政治を斬る!

選挙で落ちれば、ただの人――立憲レジェンドたちの「4年」

選挙で落ちれば、ただの人。昨日まで「先生」と呼ばれていた政治家が、一夜にして肩書きを失う。秘書は減り、収入は途絶え、やがて世間の記憶からも薄れていく。今回の総選挙で落選した立憲出身者は約200人。しかも自民党は歴史的大勝を収めた。次の解散は限りなく4年先――彼らには長い浪人生活が待っている。

象徴的なのが、民主党政権を支えた顔ぶれだ。小沢一郎(83)、岡田克也(72)、枝野幸男(61)、安住淳(64)。政権交代を実現させたレジェンドたちは、ここからどう生きるのか。

解散はいつか――「316議席」の重み

自民党は戦後最多の316議席を獲得した。小選挙区制の怖さは振れ幅の大きさにある。2005年の郵政選挙で自民党は296議席を得たが、4年後には119議席へと激減し野党に転落した。

こんな勝ち方は二度とできない。次の総選挙で、与党が議席を減らすのは確実だ。いま圧倒的多数を得た与党が、早期解散であわてて議席を手放す合理性は乏しい。当面解散はないだろう。

焦点は来年秋の総裁選だが、これほどの大勝直後に現職総裁を引きずり下ろす現実味は薄い。再来年夏の参院選で支持率が落ち込む可能性はあるものの、衆院で3分の2を維持していれば政権基盤は揺らがない。衆参ダブル選の誘惑よりも、任期満了まで安定運営を選ぶ公算が大きい。落選組は4年間の「待機」を覚悟せざるを得ない。

小沢一郎、終止符は打たず

政治家歴56年。自民党を飛び出し、二度の政権交代を演出した小沢一郎は、岩手3区で約2万4000票差の完敗を喫した。比例復活もかなわない。中曽根元総理と並ぶ戦後最多の当選20回は幻となった。

沈黙ののち、動画で「ここで終止符を打つ道もあるが、若い仲間のため支援を続ける」と語り、政治活動継続を明言した。とはいえ次は4年後、87歳前後である。永田町での影響力は急落している。それでも「引退」と断じないのが小沢流だ。激動を生き抜いた政治家の本能が、完全な幕引きを拒む。

岡田克也、原理原則の代償

三重3区で8700票差の敗北。比例重複をしないという原則を貫いた岡田克也は、惜敗率トップ級でも復活の道を閉ざした。比例東海の議席は4つ、そのうち立憲の復活枠は1。もし重複していれば国会に戻れていた可能性は高い。重鎮は比例復活すべきでない――その信念が裏目に出た。

落選翌日から発信を再開し、「地元で若手を支える」と語った。ネット空間での「媚中派」に対しる激しい批判にも言及し、自らの敗因を総括する姿は、かつての政権中枢の重みと同時に、時代との摩擦を映す。ネット選挙に適応できなかった野党の象徴ともいえる。

枝野幸男、原点への岐路

立憲民主党を旗揚げした枝野幸男は、埼玉5区で1万4000票差の敗北。比例北関東の復活枠は1議席、惜敗率2位で届かなかった。議員会館の撤収作業を伝える投稿は、支持者に衝撃を与えた。本人も「体制を縮小せざるを得ない」と率直に語る。

4年間の浪人か、参院選への転身か。2021年に落選し翌年参院で復帰した辻元清美の例もある。自ら築いた立憲民主党に戻って2年半先の参院選出馬を探るのか。4年の浪人生活を覚悟して衆院にこだわり、中道にとどまるのか。枝野の選択は、野党再編の行方と無縁ではない。

安住淳、沈黙の先

新党結成を主導した幹事長として落選した安住淳は、当初発信を止めた。党内からは厳しい声も漏れる。5日後に「若手支援」を表明したが、信頼回復は容易でない。一方で、歯に衣着せぬ物言いを評価し、テレビのコメンテーターとしての起用を期待する声もある。NHK記者出身でネット嫌いで知られる安住。やはりオールドメディアへの出演で復権への糸口をつかむのか。