議会も役所も業界もマスコミも敵に回しながら大胆な子ども政策を実行し、人口も税収も伸ばしてみせた明石市の泉房穂市長が4月30日に退任する。「明石モデル」は全国の自治体に波及して世論の注目を集め、岸田政権を「異次元の少子化対策」に追い込む原動力となった。
泉氏は自民の市議会議長と公明の市議に「選挙で落としてやる」と暴言を吐いたことを議会やマスコミに批判され、昨年秋に政治家引退を表明。その後、「明石市民の会」を立ち上げて反撃に転じ、4月の統一地方選で後継市長を勝利させ、新たな県議や市議も誕生させた(市長選は自民党の西村康稔経産相が擁立した候補をダブルスコアで倒す完勝。県議選はトップ当選、市議選は5人全員当選で上位4位を独占する圧勝だった)。
泉氏は「明石でできたことは全国でもできる」とし、各地の首長と連携して県政や国政への勢力拡大に意欲をみせている。「自民も立憲も市民の味方ではない」と明言し、地方に軸足を置いた政治勢力を広げて二大政党政治に対抗する戦略を描く。
私が泉氏に明石市長としての12年間の政治闘争と、今後の政界再編を仕掛ける構想とロングインタビューした内容をまとめた『政治はケンカだ!明石市長の12年』が5月1日に発売される。ネット予約は好調で、早くも発売前重版が決定した。
市長を退任して自由な立場となった泉さんが持ち前の「毒舌」を遠慮なく全開させ、市長時代のエピソードを赤裸々に織り交ぜながら、与野党、議会、財務省など中央省庁、ゼネコンなどの業界、マスコミを次々に滅多切りする衝撃の内容。
明石で長年の政敵であり、東大時代からお互いを知る同世代であり、今回の明石市長選でも激しい代理戦争を繰り広げた西村経産相をはじめ、与野党の政治家が実名で次々に登場する。かなり読み応えがある。
明石発の政治改革が全国に波及し、自民・立憲の二大政党政治を根幹から揺るがす可能性がある。泉氏は市長退任後、さらに注目を浴びる政治家になるだろう。
5月1日の発売に先立ち、現代ビジネスで一部を無料公開している。
まえがき『「日本一の子育て政策」「暴言、毒舌」で知られた明石市長・泉房穂氏がいま「本音」で話すこと…「『人から嫌われたくない』なんて思ったことはない」』
第一章③『明石の名物市長・泉房穂のヤバい東大生時代…「お前ら、中途半端な爆弾撃ってくんな」革マル派や中核派とケンカしていたあの頃』
第一章④『「政党の幹部とか地元企業の偉いさんの支援がなくても選挙は勝てる」…最初の市長選で「わずか69票差」で勝った泉房穂…マスコミが嘲笑ったまさかの「支持基盤」』
第一章⑤『「兵庫県の自治体は地元マスコミにカネ(税金)を渡している」名物市長・泉房穂が激白…役所と地元マスコミのズブズブ過ぎる関係【暴言騒動の内実も】』
第一章⑥『暴言市長が初めて明かす「政治家引退の真相」…泉房穂の「辞め方」の美学とは? 小沢一郎から説得されて言い放った「衝撃の一言」』
あとがき『「小柄な暴言王・泉房穂明石市長、橋下徹元大阪府知事、古賀誠元自民党幹事長…元朝日新聞記者が語る3人の政治家の「似た匂い」』