※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
1.3年ごとの参院選を基軸にれいわ新選組の今後の戦略を考えてみる
2.選挙ボランティアの現状についての反省
3.右派政党が伸びるのはなぜか?
4.キャッチフレーズ・ポスター・チラシなどの問題
5.れいわ新選組代表選挙に期待すること
6.2028年参院選をどのように戦うべきか
7.60歳の山本太郎問題
8.トピックス:野村パターソン和孝さん、旭川市長選挙に出馬へ
1.3年ごとの参院選を基軸にれいわ新選組の今後の戦略を考えてみる
2019年の旗揚げ以来、れいわ新選組は3回の参院選を経験していますが、比例区の投票結果を見る限り、一貫して「れいわ」票(政党名票)の躍進は続いているというふうに捉えることができます。
参院選比例区れいわ新選組得票推移
2019年 | 2022年 | 2025年 | |
政党名得票数 | 1,226,412票 | 2,074,146票 | 3,598,897票 |
個人名1位氏名 | 山本太郎 | 水道橋博士 | 木村英子 |
個人名1位得票数 | 991,756票 | 117,794票 | 127,656票 |
個人名2位以下合計 | 62,084票 | 127,216票 | 153,361票 |
総合計 | 2,280,252票 | 2,319,156票 | 3,879,914票 |
そのことをふまえたうえで、私の独断と偏見で、今後3回の参院選におけるれいわ新選組の戦略目標を考えてみました。
参院選れいわ新選組戦略目標(案)
2028年 | 2031年 | 2034年 | |
選挙区候補者擁立目標 | 20人 | 30人 | 40人 |
比例票獲得目標 | 6,000,000票 | 8,000,000票 | 10,000,000票 |
達成目標 | 中規模政党 | 野党第一党 | 与党第一党 |
「2034年にれいわ新選組が政権を奪取する」という目標から逆算して機械的に落とし込んだ目標に過ぎませんので、実際にこれをクリアしていくためには相当な努力を要するわけですが、ほんの少し前まで小規模政党に過ぎなかった参政党が7月の参院選で700万票を超える比例票を獲得しているわけですから、決して可能性がゼロという話ではないと思います。
2.選挙ボランティアの現状についての反省
7月の参院選で、れいわ新選組は300万票を大きく上回る比例票を得たものの、400万票には届かず、獲得議席も3議席にとどまり、「伸び悩み」という結果に終わりました。
れいわ新選組の今回の参院選の選挙運動がどのようなものであったのか、「X」(旧twitter)上の「スペース」でれいわ新選組の選挙ボランティアの人たちが「反省会」をやっていたものを視聴する機会がありましたので、その中で出てきた話を要約して紹介したいと思います。
選挙戦初日に一番大変なのが「ポスター貼り」で、これをできる限り初日に終えるために人員をどう確保するかというのが最初の難関です。
人手がたくさんあって「みんな自分の家の近所の掲示板に5枚~10枚ポスターを貼ったら終わり」というような状況であればそんなに大変な話ではないのですが、「土地勘のない場所で掲示板を探しながらポスターを貼って回る」となると非常に大変ですし、貼る枚数も、50枚とか、100枚とか、人によっては1人で200枚も貼った(貼らされた)人もいたようで、そうなると、「もう、“ボランティア”という感じじゃない」(一種の“無償労働”だ)という話も出ていました。
ポスター貼りについて「空気が入らないようにポスターを貼るにはどうすればいいか」とか、チラシへの証紙貼りや、公選ハガキへの宛名シール貼りなど、「ボランティアの仕事の進め方について、一応のマニュアルはあるけれども、実態としては地域ごとにバラバラで、作業手順の標準化ができていない」といった話もあがっていました。
ポスター貼りにしても、証紙貼りにしても、「二人一組のペアで作業した方が効率がいいのではないかと思うが、人手が足りないために、結果的に一人で孤独に作業を進めるようになってしまっている」とかいう話もありました。
ボランティア一人ひとりに割り振る仕事の量や質をどのように調整するのかは非常に重要で、「特に、初めて選挙ボランティアに参加する人には達成しやすい量の仕事にしておかないと、無理をさせてしまって嫌な気分にさせてしまうと、次から来なくなってしまう」という問題点も指摘されていて、「前の選挙でボランティアに来てくれた人が嫌になってボランティアに来てくれなくなると、結局いつまで経ってもボランティアの数が増えずに人手不足が続いてしまう」というような話も出ていました。
地域によって「当たり外れ」もあるようで、本部の「担当者」や「補佐」の人が「いい人」の場合にはボランティアの人も気持ち良く作業ができているが、「居丈高」な人の場合には雰囲気も悪く、「山本太郎を応援しよう(あるいは、れいわの政策を実現しよう)と思うなら、頑張るしかないじゃないか!」みたいな感じで「やりがい搾取」的にボランティアに大量の仕事を割り振っている人もいたようです。
そうした現状をふまえて、「ポスターは初日に貼り終えることに固執せずに、3日間かけてもいいから、無理せずに計画的に少しずつ貼っていくようにした方がいいのではないか」といった意見も出たりしていました。
また、「電話かけのときに使っている名簿も、精度があまり良くない」という話もあって、「れいわの地方議員は初当選した1期目の人が多いので今は仕方がないのかもしれないが、これから早急に支持者名簿を整備した方がいい」といった話も出ていました。
以上のことを総合すると、れいわ新選組の選挙運動は「勝ち負けはともかく、ボランティアの力を借りて何とか選挙運動をやり終えた」というのが現状で、「選挙区の選挙で他候補に競り勝つ」というためには様々な面で改善が必要であると結論づけざるを得ないのではないかと思います。
このような反省点について、埼玉では、幹事長の高井崇志さんにボランティアが反省会で直接意見をぶつけて話をしているようです。
3.右派政党が伸びるのはなぜか?
