※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
0.社民党に関しての過去記事
1.どっこいどっこい社民党
2.衆院選で立憲民主党に100万の援軍を!
3.来年の東京都知事選挙で大勝負を!
4.社民党の長期ビジョンを考える
5.私設応援団の目:内閣不信任案とれいわ新選組の対応
6.トピックス①:参議院法務委員会出入国管理法強行採決で「#山本太郎ダイブ」
7.トピックス②:とにかく明るい安村さん、日本人初「BGTファイナリスト」に
0.社民党に関しての過去記事
「立憲野党私設応援団」の連載開始時に、立憲野党4党(立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社会民主党)に対する期待と不安について論考を行っていますので、まずは、その時の社会民主党に関する記事のURLを最初に載せて紹介しておきます。
1.どっこいどっこい社民党
社民党は昨年7月の参院選で、政党としての存続が危ぶまれていましたが、党首の福島瑞穂さんの改選議席1を守り切り、比例の票も2019年参院選の1,046,011票から2022年参院選は1,258,623票と約20.3%増やして、得票率2%を上回り、国政政党として存続することができました。
そして、さらに、社民党から立憲民主党に移籍した吉田忠智さんが今年4月の参議院大分選挙区の補欠選挙に出馬したことから、吉田忠智さんの失職に伴う繰り上げ当選で、社民党副党首の大椿裕子さんが国会に議席を得ることとなりました。
その大椿裕子さんですが、日本維新の会の梅村みずほ議員が国会で「入管被収容者に対する支援のあり方についてお尋ねします。医師の診療情報提供書や面会記録等も含めた資料と共にウィシュマさんの映像を総合的に見ていきますと、良かれと思った支援者の一言が、皮肉にもウィシュマさんが病気になれば仮釈放してもらえるという淡い期待を抱かせ、医師から詐病の可能性を指摘される状況へつながった恐れも否定できません。(中略)支援者の必死の手助けや助言は、場合によってはかえって被収容者にとって、見なければよかった夢、縋ってはいけない藁になる可能性もあると考えます。」と質問した際に「とんでもない発言です!」とヤジを飛ばし、その声が爪痕として映像に記録されています。
社民党の闘う姿勢は、党全体の生命力につながっているようにも感じます。
2.衆院選で立憲民主党に100万の援軍を!
社民党の今後に関しての提言ですが、次の衆院選では、これまでのような社民党独自の戦いは行わず、立憲民主党と「統一名簿」を組んで戦うようにしてはどうかと思っています。
直近の衆院選と参院選の比例得票数を見てみましょう。
日本維新の会 | 立憲民主党 | 社会民主党 | 立憲+社民 | |
2021年衆院選 | 8,050,830 | 11,492,090 | 1,018,588 | 12,510,678 |
2022年参院選 | 7,845,995 | 6,771,945 | 1,258,501 | 8,030,446 |
立憲民主党は、2021年の衆院選から2022年の参院選で、全国の比例での得票数を472万票以上も減らしてしまっています。
しかし、立憲民主党と社民党が「統一名簿」を組んだと仮定すると、2022年の参院選の得票で計算したとしても、維新の得票数を上回ることができるのです。
社民党は、2021年の衆院選では全国で100万票を超える比例得票数だったにもかかわらず、「全国11ブロックごとの比例」という制度の壁に阻まれて、比例では1議席も獲得することができませんでした。
つまり、社民党を支持する有権者の100万票以上の票が、丸々「死票」になってしまったのです。
それならいっそ、「立憲民主党」という名称で「統一名簿」を組み(衆院選では事実上、社民党が立憲民主党に吸収されるような感じ)、その代わりに社民党の服部良一幹事長を「比例単独1位」にして、さらに社民党の衆議院議員で沖縄2区の新垣邦男さんを他の立憲民主党の衆院選候補と同様に「比例重複立候補」として処遇してもらう(ただし、社民党は衆院選でこの2人以外に候補者を立てない)ように交渉すれば、社民党として議席が確保できるメリットがあるのではないでしょうか。
有力な提携先を一つずつ削りながらどんどん自分で自分の立場を危うくしていってしまっている立憲民主党にとって、社民党の100万票が味方に加わるとすれば、維新との「野党第一党争い」を考えるうえで心強い援軍になります。
具体的な獲得議席数を予測するのは難しいですが、全国11ブロックの比例で(立憲民主党が単独で戦う場合と比べて)計1議席~11議席の「積み増し効果」を得られる可能性があり、おそらくは「数議席のプラス」として働くのではないかと想像されますので、社民党の服部良一幹事長と新垣邦男衆議院議員の2名をそのように処遇したとしても、立憲民主党全体で「議席増」のプラスの効果が働くのではないかと予想できます。
そうした意味で、社民党は参院選と地方議会の選挙のみ単独で選挙戦を戦い、衆院選では立憲民主党と「統一名簿」を組んで選挙戦を展開していく方がよいのではないでしょうか。
3.来年の東京都知事選挙で大勝負を!
