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麻生太郎84歳、高市早苗に乗ることをためらわせる「家柄主義」 キングメーカー争いに敗れれば10月政界引退も!土壇場で菅義偉との極秘会談はあるか?

麻生太郎氏が高市早苗氏に乗れば、小泉進次郎氏や石破茂氏に勝てる。事実上三つ巴の争いになった自民党総裁選で高市氏を支持する右派にそんな期待が高まっている。

麻生氏は確かに小泉氏にも石破氏にも乗りにくい。キングメーカーの座を争う菅義偉氏にどちらも近いからだ。

けれども高市氏にも乗りにくい事情がある。

ひとつは高市氏が首相になったら靖国神社を参拝すると明言していることだ。米国はロシアや中国に対抗するため日米韓の連携をアジア外交の基軸にしている。高市氏が靖国参拝を断行すれば、韓国世論を刺激して日米韓の連携が揺らぐことを最も警戒しているのだ。麻生氏は日米関係を最重視しており、米国の意向は無視できない。

もうひとつは、家柄や格式を重んじる麻生氏の権威主義である。

麻生氏は明治国家をつくった大久保利通を高祖父、戦後日本の礎をつくった吉田茂を祖父に持ち、妹は三笠宮家に嫁いでいる。華麗なる一族なのだ。その家系を何よりも誇りに思っている。

安倍晋三氏ら政治名門一族には心を許すものの、菅義偉氏や二階俊博ら叩き上げの政治家には気が置けず、常に警戒感を抱いてきた。

高市氏は生粋の自民党ではない。しかも叩き上げだ。政敵の菅氏さえ背後についていなければ、政治家4代目で首相を父に持つ小泉氏のほうがよほど安心できる存在なのである。

はたして高市氏はふたつの壁を乗り越えて、麻生氏の支持を得ることができるのか。大逆転の絶対条件はそこにある。

麻生氏は総裁選最中の9月20日に84歳になった。

政界最高齢の二階氏は85歳。裏金事件で次の総選挙への不出馬に追い込まれた。次のターゲットは、派閥存続を宣言している麻生氏だ。本人は現役続行の気満々だが、今回の総裁選で菅氏とのキングメーカー争いに敗れれば、10月解散総選挙で二階氏とともに政界引退に追い込まれる可能性もある。

何としても負けられない。

麻生氏が出馬を支援した河野太郎氏、上川陽子氏、小林鷹之氏の3人は決選投票に進む可能性はほぼ消滅した。小泉氏と石破氏は菅氏に近い。麻生氏が菅氏と激突して勝つには高市氏に乗るしかない。

仮に麻生氏が第一回投票から高市氏に乗れば、小泉氏は3位に沈み、決選投票に勝ち進めないだろう。石破氏と高市氏という国会議員に不人気同士の決選投票になれば、誰も予期できない大接戦となる。

だが、麻生氏が高市氏に乗って勝てなければ完敗だ。それこそ、菅氏にキングメーカーの座を奪われ、政界引退に追い込まれてしまう。

むしろ高市氏に乗るフリをして菅氏を焦らせ、土壇場で菅氏に裏交渉を持ちかけ、自らの処遇を守ることを条件に小泉氏に乗るという老獪な立ち回りをする可能性もあるのではないか。そのほうが対米重視の政治姿勢にも自らの家柄主義にも反しない選択と言えるだろう。

次の首相は、小泉氏、石破氏、高市氏に絞られた。三つ巴の戦いを決するのは、麻生氏と菅氏の動向だ。

キングメーカーの座を争うふたりが激突し、どちらか一方が倒れるのか。それとも土壇場で手を握り、双方が生き残る妥協点を探るのか。

9月27日投開票目前のギリギリのタイミングで、麻生氏と菅氏の極秘会談が行われるかもしれない。ここが最大の山場だ。

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