今回の参院選で、国民民主党は改選4議席から17議席へと議席を増やし、参政党は改選1議席から14議席へと議席を増やしました。
なぜ右派政党ばかりが伸びているのでしょうか?
ここで、この夏「X」(旧twitter)を席巻した「西麻布の母」というアカウントの投稿を見ておきたいと思います。
選挙における国民民主党や参政党の躍進には、それ相応の理由や背景があり、リベラルが有権者の共感を失うなかで、共感を呼ぶキャッチコピーとSNS上の巧みな世論喚起によって「躍進すべくして躍進した」という面があることは否定できません。
そういう意味で、右派政党の躍進は非常に憂慮すべき状況ですが、参政党の躍進に失望してメッセージを送ってきた日本の若者の声に応えて、スロベニアのリュブリャナ大学社会学研究所教授のスラヴォイ・ジジェクさんが「ハンギョレ新聞」に寄稿した文章がありますので、ここで、その一部をみなさまに紹介したいと思います。
ドナルド・トランプは米国の受刑者をエクアドルに移送しようとしており、北朝鮮はロシアに兵士を売って前線に送っている。このような混沌とした状況下では、現実主義的ユートピアと呼べるものが必要だ。
聞く人が誰もいないのに真実を叫んでいるということに満足するだけの新興の少数政党や、選挙のたびに議会で生き残れるかどうかにおびえるだけの政党であってはならない。われわれには、ヘゲモニーを勝ち取る可能性があり、実効性のある効果を出せる異端が必要だ。
一方で、日本の社会学者の宮台真司さんは、参政党のことを「不安の幕の内弁当」とネーミングして参政党がブレイクした理由を解説したうえで、参政党の今後の党勢について「頭が悪すぎるので、賞味期限はとても短いと思います。」と予言しています。
エアレボSP!「参院後の政治展望 ポピュリズム解析、自由民主主義の行方」(参政党は「不安の幕の内弁当」頭出し済)
ここからは私個人の見方になりますが、宮台真司さんが普段接している若者たちや、多少なりとも論理的な思考をする大人たちであれば、今回の参院選で参政党に投票したとしても、比較的短期間のうちに参政党を見限ることになるだろうと思いますが、その次はおそらく多くの人たちが「チームみらい」を支持するようになるのではないかというふうに予測しています。
また、新しい流れについていけないオジサンたちや、論理よりも感情を優先するタイプの人たちは、時間が経過しても一定数残って「参政党」を支持し続け、比較的長期間にわたってある程度の勢力を維持し続けるのではないかという気がしています。
4.キャッチフレーズ・ポスター・チラシなどの問題
今回の参院選でれいわ新選組が苦戦した原因は、キャッチコピーとポスターとチラシ(さらに言えば、選挙公報と、ホームページ)にあったと考えられます。
今後はこれらを改めていくべきであるという声が、支持者からあがってきています。
参政党が参院選で大ブレイクした「日本人ファースト」というキャッチコピーは、参政党の支持者の発案によるもので、参政党代表の神谷宗幣さん自身は、「日本人ファースト」というキャッチフレーズがここまでブレイクするとは想像していなかったのだと言います。
一方、れいわ新選組のキャッチコピーは、広告代理店等の専門家の提案を聞くわけでもなく、れいわ新選組の支持者の声を聞くわけでもなく、もっぱら代表兼選挙対策委員長の山本太郎さんのアイデアで決まっているのだと言います。
このあたりの点は、今後改善していく必要があると思います。
れいわ新選組の記者会見で、ある記者の方が、「有権者のハートに火をつける言葉」の重要性について指摘し、質問をして問題提起しています。
5.れいわ新選組代表選挙に期待すること
2025年は3年に1回行われるれいわ新選組の代表選挙の年で、年末には代表選挙が行われます。
現代表の山本太郎さんが出馬することは間違いないと思われますが、その他の候補者の出馬があるのかないのか、あるとすれば誰が出馬することになるのか、全く分かりません。
仮に山本太郎さん以外の対抗馬が出馬する場合には、政策的なこと以外に、党組織や、選挙対策のあり方を争点にすべきなのではないかと思います。
今回の参院選で、東京都におけるれいわ新選組の支持率がガタ落ちしており、次期衆院選では比例東京ブロックで議席を獲得できないのではないかという懸念も出てきています。
3年前の参院選でも、東京都でのれいわ新選組の得票が落ちてきているということが問題として指摘されていて、おしゃべり会で女性の参加者が山本太郎さんに問い質しています。
