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河野太郎は夏の内閣改造人事でマイナンバーカードのトラブル続出を理由にお役御免?茂木幹事長とともに岸田首相によるライバル潰しの標的に

世論調査で「次の首相」のトップを走り続けている河野太郎デジタル担当相に逆風が吹きつけている。

マイナンバーカードをめぐるトラブルが続出し、河野氏は担当大臣として陳謝したうえで、自らを処分する考えを表明した。河野氏はマイナンバーカードの安全性を強調して取得を強く促してきただけに、個人情報が次々に流出する事態に直面し、責任回避はしにくい状況だ。

さらに河野氏が菅政権でワクチン担当相を務め、新型コロナワクチンの大規模接種を国策で進めたことも、実績というよりはリスクになりつつある。世界各地でワクチン接種による死亡例や健康被害が問題化し、日本でもじわじわと批判が広がり始めた。

マイナンバーカードとコロナワクチン。いずれも政府が国策として旗を振ってきたものの、当初からトラブルが懸念されていた問題である。その担当大臣を務めたのがいずれも「次の首相」のトップである河野氏だったことは単なる偶然とは私には思えない。

河野氏は麻生派に所属するが、世代交代を恐れる麻生太郎氏から警戒され、総裁選出馬に反対され続けた。河野氏は同じ神奈川選出の菅義偉氏の支援を受けて2021年秋の総裁選に出馬したが、麻生氏が推す岸田文雄氏に敗れた経緯がある。このときも河野氏の独断専行型の政治姿勢に警戒感が強まったのが敗因の一つとされた。

岸田政権の主流派である岸田首相、麻生副総裁、茂木敏充幹事長はいずれも河野氏を警戒している。その河野氏に国民の反発が強く個人情報の取り扱いでもリスクの高いマイナンバーカードの普及を担当させたのは、河野氏がこの問題でつまずくことを織り込んでいたからではないだろうか。

いずれにせよ、マイナンバーカードのトラブル続出を受けて、河野氏が今夏の内閣改造人事で閣外へ追われる可能性はかなり高い。派閥会長ではなく党内基盤が弱い河野氏にとって、無役の立場で存在感を維持するのは容易ではない。来年秋の自民党総裁選でポスト岸田に名乗りをあげるのはハードルが高くなる。

裏を返せば、今夏の内閣改造人事で岸田首相が狙うのは、茂木幹事長と河野デジタル担当相の更迭によってライバル不在の政治状況を作り出すことだろう。

永田町では、岸田首相が来年秋の自民党総裁選で再選を果たすため、総裁選前に解散総選挙を断行して勝利し、総裁選を事実上の無投票で乗り切る戦略を描いているとされている。

私は、岸田首相が描いているのは解散総選挙よりも、むしろ内閣改造・党役員人事で茂木氏や河野氏らライバルを干し上げることで総裁再選への道筋をつけることではないかとみている。つまり岸田首相は「選挙」より「人事」で政権維持を狙っているという見立てだ。

まずは今夏の人事で茂木氏と河野氏の処遇がどうなるか、そこに注目しよう。


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