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立憲と維新は大阪万博でも共闘!岡田幹事長と安住国対委員長が万博会場を視察へ〜今春の大阪府知事選・市長選への影響大

立憲民主党と日本維新の会が急接近して共闘を強化していることについて、読者の山田太郎さんがコメント欄に興味深い記事を紹介してくれた。大阪のMBS毎日放送『「維新めぐる自民と立憲の奇妙なトライアングル ”万博視察”から見えた与野党の構図』だ。

立憲の安住淳国対委員長と維新の遠藤敬国対委員長が1月12日に会談し、1月23日召集の通常国会での連携を続けることを確認し、法案を協議するプラットフォームを作ることでも合意したことを伝えたうえ、1月20日には立憲の岡田克也幹事長と安住国対委員長が万博会場やIR誘致で開発が進む大阪湾岸地域を視察する方向で調整しているというのだ。

維新にとって大阪万博やIR誘致は最重要テーマであり、巨大利権でもある。自民党も二階俊博元幹事長が万博議連会長に就任するなど、利権に触手を伸ばしている。自民党と維新の双方にとって、激しい利権争奪戦の場であり、逆に巨額の公費を引きずりこむ利益も共有している。

記事によると、自民党の茂木敏充幹事長も1月18日に大阪市・此花区の夢洲やアクセス道路となる阪神高速・淀川左岸線を視察し、大阪府の吉村洋文知事と大阪市の松井一郎市長が案内するという。そこへ立憲の党運営を牛耳る岡田氏と安住氏も「参入」するというわけだ。

安住氏は1月12日の記者会見で「どういう予算、コンセプトでやるかを、万博そのものに対して我々別にネガティブじゃないので、一度はちょっと見させていただいた方がよかろうということ」と述べた。そのうえで「たまたま茂木さんも行くんですかね。日がちょっとずれちゃったんだけど、ずれてよかったよね。一緒に行っていたら大変なことになるから」と付け加えた。

立憲と維新は昨年末、統一教会の被害者救済法案に自民に同調して賛成した。立憲は維新に引きずられるように防衛費増額や専守防衛を逸脱する敵基地攻撃能力の保有を容認する方向に転じている。

国家権力を握る自民と大阪府政・市政を握る維新が連携する巨大プロジェクト・大阪万博に立憲も同調すれば巨額の公費の使途をチェックすべき国会の機能は大幅に低下するだろう。これもまた国会が与党一色に染まる大政翼賛体制へ近づいていることを映す象徴的な事例といっていい。

今春の統一地方選挙への影響も大きい。

維新はこのところ与野党の「維新包囲網」に押され気味で、兵庫県内の市長選などで敗北が続いている。吉村洋文知事が再選をめざす大阪府知事選と松井一郎市長(政界引退を表明)の後継を決める大阪市長選のダブル選挙で圧勝して勢いを取り戻す狙いだ。

これに対し、立憲はかつて「自公の補完勢力」と批判した維新と和解し、国会共闘を強化している。統一地方選の大阪府知事選・市長選で「維新包囲網」から離脱し、対抗馬擁立を見送るとの見方が強まっている。

共産党は立憲の「変節」を見越して大阪知事選に元参院議員の辰巳孝太郎氏を無所属で擁立し、先手を打った。自民党が辰巳氏に乗る可能性は極めて低く、「維新包囲網」は崩壊寸前だ。

統一地方選でも大阪万博やカジノ誘致は大きな争点になるのは間違いない。そこへ立憲の幹事長と国対委員長が大阪万博会場を視察するというのは、維新主導の万博開催を支持するという表明にほかならない。

立憲と維新の連携は止まりそうにない。その先には自民との連携、そして国会が与党一色に染まる大政翼賛体制が見えてくる。

昨夏の参院選で維新を徹底批判した菅直人元首相や大阪を地盤に維新と闘ってきた辻元清美参院議員はこのような立憲執行部の維新接近を黙認し続けるのか。これ以上沈黙を続けるのなら、菅氏や辻元氏の過去の政治行動や政治信条がすべてウソ臭く見えてしまう。そろそろ決断して立憲を飛び出す時ではないか。

大阪府知事選や大阪市長選で維新包囲網は崩壊するだろう。元共産党参院議員の辰巳氏に自民や立憲が乗る可能性も極めて低い。

そこで私はれいわ新選組から昨夏の参院選大阪選挙区に出馬した八幡愛氏が市長選に出馬し、知事選に出馬する辰巳氏と連帯して戦うことを提案した。大阪発で共産とれいわが手を結び、国政レベルで野党再編の機運を高める効果が生まれるのではないか。

大阪ダブル選挙は野党再編の好機!共産党参院議員だった辰巳孝太郎氏が知事選へ!れいわは市長選に八幡愛氏を擁立して共闘を呼びかけては?

菅氏や辻元氏には「反自民・反維新」の立場から立憲執行部と決別し、共産やれいわとの共闘に動く政治的責任がある。統一地方選は格好の機会だ。ぜひ奮起を求めたい。沈黙を守るのなら泉執行部と同類だ。

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