安保法制は合憲。原発再稼働は容認。
公明党の斉藤代表が、新党「中道改革連合」への参加条件を、ついに明確に示した。
この二つに賛成できる人だけ、参加してくださいーーこれは事実上の「排除の論理」である。
立憲民主党の議員たちは、どうするのか。
答えは、ほぼ決まっている。
黙って、従う。
安保反対も、脱原発も、あっさり撤回する。
コア支持層を裏切ってでも、自分の議席を守る。
新党の名は「中道改革連合」だが、その正体は、立憲を吸収合併する“第二の公明党”にほかならない。
公明「排除の論理」の正体
高市総理が衆院解散を正式に表明する19日に合わせ、新党は綱領と基本政策を発表するとしていた。
その直前、公明党の斉藤代表は、安保法制合憲、原発再稼働容認を明示し、「賛同する方に新党に入ってもらう」と踏み込んだ。
「誰かを排除するつもりはない」と言い添えたが、これは詭弁だ。
立憲の議員たちに踏み絵を迫っているのは、どう見ても公明党である。
新党の目的は、政権交代ではない。
打倒・高市であり、その先にあるのは、自民党穏健派が主流派に復帰した後の大連立だ。
安保法制や原発再稼働に反対する立憲議員は、その構想の邪魔でしかない。
だから今の段階で、反対派をふるい落とす。
公明党の狙いは、あまりにも明快だ。
これは、立憲がこれまで掲げてきた政策を、根本から否定する行為である。
安保法制には反対し、原発ゼロを掲げてきた立憲の看板は、新党参加と引き換えに、あっさり下ろされることになった。
枝野の豹変が意味するもの
この政策転換を、誰よりも象徴的に体現したのが、立憲の創始者・枝野幸男氏だ。
代表時代、枝野氏は安保法制反対を前面に掲げ、共産党との共闘を進めてきた。
だが、代表退任後、その姿勢は一変する。
高市政権誕生後、枝野氏は突然「安保法制に違憲部分はない。だから変えなくていい」と言い出した。
これは、野田代表が進めていた軌道修正より、さらに踏み込んだ容認だった。
この裏で、公明党はすでに立憲との新党結成を視野に入れ、水面下の交渉に入っていた。
枝野氏は、それを察知したのだろう。
反対を貫けば、新党という船に乗れなくなる。だから創始者自らが、率先して容認に転じた。
枝野氏は、さらに原発の建て替え容認まで口にする。
立憲を立ち上げた張本人が、立憲が吸収されるための地ならしを進めたのである。
高市に先手を打たれた立憲
立憲は、本来、もっと時間をかけて政策転換を進めるつもりだった。「違憲部分はなかった」という理屈で、支持層を説得する準備を進めていた。今年春に新たな安保政策をまとめる方針だった。高市総理が解散に踏み切るとしても、3月末の予算成立後とみていたからだ。
だが、高市総理は先手を打って1月解散に踏み切った。
立憲は、不意を突かれた。
結果、党内議論を尽くす余裕もなく、安保法制容認と原発再稼働容認を丸のみし、反対派を切り捨てるしかなくなった。
立憲は、自らの歴史を総括することすらできないまま、公明党に身を委ねたのだ。
第二の枝野は現れるのか
安保法制容認に反発し、原口一博議員は新党参加を拒否した。
だが、これに続く動きは、広がっていない。
ほとんどの立憲議員は、これまでの主張を引っ込め、新党に参加する。
この光景は、2017年の「希望の党」を思い起こさせる。
あの時、排除された枝野氏が立憲を立ち上げた。
だが今、同じ「排除の論理」の中で、「第二の枝野」は現れそうにない。
比例名簿の上位は、公明党が独占する。
立憲の議員たちは、その下に横一線で並べられる。
比例復活は、ごく一部だけだ。
打倒・高市を掲げ、公明に吸収される道を選んだ立憲。
だが、その選択が、彼らを国会に戻す保証はどこにもない。
立憲民主党は、こうして静かに解体されつつある。