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ステキな山形の田舎ごはん(2)自慢の味噌は甘くて塩分控えめ。その秘密は「糀(こうじ)の量」にあり〜新関さとみ

温かいみそ汁が美味しい季節になりました。7月の猛暑はうその様で、先週から夏掛け布団から厚い布団に変えないと寝ることが出来ないほど涼しくなりました。

私はずっと天然醸造の味噌を食べています。生まれたのは横浜市。公団アパート住まいでしたが、父のUターンで天童市に移転し一軒家に住まいを移したのを機に、小屋に木製の味噌桶を置く様になりました。

昭和40年代でも味噌を仕込んでいる家はかなり少なくなっていましたが、農家に嫁いだ伯母(母の姉)が毎年、姉妹の分まで仕込んでくれていたのです。幼い頃、自転車を出そうと小屋を開けると全く先が見えない暗い空間から、フワッーと味噌の香りがして来たのが私の最初の味噌の思い出です。

縁あって味噌と醤油の醸造元に嫁ぎ、夫の仕事を手伝っているうちに、味噌の素晴らしさを広めたいと思い始めました。味噌作りは実はとても簡単で、豆、塩、こうじを混ぜ合わせ、重石、押し蓋をして、日の当たらない小屋などに仕込んでおけば、夏の温度上昇と共に自然発酵し、秋にはおいしい天然醸造のみそが出来上がります。

そんなわけで夫ともに、20年程前から味噌作り講座を実施しております。

材料はすべて山形県産大豆と米。今、日本に出回っている味噌の原材料の「国産大豆を使用している割合」を御存じですか?なんとたったの1割以下なんです。「私は味噌にはこだわっているので高い味噌しか買わないの」という方でも、もしかしたら、外国産大豆で仕込んだ味噌かもしれない…という悲しい現状なんです。

子供さんに「なんで日本に住んでいるのに、日本の豆を使わないの?」と質問を受けましたが、答えは簡単。「外国産大豆は安いので、原料原価が安いと味噌の価格が安くなり、買ってもらえるから」なのです。

しかしながら、全然味わいが違うことから、高価であっても私たちは自分が心から美味しいと納得する山形産を使用しています。

味噌は日本ならではの調味料であり、大まかに分けて3種類あります。九州地方に多い「麦みそ」は大豆と塩と麦こうじで、八丁味噌で有名な「豆みそ」は塩と豆こうじでだけで作ります。私たちの住む東北地方を始め、ほとんどは「米みそ」で大豆と塩と米こうじで作ります。

当社の味噌作りで一番の自慢は「糀(こうじ)」の量です。通常のみそは豆10に対して、米糀を6~8入れる6割味噌8割味噌ですが、米どころ山形では10入れる10割味噌が通常の配合でした。

私が味噌作りを始めた20年程前は、みんなが10割なら当社は13割にしていましたが、今では最低でも15割、なんと25割味噌作りも行っております。数字が大きいほど糀の量が増え、甘みが増します。その上、糀の量が多いほど塩の量を減らすことが出来ることがわかったので、手作り味噌の中では減塩の味噌が出来るのです。

山形県内はもちろん、東北各地で年間4700人(令和元年)の方に味噌作りをお教えし、通算3万2000人の方に受講して頂いた「さとみの味噌作り講座」

材料すべてを私どもで準備し、手や足を使って豆をつぶし、塩、米こうじとよく混ぜ合わせポリ桶に入れ、自分で作った「仕込みみそ」をご自宅へお持ち帰りになります。夏の温度上昇で熟成させ、来年の秋にはあなただけのオリジナル味噌の完成となります!

コロナになり、私の味噌作り講座の開催は激減しました。そんな中でも「さとみさんと作る手作り味噌を食べたら、他の味噌には戻れない」との多くの声を頂き、なんとか継続できないかと知恵を絞りました。

昨年夏にはyoutube「新関さとみの田舎ごはんチャンネル」を開設しました。

自宅で作る「手作りみそキット」の販売も始めました。団体様対応でZOOMを使ったオンラインでの味噌作り講座で講師である私は当社から、受講者は自宅での開催も可能になりました。

また、当社工場内の一室を改装し、空気清浄機ジアイーノで換気しながら、プライベート味噌作り講座も開催できる様に致しました。「0歳児の息子を連れて参加できるとは、周りに気兼ねなく和気あいあいと受講出来て、楽しい経験が出来ました」とのお話もいただいております。

この様な活動をホームページ、Instagram、facebook等で告知をしていましたら、10/21(木)13:30~15:30NHKカルチャーの主催で「さとみの味噌作り講座~糀たっぷり18割こうじ手作り味噌~」を開催することになりました。どなたでも気に入って頂ける「甘さ際立つ18割こうじ味噌」の材料をご自宅にお送りし、全国各地の皆さんと山形の私がZOOMで繋がり味噌にまつわる話を交え、軽い運動感覚で味噌作りを体験できます。

作って楽しい!食べて美味しい!味噌作り。多くの方にその楽しさをお伝えしたいと思っております。皆様のご参加を心からお待ちしております。

新関さとみ(ニイゼキ・サトミ)

横浜市生まれ。幼少時、父のUターンと共に山形県天童市に移転。大学・OL時代を東京で過ごし、20代後半にUターン。1995年(平成7年)に山二醤油醸造㈱の三代目に嫁ぐ。2003年(平成15年)に「さとみの漬物講座企業組合」を設立。山形の古き良き食文化を伝承するため、味噌作り講座、漬け物講座、田舎ごはん講座を開催中。趣味は旅行・映画鑑賞。