【LIVE】山本太郎とおしゃべり会2023年10月8日(京都府)「どんな選挙結果になっても選対委員長が変わっていない」質問頭出し済
このとき山本太郎さんは、「今の規模であれば、代表が選対委員長を兼任するのは普通のことだ」という旨の回答をして、「自分が代表である限り、選対委員長を引き続き兼任していく」という方向性を示しています。
その結果がどうなったのかと言えば、2024年秋の衆院選では改選3議席から9議席へと「議席3倍増」の躍進を果たしましたが、2025年夏の参院選では改選2議席から3議席という「伸び悩み」ということになりました。
先に紹介した「スペース」の「参院選れいわ選挙ボラ反省会」で出てきた意見では、「代表を山本太郎さんから長谷川羽衣子さんに代えたらどうか」とか、「高井崇志さんは幹事長よりも国会対策委員長の方が向いているのではないか」とか、「選挙対策委員長や地域の組織作りを多ケ谷亮さんや山川仁さんにやってもらったらどうか」とか、「地方議員の取りまとめを、東は東京の堀切稔仁さんに、西は大阪の伊藤勇樹さんにやってもらったらどうか」といったこともあがっていました。
また、今年6月の西尾市議会議員選挙で山市志保さんが初当選を果たした時の選挙運動の具体的なやり方について、豊橋市議会議員の菅谷竜さんが「note」に記して情報を開示しています。
そういう意味では、多ケ谷亮さんか山川仁さんに代表選に立候補してもらって、「代表兼選挙対策委員長になって、れいわ新選組の選挙のやり方を変えたい」みたいな問題提起をしてもらえると面白いのではないかと思います。
ここからは私個人のアイデアですが、れいわ新選組の代表選の場合、れいわ新選組の外部の人間も代表選に立候補できるという不思議な規程があって、前回の代表選では評論家の古谷経衡さんが外部から出馬していますので、今回の代表選では誰か外部から選挙プランナーを連れてきて、「私がれいわ新選組の代表兼選挙対策委員長になったら、れいわ新選組の選挙をこう変える!」みたいな公約(「政策は山本太郎代表と一緒だが、選挙対策委員長としての選挙のやり方は山本太郎さんと違う!」みたいな言い方)で代表選を戦うようにすれば、議論が大いに盛り上がるのではないでしょうか。
6.2028年参院選をどのように戦うべきか
れいわ新選組の代表選を盛り上げることは重要ですが、誰が出馬するにせよ、おそらくは山本太郎さんが今回も代表に選ばれる可能性が高く、本人がやる気マンマンであることから、山本太郎さんが「代表兼選挙対策委員長」になるのではないかという気がしています。
山本太郎さんも人の子ですから、「本人が気持よく仕事できる」という要素も無視できません。
そういう意味では、党の組織をいじって、「選挙対策委員長」の下に「衆院選選挙対策本部」と「参院選選挙対策本部」と「地方選選挙対策本部」の3つの対策本部を作って、それぞれに本部長を置くようにするのがよいのではないかと思います。
そして、次のような分業体制を構築してみてはどうでしょうか。
◎選挙対策委員長:山本太郎
○衆院選選挙対策本部――本部長:山本太郎(兼務)
○参院選選挙対策本部――本部長:多ケ谷亮
○地方選選挙対策本部――本部長:山川仁
「今から3年間」というタイムスパンで考えた場合には、れいわ新選組にとって重点的に対策を行わなければならないのは、参院選と地方選だと思います。
参院選と地方選は実施期日が予め決まっていますので、いつ解散総選挙があるか分からない衆院選と違い、選挙対策の準備を計画的に行いやすいという性質があります。
地方選で勝って地方議員を増やすことと、参院選の複数区で当選者を出して「中規模政党」と言われるに相応しい議席を獲得することが、今後3年間のれいわ新選組にとって非常に重要になります。
衆院選の小選挙区と、参院選の1人区に関しては、6年後や9年後を考えた時の課題としては重要ですが、3年というスパンで考えた場合には当選者を出すことは事実上難しいものと思われますので、「そこはあまり深く考えない」という割り切りも必要なのではないかと思います。
次期衆院選に関しては、早ければ今年の秋とか、あるいは来年、再来年、3年後など、いろいろな時期が考えられますが、「小選挙区で当選者を出すことは当面難しい」というふうに割り切るならば、焦点は比例区の得票数と当選者数のみということになります。
前回の衆院選のように各ブロックに比例単独候補をしっかり配置して選挙戦を戦うのであれば、選挙のやり方自体はこれまで通りでも全然悪くはないのではないかと思いますので、代表の山本太郎さんがその部分を引き続き見ていくのが、みんなにとってハッピーな結論になるのではないでしょうか。
