政治を斬る!

中国人ビザ緩和で自民党内から岩屋外相への批判噴出!背景に麻生太郎氏や高市早苗氏らによる石破おろしの気配 2月の日米首脳会談後を見据えた布石

中国人向けのビザ緩和に踏み切った岩屋毅外相に対し、自民党内の右派の批判が強まっている。岩屋外相は自民党総裁選で石破茂選対本部長を務め、論功行賞で外相に入閣した。岩屋外相批判は麻生太郎氏ら高市早苗氏ら非主流派による石破おろしの第一弾といっていい。

石破首相は米国のトランプ大統領と会談するよりも先に中国の習近平国家主席と会談し、中国重視の外交を展開していると自民党内右派は不満を強めている。中国とは邦人拘束問題など課題が山積するなかで、なぜ中国人向けのビザ緩和を進める必要があるのかというのが岩屋批判の第一の理由だ。

岩屋外相が記者会見で自民党内に広がる批判に対して「多分の誤解がある」と発言したことが火の油を注いだ。「何も誤解はしていない」として、岩屋外相を自民党外交部会に招聘して追及するべきだとの声も出ている。
さらに岩屋外相は米国で起訴された中国企業からIR事業をめぐって賄賂を受け取ったとの疑惑も報じられてきた(こちら参照)。この事件ではIR担当の内閣府副大臣だった秋元司元衆院議員が収賄などの罪で起訴され、実刑判決を受けている(秋元被告は上告中)。東京地検特捜部の捜査に対して贈賄側は岩屋外相を含む5人に現金を渡したと供述したと報道された。岩屋外相は全面否定し、検察捜査も終結したが、ネット上では右派を中心に岩屋外相を批判する声が収まっておらず、自民党内右派にも岩屋外相批判が広がっていた。

しかも岩屋外相を総裁選の論功行賞で登用した石破首相への批判は自民党内でなお根強い。石破首相はトランプ大統領との就任前会談に失敗し、2月の日米首脳会談でも関税強化や防衛費負担の増額を迫られるのではないかとみられている。

麻生氏ら非主流派は日米首脳会談が芳しくない結果に終わった段階で石破おろしを仕掛ける構えで、それに先立って自民党内右派に広がる岩屋外相批判は石破おろしの前哨戦として好都合だといっていい。

2月の日米首脳会談、そして2月末の予算案の衆院通過をにらみ、自民党内の権力闘争は激しさを増しそうだ。

政治を読むの最新記事8件