政治を斬る!

維新ついに与党入り!? 石破政権は安定する…いやいや実はここから「石破おろし」が始まります!

維新の与党化が確定? その裏にある思惑とは

日本維新の会の与党化が急速に進んでいる。高校無償化の実現を条件に、石破政権の予算案に賛成。一方で、立憲民主党と国民民主党が共同提出したガソリン税減税法案には、土壇場で反対に転じた。

この政局的影響は極めて大きい。なぜなら、今国会末に内閣不信任案が提出されたとしても、維新が反対するのは確実になったからだ。

これまで与党が過半数を割る“少数与党国会”だったが、その終焉が迫っている。

しかし、これは石破政権を安定させることにはならない。むしろ、自民党内の「石破おろし」に火をつける可能性があるのだ。


維新が自公与党に急接近した理由

維新が与党に接近した表向きの理由は、高校無償化の実現だ。しかし、その裏には別の事情がある。それが、大阪万博だ。

維新は「身を切る改革」を掲げて成長してきたが、いざ実施段階に入った大阪万博は、税金の無駄遣いが次々に明るみに出るなど、大きな逆風を受けている。チケット販売も伸び悩み、このままでは「失敗」というレッテルを貼られかねない。

そこで頼りにしているのが石破政権だ。政府からの財政支援はもちろん、トランプ大統領が訪日時に大阪万博へ立ち寄れば、抜群の宣伝効果を得られる。これには、政権の全面的な協力が必要だ。

つまり、維新は万博を成功させるため、石破政権と全面対決するわけにはいかない、という構図が浮かび上がる。


内閣不信任案と政局の変化

後半国会の焦点は次の三つだ。立憲民主党はこの3つで石破政権を揺さぶる方針だ。

  1. 企業団体献金の全面禁止
  2. 選択的夫婦別姓の法制化
  3. 内閣不信任案

維新は1つ目の企業団体献金禁止には反対しにくい。しかし、注目すべきは2つ目の選択的夫婦別姓だ。

維新はこれまでは賛成の立場を取っていたが、ガソリン税減税法案には「新年度からの実施は乱暴すぎる」として反対に転じた。となれば、選択的夫婦別姓についても「基本的には賛成だが、時期尚早」として反対に回る可能性がある。

そして最大のポイントは、内閣不信任案だ。

これまで「少数与党国会」のもとで、与党は常に不信任案可決のリスクと隣り合わせだった。しかし、維新が予算案に賛成し、その他の法案でも与党と足並みをそろえることで、もはや不信任案が可決される可能性はなくなった。与党にとっては、いざとなれば維新がどの法案でも賛成に回るという確信を得た形だ。

これは、少数与党国会の終焉を意味するだろう。


しかし、「石破おろし」が加速する!?

では、石破政権は安泰なのか? 答えは否である。

国会運営は維新の協力で安定した。しかし、これはむしろ自民党内の「石破おろし」を加速させる可能性がある。

これまで、自民党内の反主流派(麻生太郎氏ら)は「石破おろしを仕掛ければ、国会が立ち往生し、自公政権そのものが崩壊する」という懸念があった。しかし、維新が与党化したことで、そのリスクは消滅。もはや「石破おろし」を躊躇する理由はなくなった。

石破おろしの動機はシンプルだ。「夏の参院選に石破総理では勝てない」という危機感である。内閣支持率が低迷したままでは、選挙に勝てる見込みがない。支持率が回復しない限り、石破おろしの芽は消えない。むしろ、国会運営が安定したことで、石破おろしのタイミングとしては絶好の状況になってしまった。


政局の主戦場は自民党内へ

維新の与党化で、一見すると石破政権は安定したかのように見える。しかし、それは逆に「石破おろし」を加速させる可能性を秘めている。

これまでの政局の焦点は「与野党対立」だったが、これからは「自民党内の権力闘争」に移っていくだろう。

果たして、石破総理はこの戦いをどう乗り切るのか? それとも、戦う前に終わってしまうのか?

今後の動きから目が離せない。