大きく変えるべきは参院選の複数区における候補者決定のやり方で、これからはできるだけ早く予定候補の「内々定」を出して、時期が経ってから「内定」を出すやり方に変えてはどうかと思います。
それは、予定候補の「内定」を出す前に「内々定」の段階で選挙資金の「クラウドファンディング」を先行させて、資金が集まった段階で予定候補の「内定」を正式に決めるようなやり方にするという提案です。
参院選選挙区候補予定者選挙資金クラウドファンディング方式(案)
事務所経費必要額 | クラウドファンディング累計額 | 予定候補者選定 | |
2025年8月 | 36,000,000円 | 400,000円 | 内々定 |
2025年9月 | 35,000,000円 | 800,000円 | |
2025年10月 | 34,000,000円 | 1,200,000円 | |
2025年11月 | 33,000,000円 | 1,600,000円 | |
2025年12月 | 32,000,000円 | 2,000,000円 | |
2026年1月 | 31,000,000円 | 2,400,000円 | |
2026年2月 | 30,000,000円 | 2,800,000円 | |
2026年3月 | 29,000,000円 | 3,200,000円 | |
2026年4月 | 28,000,000円 | 3,600,000円 | |
2026年5月 | 27,000,000円 | 4,000,000円 | |
2026年6月 | 26,000,000円 | 4,400,000円 | |
2026年7月 | 25,000,000円 | 4,800,000円 | |
2026年8月 | 24,000,000円 | 5,200,000円 | |
2026年9月 | 23,000,000円 | 5,600,000円 | |
2026年10月 | 22,000,000円 | 6,000,000円 | |
2026年11月 | 21,000,000円 | 6,400,000円 | |
2026年12月 | 20,000,000円 | 6,800,000円 | |
2027年1月 | 19,000,000円 | 7,200,000円 | |
2027年2月 | 18,000,000円 | 7,600,000円 | |
2027年3月 | 17,000,000円 | 8,000,000円 | |
2027年4月 | 16,000,000円 | 8,400,000円 | |
2027年5月 | 15,000,000円 | 8,800,000円 | |
2027年6月 | 14,000,000円 | 9,200,000円 | |
2027年7月 | 13,000,000円 | 9,600,000円 | |
2027年8月 | 12,000,000円 | 10,000,000円 | |
2027年9月 | 11,000,000円 | 10,400,000円 | |
2027年10月 | 10,000,000円 | 10,800,000円 | 内定(事務所開設) |
2027年11月 | 9,000,000円 | これ以降の寄付は広告費に使う | |
2027年12月 | 8,000,000円 | ||
2028年1月 | 7,000,000円 | ||
2028年2月 | 6,000,000円 | ||
2028年3月 | 5,000,000円 | ||
2028年4月 | 4,000,000円 | ||
2028年5月 | 3,000,000円 | ||
2028年6月 | 2,000,000円 | ||
2028年7月 | 1,000,000円 |
※事務所経費を月額1,000,000円、1ヵ月毎に集まる寄付額を400,000円と想定した場合。
参院選の複数区に候補者を出す場合には、できるだけ早く候補予定者を「内々定」し、事務所の運営に必要な資金をクラウドファンディングして、選挙資金が集まり次第、候補予定者を「内定」して事務所を開設し、選挙区で活動を始めるようにしてはどうかと思います。
資金が早く集まりさえすれば、選挙の1年前からでも、2年前からでも、参院選の選挙区での地盤の掘り起こしを始めたらいいと思います。
途中で衆議院の解散総選挙があって参院選の候補予定者を衆院選に出馬させる必要が生じた場合には、全体を見て代表の山本太郎さんが判断するようにすればよいのではないかと思います。
