどもお伝えしています。このコラムだと声は聞こえませんよね。なので、小倉ってどんな話し方をする人?とか興味があればぜひどうぞ。
全国津々浦々に放送される番組で、Radikoのアプリでも聞けるそうなので、お時間を見つけてぜひ〜。
毎回自分を紹介する際、肩書きが定まらず苦慮する。で、今回、誰が考えたのか知らないけれど(Aimerさん自身?)「アイスランドマスター」という肩書をいただいた。これはいい!
普段はコーディネーターだけど、時としてはジャーナリストやバイヤーにも変身するので、ひっくるめてアイスランド専門家ということで、マスターはわかりやすいいし、曖昧さもあっていいかと思ってる。
放送される頃はすでにアイスランドに戻っている。日本滞在中の置き土産として、お聞きいただければ幸いです。
アイキャッチにしたのは、母が大切に育てている君子蘭。去年は咲かず、2年ぶりの開花だそう。とても美しく咲き、玄関を明るく照らしてくれている。この華やかな君子蘭に見送られ、今回は日本滞在を終えることになった。
そうだ最後にメモ書きを。2025年4月1日午前9時45分。スンドヌーカギーガルで8度目の噴火が起こった。どうやら24時間後の今ではほぼ鎮火しているという。
次回からまたアイスランドの景色に戻りますね!
小倉悠加(おぐらゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、ツアー企画ガイド等をしている。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。
