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予算審議、裏取引バレバレ! 立憲民主党、いまさら戦闘モード⁉ 出来レースの真相 がここにある!

衆院予算審議の裏取引――自民と立憲の出来レースか?

衆院の予算審議が大詰めを迎えた段階で、立憲民主党の野田佳彦代表が突如として“戦闘モード”に入ると表明した。高額療養費の患者負担増の問題をめぐって、自民党と対決姿勢を強めたのだ。

果たしてこれは本気の戦いなのか?それとも、裏では自民党と話がついている“出来レース”なのか?

① 予算の年度内成立は決まっていた?

予算案は3月2日までに衆院を通過すれば、参院で可決されなくても30日後に年度内で自然成立する。つまり3月2日がひとつの目安になっていた。しかし、現在の参議院では与党が過半数を持っており、参院での採決はいつでも可能だ。

それならば、わざわざ衆院の採決を急ぐ必要はないはずだが、なぜか自民党は「3月2日までに通過させる」というスタンスを維持し続けた。そして、最終的には立憲の抵抗を受ける形で、3月2日通過を断念。この流れが示すのは、立憲民主党に花を持たせるための「演出」であった可能性が高い。

メディアは「立憲の勝利」と報じたが、それはまさに自民党が仕掛けた“世論誘導”にすぎない。立憲はこれを承知の上で動いていたのではないか。

② 予算審議でスキャンダル追及なし?

通常、予算審議で野党が最も力を入れるのは、政権のスキャンダル追及だ。特に、少数与党の今国会では、安倍派の裏金問題をはじめとする不祥事を徹底的に追及する絶好の機会だった。

しかし、実際には、唯一の“攻め”が安倍派の元会計責任者・松本氏の参考人質疑。それも非公開で、国会ではなくホテルで行われるという異例の対応。証人喚問ではなく、参考人質疑という形を選んだ時点で、立憲の“本気度”が疑われている。

結局、新たに浮上したのは、落選した下村博文氏の関与疑惑のみ。安倍派5人衆の中心人物である萩生田光一、西村康稔、世耕弘成の各氏らは何の追及も受けずに逃げ切り、世論の関心も盛り上がらなかった。

このスキャンダル追及の“手ぬるさ”もまた、自民と立憲の間で裏取引があったことを示唆している。

③ 立憲への見返りとは?

立憲民主党が見返りとして受け取ったのは「高額療養費の患者負担上限額の引き上げの凍結」だ。

そもそも難病やがん患者の治療費を大幅に増額させるという案は、社会的にも無理があった。あえて予算案に盛り込んでおき、患者団体の反発を招き、立憲が「これは問題だ!」と声を上げ、それに対して石破総理が「見直そう」と譲歩する。

この流れは、まさに立憲に見せ場を作るための“仕込み”だった可能性が高い。

予算委員長を務める立憲の安住淳氏と、自民党の森山裕幹事長は、どちらも“国対族”の大物議員。長年の裏取引の積み重ねがあり、今回の予算審議でもその“密約ルート”が機能したのだろう。

④ 後半国会の展望

今回の審議を経て、後半国会の焦点が見えてきた。

  1. 政治とカネ問題(企業団体献金の全面禁止)
    → 自民党は乗る気なし、決裂し、参院選の争点に。
  2. 選択的夫婦別姓問題
    → 公明党と野党は賛成、自民党内の反発が焦点に。石破総理が選択的夫婦別姓を「花道」に退陣する可能性も。
  3. 内閣不信任案・衆参ダブル選挙の可能性
    → 野党が結束すれば内閣不信任案可決→衆院解散・衆参ダブル選挙の可能性。しかし、国民民主や維新は与党過半数割れだからこそ存在感を増しており、ダブル選を望んでいない。立憲も本音では消極的だ。自民党の森山幹事長も与党過半数割れだからこそ、野党との人脈を駆使して存在感を増している。自民党にはダブル選挙で衆院の過半数回復を目指す声もあるが、さて、どうなるか。

政界再編のカウントダウン?

予算審議を通じて明確になったのは、自民党と立憲民主党の“協調関係”だ。後半国会ではさらなる裏取引が行われるだろう。

最も注目すべきは、参院選後の政界再編だ。国政選挙はこの先3年は予定されていない。自民党と立憲民主党の間で増税大連立を探る動きが出てくるだろう。

自民党は石破首相を参院選前に退陣させ、林芳正官房長官を新総理に据えるシナリオも浮上。岸田文雄前首相も再登板に意欲があるとされる。あるいは、立憲との“大連立”が組まれ、野田佳彦氏が担ぎ上げられるという可能性すらある。

自民と立憲の「裏の結びつき」が今後どのように政界を動かすのか。後半国会の展開を注視する必要がある。


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