6月26〜28日の大阪出張は濃密でした。今後、YouTubeを含めて順次報告していく予定ですが、今回はそのエッセンスを。
大阪到着後に最初に会ったのは、民主党などで衆参国会議員を務めた中村哲治さん。彼は京都大学法学部の同級生です。久しぶりの再会となりました。
民主党政権が消費税増税を打ち出した2010年から「財源確保のために増税が必要」という財務省の主張に疑問を抱き、民主党で経済政策通と評価されていた諸先輩と議論を重ねたものの納得できず、消費税増税に反対して民主党と決別。政界を去った後も独学で財政政策の研究を続け、経済学者や金融の最前線で働くディーラーらと議論を積み重ねてきました。
そのなかで金本位制が崩れて変動為替相場制が導入された1971年以降、お金のルールが大きく変わり、通貨発行権がある国家では「国債発行=国の借金」という従来の仕組みは崩れたにもかかわらず、財政政策は金本位制時代の常識(すなわち「国債発行=国の借金」という考え方)を引きずったまま立ち遅れていると確信。米国でMMTが広まる以前から積極財政をインターネットなどで地道に主張し続け、れいわ新選組の山本太郎代表や経済政策を立案している長谷川ういこさんにもレクチャーを重ねてきました。
れいわの積極財政を理論的に支えるブレーンの一人です。政治家から経済専門家へ転身した異色の人材と言えるでしょう。
大阪駅近くのカフェの個室でインタビューすること3時間。積極財政について「軍事費増大を招かないか」「財政規律とともにモラルも崩壊しないか」「財源論に代わる歯止め策を見つける必要があるのではないか」「円の価値が暴落しないか」などという私の疑問点をぶつけながら、みっちり意見交換してきました。かなり多くの点で認識を共有することができました。
インタビュー内容は専門的で多岐にわたります。今後、さまざまな形で紹介していきたいと思います。
26日夕刻からは大阪駅から徒歩10分、阪急東通商店街を抜けたあたりの繁華街にあるイベントホール「梅田ラテラル」で『朝日新聞政治部』刊行記念トークライブを行いました。講談社の編集者である山中武史さんと一緒に登壇しました。
アルコールを少し入れながら2時間あまり、政治論からマスコミ論まで、参加者の皆さんとかなり突っ込んだ意見交換をしました。サメジマタイムス筆者同盟に参画している丹羽崇史さんも奈良から駆けつけてくれて初対面。楽しいひと時でした。
会場から徒歩1分に、私が大阪出張の際はできるだけ立ち寄るお好み焼き店があり、終了後は山中さんと駆け込んでビールと焼きそばとお好み焼きを注文。ほろ酔いでホテルに帰り、午後10時からのサメジマタイムスYouTubeプレミア公開(大石あきこ衆院議員との対談の最終回)にチャット参加して長い1日が終了。
27日は朝から阪急電車で京都へ。改選2議席目を立憲民主党重鎮の福山哲郎前幹事長と、日本維新の会新人の楠井祐子氏が競い合っているとされる大激戦区です。
立憲が野党第一党を守るのか、それとも維新が奪うのか。野党再編の行方を左右する重要選挙区でもあります。
大学時代を過ごした思い出の地。あちこち訪れたいお店もあったのですが、寺町の老舗「スマート珈琲店」で洋食ランチをいただいたほかは駆け足で選挙取材を重ねて夕刻には再び阪急電車へ。兵庫県尼崎市の阪急武庫之荘駅へ向かいました。私が小学6年まで過ごした街です。
目的は「思い出探し」ではありません。たまたまこの街で、れいわ新選組の経済政策を立案してきた長谷川ういこさんが参院選比例候補として街頭演説すると知り、アポイントなしで駆けつけることにしました。
街頭演説が始まる20分前に到着すると、駅前のドーナツ店でういこさんがひとりお茶をしているのを発見。お休みのところ申し訳なかったのですが、いきなりインタビューをお願いすると、快諾してくれました。
このインタビューも短時間でしたが濃密でした。近くYouTubeでお伝えします。
ういこさんはれいわの経済政策を支えるキーパーソン。その演説からはカリスマ性がほとばしっていて、ネットを中心にういこ人気はじわりと広がっています。彼女が国会議員になれば、れいわ新選組の政策立案体制は大幅に強化され、山本太郎代表が突出している党全体のイメージも大きく変わる可能性があります。
ういこさんとは改めてじっくり対談することを約束し、私は大阪へ戻りました。
お好み焼きもたこ焼きも大阪の食は安くて美味しい。
どのお店に入ってもハズレがない。食の激戦地帯です。しっかり食べて暑さと疲れを吹き飛ばし、最終日へ。
28日にはれいわ新選組の山本太郎代表が大阪入りすることが発表されました。その前に、山本代表の秘蔵っ子として大阪選挙区から立候補している、やはた愛さんを訪ねました。
やはた愛さんは貧しい家庭で苦労して育ち、芸能界へ。山本代表を慕って政界入りを目指し、大阪で政治活動を続けています。山本代表の演説からも感じることですが、さすが芸能人は演説が上手。やはた愛さんの演説も聴衆を飽きさせないテンポの良さで、根性の座ったたくましさが伝わってきます。
彼女もいきなりの訪問を気持ちよく受け入れ、ショートインタビューに応じてくれました。
大阪は維新と自公が4議席を独占してきました。今回も自公維が先行していると報じられています。
やはた愛さんのもとへは、野党支持者から「野党の共倒れを回避するため、やはた愛は引け」「野党候補の一人に票を集める戦略的投票を促すため、お前は譲れ」という声が殺到していると言います。
彼女のポスターが切り裂かれるなどの嫌がらせも受けているということでした。
少し弱気になっているやはた愛さんを激励に、山本太郎代表が大阪へ乗り込む。この日はれいわの関西での戦いにとって重要な1日です。
私も大阪駅前で夕刻にあった山本太郎代表の街頭演説に向かいました。そこで「戦略的投票」の立場からやはた愛さんに「引け」と迫る野党支持層の声に対して、党首としてどうこたえるのか。直接質問をぶつけることにしたのです。
私の質問に対する山本太郎代表の答えは実に堂々とした内容でした。やはた愛さんへのインタビューとあわせて近くYouTubeで公開する予定です。