2024年の7月には、小池百合子東京都知事が任期満了で選挙を迎えることになります。
あるいは、小池都知事が「国政進出」で知事を辞任する場合には、その前に東京都知事選挙が行われることになるかもしれませんが、いずれにしても、来年の7月までには都知事選があります。
そこで、社民党党首の福島瑞穂さんに、東京都知事選挙に出馬していただくのはどうだろうか、というのが2つめの提言です。
「立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社会民主党の4党がまとまって推せる候補」として考えた場合、社民党党首の福島瑞穂さんは、一つの選択肢として検討する価値があるのではないかと思います。
2022年の参院選の東京選挙区における4党の候補者の得票数を合計してみます。
山添拓(日本共産党) : 685,224票
蓮舫(立憲民主党) : 670,339票
山本太郎(れいわ新選組): 565,925票
松尾明弘(立憲民主党) : 372,064票
服部良一(社会民主党) : 59,365票
5候補合計 :2,352,917票
直近の3回の都知事選の当選者の得票数を見てみましょう。
2014年都知事選・・・舛添 要一 :2,112,979票
2016年都知事選・・・小池百合子:2,912,628票
2020年都知事選・・・小池百合子:3,661,371票
前回の都知事選のような当選ラインになると「立憲野党4党共闘」だけでは勝負になりませんが、2014年や2016年の都知事選のレベルであれば、十分いい勝負ができる計算になります。
また、福島瑞穂さんが鞍替えで都知事選に出馬する場合には、参議院の比例選出なので社民党の他の候補者が参議院議員に繰り上げ当選することとなり、社民党としては国会での議席を減らさずに済みます。
都知事選で残念ながら当選ラインに届かずに落選した場合でも、今度は2025年7月の参院選の全国比例で福島瑞穂さんが再び国会の議席を狙うことができます。
社民党としては、損のない形で「都知事選」という大勝負に臨めることになります。
4.社民党の長期ビジョンを考える
社民党の長期的なビジョンを考えた場合には、「施行100年となる2047年まで日本国憲法を守り抜き、その記念すべき年を、社民党は国会議員5名以上を擁する国政政党として迎える」ということを目標にするとよいのではないかと思います。
まずは「護憲」の旗を守り続けるのが社民党のアイデンティティであり、それを「国会議員5名以上を擁する国政政党」として継続していくことが重要であると考えます。
現状では、参院選がある度に「得票率2%」を確保して「国政政党」としての存続を図っていくしかない状況ですが、これではあまりにも不安定すぎますので、3回の国政選挙で「参院選2議席+衆院選2議席+衆院選2議席=国会議員6名」という当選者数を目指せる体制を作り、「3回の選挙のどこか1回で当選者が1名に終わっても国会議員5名で政党要件を維持できる」というところまで党勢を回復させることをビジョンとして掲げるべきなのではないかと思います。
そして、平和憲法を次の世代へ受け渡していくことこそが、社民党に与えられた歴史的な使命なのではないでしょうか。
5.私設応援団の目:内閣不信任案とれいわ新選組の対応
通常国会の会期末が近づく中で、いま注目が集まっているのは、立憲民主党が内閣不信任案を提出するのかどうか、仮に不信任案が出された場合にそれが採決されるのか、あるいは、採決されずにそのまま衆議院解散になるのか、ということです。
そのような状況の中で、私が個人的に注目したいと思っているのは、仮に内閣不信任案が提出されてそれが採決されることになった場合に、れいわ新選組の大石晃子さんと櫛渕万里さんと多ケ谷亮さんの3人が、白票を入れるのか、青票を入れるのか、棄権をするのか、ということです。
さすがに青票(内閣信任)を入れることはないと思いますが、誰かが「茶番」と言い出して、白票(内閣不信任)を入れずに棄権してしまう可能性は、一定の割合であるのではないかという気がします。
もし3人のうち1人でも棄権してしまう議員が出れば、他の野党支持者から「れいわ新選組は本気で自民党政権と戦う気はない」と猛烈な批判を受けることになる展開が予想されます。
今国会での衆議院解散がない場合でも、9月の衆議院解散の話が取り沙汰されていることから、この場面ではれいわ新選組の衆議院議員3人が揃ってきっちり白票(内閣不信任)を入れることが大事なのではないか、と個人的には考えているところです。
6.トピックス①:参議院法務委員会出入国管理法強行採決で「#山本太郎ダイブ」
出入国管理法改正案が6月9日に参議院本会議で可決成立しましたが、その前の参議院法務委員会で強行採決となった際に、れいわ新選組代表の山本太郎さんが委員長席に向かって「ダイブ」を敢行しました。
私がこの記事を執筆している時点では、山本太郎さんに対する懲罰動議がどのように推移するのかまだ分かっていない状況です。
その行方も気になりますが、祖国から難を逃れて日本にやってきた人たちの命がどうなるのかという問題が、きわめて重要です。
そのことについてコメントした、社民党党首の福島瑞穂さんと、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんのツイートを紹介します。
7.トピックス②:とにかく明るい安村さん、日本人初「BGTファイナリスト」に
イギリスの人気番組「Britain’s Got Talent」に出演して「安心してください。はいてますよ(Don’t worry. I’m wearing.)」のネタを披露し話題となった「とにかく明るい安村」さんですが、その後、準決勝に出場して惜しくも敗退し、そこで終わりかと思われていたなかで、「ワイルドカード」によって決勝進出を果たし、日本人初の「BGTファイナリスト」になりました。
暗い話題が多いですが、最後に、とにかく明るい安村さんのツイートを紹介します。
憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。