政治を斬る!

与野党5党の党利党略バトル! 石破政権 予算修正&裏取引の全貌〜YouTube日曜夜恒例の【ダメダメTOP10】のエッセンスをSAMEJIMA TIMESのWEB版記事でも紹介

鮫島タイムスYouTubeでは毎週日曜日夜、1週間の政治ニュースを振り返り、そこに登場する「ダメダメ政治家」をランキングにして、皮肉やユーモアを交えて10位から1位まで発表する特別番組を公開しています。

鮫島タイムスWEB版でもそのエッセンスを紹介することにしました。活字でコンパクトにまとめています。詳しくはyoutubeをご覧ください。

第10位  前原誠司  高校無償化を勝ち取った代償は大きいぞ!

石破首相とは防衛族として盟友関係にあるだけではなく、鉄道オタクの趣味も共有する唯一無二の親友。

お友達つながりを頼って、高校無償化を受け入れてもらう代わりに、予算案賛成に踏み込む覚悟を決めた前原氏。今や石破首相にとっては政権を救う恩人だ。

維新党内には前原氏だけが目立つことに不満が募り、自民党との合意には異論もくずぶる。前原氏は「安倍派の会計責任者の参考人招致が実現しない限り…」と慎重姿勢も維持しているが、もはや石破首相と手を握り合う本音は隠しようがない。

けれども実はこれは危険な賭け。石破首相は政権基盤が弱い。内閣支持率が低迷して「石破首相では選挙は戦えない」となれば、7月の参院選前に引きずり下される可能性は少なくない。そうなれば、前原氏もお役御免となるかも。

前原氏は「壊し屋」の異名を持つ。民進党代表時代は小池百合子知事が旗揚げした希望の党に合流して大失敗。国民民主党は玉木雄一郎代表と対立して離党し維新に合流した。今度は維新をぶっ潰すことになるのかーー。

第9位 榛葉賀津也  「手取り増やす」はどこへ?

石破首相が維新の高校無償化を受け入れ、維新の賛成を得て予算案を成立させる方針を決めたことで、ハシゴをはずされたのが国民民主党。

所得税減税を掲げ「手取りを増やす」と訴えて自民党と協議を続けてきたものの、自民党から示された所得税減税案は骨抜きそのもの。年収500万円以上の非課税枠は123万円に据え置かれて減税効果はほとんどなし。

榛葉幹事長の怒りは沸騰。怒りの矛先は維新にもーー。

もはや石破政権を見切り、反主流派の麻生太郎元首相と組んで石破おろしに加勢するしかないのでは?

第8位  立憲民主・安住淳  自民・森山幹事長との裏取引

少数与党国会の顔は、立憲民主党・安住淳衆院予算委員長。

実はこの安住氏が気脈を通じているのが、自民党の森山幹事長。

このふたりが国会のシナリオを描き、実はその通りに進んでいる。

その代表例が、安倍派の会計責任者である松本氏の参考人招致問題。衆院予算審議の山場を迎えて、国会はこの問題で大混乱している。

野党は賛成多数で参考人招致を議決したが、参考人招致には強制力がなく、松本氏が拒絶すれば実現しない。

なぜ最初から強制力のある証人喚問を議決しなかったのか? そうしておけば、ここまで混乱することはなかった。

安住氏と森山氏が双方の顔を立てる裏取引で、当初から「証人喚問は回避」「予算案は年度内成立」と密約がかわされていたとみるのが自然だ。

この二人が画策するのは、参院選後、消費税増税を旗印にした自民・立憲の大連立だ。

第7位  鈴木法務大臣  法務省職員に菓子折り配布

鈴木法務大臣が法務省職員に中国のお菓子「月餅」を配っていた。「1月下旬に国会が始まるタイミングで、職員全体に慰労・激励の趣旨で差し入れた」と説明している。

しかし、鈴木氏は比例南関東ブロック選出。千葉や神奈川や山梨に住む職員に配った月餅は、公選法違反になる可能性がある。

なんともお粗末。あまり目くじらを立てなくてもよいという声もあるが、この人、法務大臣である。もっとも法律を遵守しなければならない責任者が、いったい何をしているのか?

しかも、法務省には裁判官や検事が出向している。彼らのなかには神奈川や千葉に住んでいる者もいるだろう。月餅を受け取れば公選法違反にあたるということには気づいていたはず。

日本の法曹界、大丈夫か?

悪徳政治家を逮捕・起訴しないのに、袴田さんら冤罪事件は反省しない。検察不信が高まっている。

第6位  萩生田光一  高校無償化に怒り心頭

石破首相は盟友・前原誠司氏が率いる日本維新の会の要求を受け入れ、高校無償化を受け入れた。維新の賛成を得て、予算案を可決・成立させる考えだ。

これに猛反発しているのが、裏金議員・萩生田光一氏。

萩生田氏は安倍派のドン・森喜朗元首相の寵愛を受け、安倍派5人衆として最大派閥の実力者だったが、昨年の裏金事件で失脚。衆院選では自民党公認を外され、無所属で勝ち上がってきた。

ただでさえ、石破総理や森山幹事長には怒っている。

そこへ今回の高校無償化。

文部省は安倍派の牙城だった。萩生田氏も元文科大臣。とくに私学助成は安倍派が牛耳り、選挙では私学団体から支援を受けてきた。

安倍派が裏金問題で壊滅したのをうけ、自民党の森山幹事長や維新の前原共同代表が、私学利権を奪い取りにきた! 萩生田氏はそう見ているに違いない。

利権の恨みは大きい。それが政治の世界。

萩生田氏、いよいよ石破おろしにむけて臨戦体制に入った。

第5位  江藤農水大臣  備蓄米放出でドヤ顔

ようやく21万トンの備蓄米放出を表明した江藤農水大臣。これによって流通市場が動き出し、価格が落ち着くと自画自賛した。

ならばなぜもっとはやく放出しなかったのか? ほんとうに米価は落ち着くのか?