そのうえで、2028年参院選の東京選挙区に関しては、特別態勢で地盤の掘り起こしに臨むべきだと思います。
具体的には、できるだけ早く東京選挙区の予定候補者を山本譲司さんに内定し、同時に山本太郎さんが次期参院選で東京選挙区ではなく全国比例で出馬する予定であると公表して、山本譲司と山本太郎の「W山本」(選挙区は「山本ジョージ」、比例区は「山本太郎」)で東京都内の地盤を改めて掘り起こしていくのです。
2025年参院選の東京選挙区の選挙結果を見る限り、選挙区においても比例区においても相当の覚悟でもって選挙対策をしていかないと、得票数の減少トレンドから反転攻勢させていくのは厳しいのではないかと思います。
普通に対策しても東京都内で「れいわ」の政党名の票が増やせるかどうか怪しいようなら、ここは「山本太郎」の個人票で比例票を開拓していく必要があるのではないでしょうか。
2028年の参院選においては、全国で見た場合に、「れいわ」の政党名で400万票、「山本太郎」の個人名で150万票、その他の比例候補の名前で50万票の票を獲得し、合計600万票の比例票を獲得できるよう動いていく必要があると思います。
そのうえで、東京選挙区だけではなく、いくつかの複数区で議席が獲得できるよう、早め早めに準備を進めていくことが重要です。
今年の参院選で参政党が選挙区で当選者を出した選挙区は、きちんと対策をしていけばれいわ新選組も当選者を出すことが可能な選挙区になります。
2028年の参院選ではれいわ新選組が「中規模政党」と呼ばれるにふさわしい議席を獲得できるように、しっかりとした準備と対策を進めていってほしいと思います。
7.60歳の山本太郎問題
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授の中島岳志さんは、中島岳志・雨宮処凛・杉田俊介・斎藤環・平野啓一郎(共著)『秋葉原事件を忘れない―この国はテロの連鎖へと向かうのか』(かもがわ出版、2023年)の中で、次のように述べています。
我々3人(筆者注:中島岳志・雨宮処凛・杉田俊介)はすごく近い誕生日で、1975年の1ヵ月以内に生まれたんですよね。山本太郎さんも1974年11月で近いんですが、自分を含めてずっと考えているのが「60歳の山本太郎」という問題なんです。我々はあと10年ちょっとで60代になる。これから10年間、山本太郎さんや僕たちが、ロスジェネ世代としてどのように闘い、そして老いていき、最後にどのような形を作ることができるのか、ということです。これは、ある種の政治的シンボルとして、山本太郎という人に仮託されているところがあると思っているんですね。
私は闘技デモクラシーや制度の不審者であることの重要性を認めたうえで、これを次の段階に進めることが必要なのではと思っています。大きな包摂というか、その敵対性を超えてみんなが幸福へと向かうことができる次元の運動とはどのようなものだろうかと考えています。僕たちの運動や批評性、あるいは政治性を、次の段階に昇華させないといけない、そうした段階がこの10年で来ると思うんですね。これが僕のいう「60歳の山本太郎」問題なのです。
山本太郎さんが60歳になるのは2034年ですが、ロスジェネ・就職氷河期世代の老後を救おうと思えば、その時期にはれいわ新選組が与党第一党になって山本太郎さんが内閣総理大臣に就任している必要があります。
そのタイムスケジュールから逆算すると、参院選は、2028年、2031年、2034年のあと3回しかありません。
その3回の参院選は、「ホップ・ステップ・ジャンプ」でいかないと、もはや「伸び悩み」といった時間のロスは許されないような状況になってきています。
れいわ新選組の旗揚げの2019年に山本太郎さんが演説で「時間ない」と言って泣いていた、あの時の思いにもう一度立ち返って、組織運営や政治活動を進めていってほしいと思います。
れいわ新選組代表 山本太郎街頭演説2019年5月5日福岡・小倉駅小倉城口(南口)前デッキ 「みんなで変える時に来てんだよって。もう時間ないですよ。時間ない。」頭出し済
8.トピックス:野村パターソン和孝さん、旭川市長選挙に出馬へ
れいわ新選組で活動していた野村パターソン和孝さんが、9月7日投開票の旭川市長選挙に無所属で出馬することを表明しました。

憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。