元SMAPの中居正広氏とフジテレビを直撃するスキャンダルが浮上した。中居氏が女性トラブルで9000万円の解決金を払っていたという女性セブンのスクープに続いて、文春砲が炸裂。文春はフジテレビ関係者に加え、被害者本人にも取材し、中居氏の代理人も文春の取材に対してトラブルがあったことは認めている。
それによると、①相手女性は元フジテレビの女子アナ②昨年6月、フジテレビの幹部から中居氏と複数参加の飲み会に誘われたが、中居氏と女子アナを除く全員がドタキャンした③その後、密室で性被害を受けたーーという疑惑の全体像が浮かんでくる。
女子アナは体調を壊して入院し、ほどなく退社した。芸能関係の弁護士に相談したものの、ことごとく拒否され、性被害案件に強い弁護士がようやく引き受けてくれた。名前が明らかになるため警察に被害届は出さず、双方が口外しないという約束で9000万円の解決金で和解したという流れらしい。
ネット上では「フジテレビは女子アナを使って芸能人を性接待してきたのか?」という不信感が広がっている。
これは中居スキャンダルという以上に、フジテレビのスキャンダルといえるかもしれない。
芸能界に君臨してきたジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川氏や吉本興業の大物芸人である松本人志氏に続く芸能界とテレビ局の闇を浮き彫にするスキャンダルだ。
テレビ各局はジャニーズ事務所の性加害問題に蓋をしてきたことを反省したばかり。それが松本人志氏の降板につながった。今回の中居氏のスキャンダルもウヤムヤにはできないだろう。
フジテレビは自ら全容を調査して公表し、厳しく対応しなければ、世の中の信頼を完全に失う。芸能界にとどまらず、マスコミのあり方そのものが問われている問題だ。
今年はオールドメディアへの逆風が吹きつけた一年だった。
政治報道・選挙報道でもマスコミ不信が過熱し、ユーチューブがマスコミをしのぐ影響力を選挙でも発揮した一年でもあった。
7月の東京都知事選では、マスコミが泡沫扱いしていた人気ユーチューバーの石丸伸二氏が立憲民主党が擁立した蓮舫氏を抜いて2位に浮上。10月の総選挙ではマスコミがほとんど取り上げなかった国民民主党とれいわ新選組がユーチューブ戦略を大展開して躍進した。
そして11月の兵庫県知事選では、マスコミにパワハラ疑惑を激しく追及されて県議会全会一致で不信任を可決された斎藤元彦知事がユーチューバーの立花孝志氏の援護射撃を受けて大逆転。選挙後に立花氏が斎藤氏に有利となるデマを乱発していたことが発覚し、選挙の行方が大きく歪められたことが大問題になっている。
マスコミはSNSはフェイクニュースが飛び交っていると批判しているが、マスコミも政府の大本営発表を垂れ流してきたのは事実だ。
国策プロジェクトである東京五輪のスポンサーとなって五輪機運を盛り上げる報道を連発し、コロナ禍では政府と一体となってワクチン接種を旗を振った。選挙中は中立の建前に逃げ込んで選挙報道を控え、ユーチューブ選挙の台頭を許した。
マスコミが自滅するうちにユーチューブをはじめSNSが影響力を拡大していったのだ。
マスコミはユーチューバーより社会的信頼があるからこそ、罪も大きい。自分たちの罪を棚上げして、ユーチューブだけをフェイクニュースと批判していたら、いつまでも信頼回復はできないだろう。
マスコミ不信が増幅した2024年の最後に浮上した中居氏とフジテレビのスキャンダル。オールドメディア凋落の一年を締めくくるにはピッタリのスキャンダル報道といえるだろう。