米価を高く維持した方がコメを集荷する農協の販売手数料が増えて儲かる。

農水省、農水族議員、農協の政官業癒着。農水省は農協グループに大量に天下っている。

農協を守るため、米価を高く吊り上げるため、減反政策で米の生産量をわざと減らしてきた。

その結果、日本は米不足に陥り、米価が高騰した

それが令和の米騒動の真実だ。

おそらく備蓄米放出は一時的な効果しかなく、慢性的に米価は上がっていく。

今回の備蓄米放出も、卸売業者ではなく、農協を中心とした集荷業者に売っている。そして、将来的には買い戻す方針だ。

なんとしても流通量を抑えて米価を維持したい。これが農水省の本音。米価高騰に苦しむ消費者は二の次だ。

第4位  石丸伸二 「選挙の神様」と絶縁で暗雲

東京都知事選で注目を浴びた石丸伸二氏。決起集会のライブ配信を巡り、業者に約100万円を支払った公選法違反の疑いが持ち上がり、大ピンチ!

さらに、選挙参謀だった「選挙の神様」こと藤川晋之助氏と決裂。「俺のせいにされてるけど、知らん!」と藤川氏が文春に爆弾発言をした。

藤川氏は「業者への撮影依頼は全然知らなかった」「何で俺のせいになっているのか(納得できない)」としたうえで、「人件費の見積書があるので、選挙違反をやったことは認めざるを得ない」と証言。自らの責任については「自分は知らなかったので、故意はない」と話している。

さらに藤川氏は石丸氏とは絶縁状態であると打ち明け、「石丸氏は一切御礼がない」と批判。「あんな41歳のガキに…」と怒りを周囲にぶつけているようだ。

石丸氏は立件されれば、公民権停止で次の都知事選出馬は困難に。今年夏の都議選にむけて地域政党「再生の道」を旗揚げし、候補者公募に約500人が名乗りを上げたというが、「石丸旋風」は早くも終焉のカウントダウンが始まったといえそうだ。

第3位  森山幹事長 「影の総理に不満続出」

国会は予算修正協議が大詰め。自公は少数与党、野党の協力なしに予算案は成立できない。

そこで存在感を増しているのが、影の総理と呼ばれる自民党の森山幹事長だ。

衆院予算委員長として予算審議を仕切る安住氏とはツーカーの仲。

いまや森山・安住ラインが政局全体を動かしている。

森山氏は自民党内では少数派閥の領袖に過ぎなかった。自公与党が過半数を回復すれば、森山氏に出番はない。自公与党が過半数を割り、立憲など野党の協力がなければ国会が回らないからこそ、森山氏は存在感を増している。

森山にとって、自公与党が過半数割れの状況が続く方がよい。

自民党内には夏の参院選にあわせて衆参ダブル選挙を実施し、衆院の過半数回復を目指す動きもあるが、森山氏はこれをつぶすだろう。

そして自公過半数割れのまま参院選を乗り切り、そのあとに立憲と増税大連立!

森山・安住のシナリオはいまのところ、彼らの思惑通りに進んでいる。

第2位  トランプ大統領 「ゼレンスキーを独裁者呼ばわり!」

ロシアとの停戦に動くトランプ大統領が、ついにゼレンスキー大統領を「独裁者」と強烈批判。

選挙を経ないまま、戦争を続行しているという指摘はそのとおりだ。

ただ、ゼレンスキー大統領をそのように仕向けてきたのは、米国のバイデン政権である。ウクライナを盾にしてロシア包囲網を構築するのがその狙いだった。

アメリカの外交政策が大転換するのは間違いない。日本は与野党もマスコミも「ロシアを許すな」の大合唱だった。この間、戦争は長引き、多くのウクライナ国民の命が失われた。

これは外交政策の大失敗だった。

米国にハシゴをはずされ、日本政府はどうするのか。与野党もマスコミも自己検証することが必要だ。

第1位 石破茂 「本当に弱者の味方なの?」

医療費が高くかかった場合、患者負担の上限額を引き上げる予算案について、難病やがん患者の団体が反発し、立憲民主党も全面凍結を訴えてきた。

これをうけて、石破首相は「最も苦しんでいる方々の声を無視して制度を決定することはできない」とし、一部凍結を認めた。

凍結されるのは、年四回以上の高額治療を受ける人だけ。年三回以下は政府案とおりに引き上げる。

とはいえ、患者負担が緩和されるのは間違いない。立憲民主党内には「大勝利!」「石破政権の横暴を止めた」との声がわきあがっています。

しかし、本当にそうか。

そもそもこれほど患者負担の上限額を引き上げる予算案は、無理筋だった。凍結は当然だ。

それは石破政権も織り込み済みだったのではないか。

今国会は自民党の森山幹事長と立憲の安住予算委員長が水面下で練り上げたシナリオ通りに進んでいる。

ここは立憲に花を持たせ、予算案の年度内成立や安倍派会計責任者の証人喚問回避では自民の主張を通す。このような裏取引があったとしか私には思えない。

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