内閣支持率急落で政局は激震!
「お金にはキレイ」——これが石破茂首相の唯一のセールスポイントだった。
しかし、それが一瞬で吹き飛んだ。自民党の新人議員に商品券10万円を配ったスキャンダルが発覚し、内閣支持率は急落。自民党内では「石破おろし」の動きが加速し、夏の参院選を前に政局は大きく揺れている。
一方、野党の足並みも乱れ、内閣不信任案をめぐる立憲民主党と国民民主党の対立が鮮明になった。激化する攻防の中で、日本の政治はどこへ向かうのか?
支持率急落の衝撃
商品券スキャンダルが報道されたのは3月13日夜。その後、朝日、毎日、読売の3大紙が週末に実施した世論調査の結果は、まさに「政権崩壊前夜」と言えるものだった。
- 朝日新聞 支持率26%(-14)/不支持率59%(+15)
- 毎日新聞 支持率23%(-7)/不支持率64%(+10)
- 読売新聞 支持率31%(-8)/不支持率58%(+15)
石破首相の「お金にクリーン」なイメージは消え去り、唯一の強みが失われた。だが、支持率低下の原因は商品券スキャンダルだけではない。
スキャンダル発覚直前に行われたNHKの世論調査では、すでに支持率は36%(-8)、不支持率は45%(+10)に落ち込んでいたのだ。
この調査が行われたのは、予算案が衆院を通過した直後。石破政権が、国民民主党が求める所得税減税やガソリン税減税を拒否し、立憲民主党が求める高額療養費の引き上げ凍結をめぐって迷走したことが、国民の失望を招いていた。
商品券スキャンダルは、あくまで「トドメの一撃」に過ぎない。
自民党で進む「石破おろし」
内閣支持率の急落を受け、自民党内では「石破では戦えない」との声が噴出。麻生太郎元首相ら反主流派は総裁選の準備を進め、高市早苗、小林鷹之、茂木敏充の各氏らの名前が浮上している。
一方、主流派の森山幹事長らも石破政権の行き詰まりを認識し、林芳正官房長官を擁立する動きを見せる。
そんな中、石破首相の数少ない側近のひとりである自民党の舞立昇治参院議員(鳥取県連所属)が「商品券配布は歴代首相もやっていた」と発言した。
石破首相を擁護する狙いがあると見られるが、もしこれが本当なら、自民党全体を揺るがす大スキャンダルに発展しかねない。
多くの自民党議員は「石破首相がバカだった」というストーリーで幕引きを図ろうとしている。パンドラの箱を開ければ、自民党全体が沈むからだ。「歴代首相がやっていた」と言ったことで、石破氏を総裁選で支持した岸田文雄前首相も敵に回すことになり、痛手は大きい。
舞立氏は、この発言が大きく報道された後に撤回したが、余波は収まりそうにない。「石破おろし」をますます過熱させ、逆効果となった。
野党の戦略は真逆の方向へ
立憲民主党の野田佳彦代表は「内閣不信任案提出や退陣を求める声があるが、私は簡単に求めない」と慎重な姿勢を見せた。「石破首相を相手に参院選を戦いたい」という本音が見え隠れする発言だ。
だが、立憲民主党はこれまで「相手のエラー」で戦うことが多かった。菅義偉政権も岸田文雄政権も、人気低迷のまま選挙を迎えると期待していたが、結局、自民党は選挙前に総理を交代し、立て直してきた。
今回も、石破首相が続投する可能性は低く、立憲はまたしても「誤算」に直面するかもしれない。
新政権が誕生して内閣支持率が回復すれば、衆参ダブル選挙を仕掛けられる可能性もあることを肝に銘じたほうがよい。
国民民主党:石破打倒で攻勢
一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は「内閣不信任案を今、提出すべき」と強硬姿勢だ。
「石破政権と減税政策をめぐって決別し、予算案に反対して以降、支持率が上昇している」——これが国民民主党の自信につながっている。
さらに、玉木代表は「予算案を年度内成立させたら、野党の存在意義がない」と主張し、予算案採決前の内閣不信任案提出を強く求めた。
立憲は「静観」、国民は「攻勢」——野党の間でも対立が深まっている。
石破退陣は政界再編の引き金か
石破政権崩壊後、自民党がどの方向に進むかで、野党との関係も大きく変わる。
- 緊縮財政・増税派が主導権を握れば、立憲民主党が接近
- 積極財政・減税派が勝てば、国民民主党が接近
いずれにせよ、現状の与野党対立は大きく変化し、「政界再編」の引き金になる可能性が高い。
自民党は崩壊寸前、野党は分裂状態。日本政治は未曾有の混迷に突入した。
夏の参院選に向け、どの勢力が主導権を握るのか——これからの展開を注視していきたい。