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負け組連合に、勝ち目はあるか?立憲と公明の新党結成の行方

突然の高市解散で、永田町は一気に選挙モードへ突入した。だが、いま最も追い詰められているのは自民党ではない。立憲民主党だ。
維新、国民、参政に話題を奪われ、アンチ自民票は完全に分散。立憲は「議席半減」という予測まで飛び交う絶体絶命の状況にある。

その立憲が必死に手を伸ばした相手が、自民党との連立から離脱して選挙戦略が完全に行き詰まっていた公明党だった。選挙協力から比例統一名簿、そして新党結成へ、両党の「同盟」構想は加速度を増して進展した。新党名は「中道改革」とする方向だ。
支持層の高齢化と支持率低迷に苦しむ立憲と公明――どう見ても瀬戸際同士が組む「負け組連合」である。

この同盟に逆転の一手はあるのか。それとも、日本政治史に残る大敗北が待っているのか。


読売が1月解散をスクープした3日後、立憲の野田代表は公明の斉藤代表に緊急会談を申し入れた。両者は「大義なき解散」という認識で一致し、野田氏が選挙協力を提案、斉藤氏は「前向きに検討したい」と応じた。

キーワードは「中道」だ。
高市政権という「右」を嫌って連立を離脱した公明。共産党との野党共闘という「左」を解消した立憲。右でも左でもない中道勢力として、自民党に代わる新たな政権をめざすという構想である。

参政党や日本保守党は「右」、共産党やれいわは「左」。これらとは組めない。国民民主には加わってほしいが、玉木代表は自民党の麻生副総裁と連携し、立憲と組む気配はない。ならばまず、立憲と公明で手を組もうというわけだ。

安住幹事長は即座に動いた。全国の都道府県連に対し、公明党や創価学会の各県責任者へただちにあいさつに行き、支援を要請せよとの通達を出した。さらに比例での「統一名簿」作成まで提案した。実現すれば、新党結成一歩手前である。

だが、ハードルはけっして低くはない。
政治団体の名称をどうするのか。「立憲公明党」か「公明民主党」か――これだけでももめることが予想された。名簿順位も深刻だ。横並びの惜敗率競争では公明候補は勝てない。公明現職を名簿上位に置く代わりに、小選挙区で立憲を応援する。そんなバーターが想定されるが、立憲候補に比例復活の芽はほぼなくなり、党内の激しい反発を招くのは避けられない。それでも検討せざるを得ないほど、両党は土俵際に追い込まれている。


立憲の置かれた状況は厳しい。現有148議席は、前回衆院選で50議席も伸ばした結果だが、比例票はほぼ横ばいだった。アンチ自民票は国民民主に流れていた。それでも当時は、小選挙区に十分な候補者を立てられなかった国民民主に代わり、「自民を落とすための受け皿」として立憲が選ばれた。

この構図を壊したのが参政党である。参院選で全国擁立に踏み切り、比例で立憲を上回った。今回の衆院選でも多数擁立をめざす。国民民主も全県擁立を宣言した。立憲が独占してきたアンチ自民票は、完全に分散する。

その結果、立憲は148議席から70議席まで落ち込むという衝撃的な予測が出ている。支持率は4%。国民民主に後れをとり、若者・現役世代からはほとんど支持されていない。どの党も「立憲と組めば若者に嫌われる」と感じ、距離を置く。

公明党も同様だ。支持率は3%、39歳以下の支持は0.7%にすぎない。前回衆院選では24議席と大敗し、今回は連立離脱で自民の支援もない。斉藤代表が小選挙区撤退に言及するのも無理はない。比例で議席を確保できなければ、大幅減は避けられない。


だが、立憲と公明が組んでも、票が単純に足し算される保証はない。現場では26年にわたる自公協力の関係が色濃く残り、地域によっては自民と組み続ける公明の動きも出ている。統一名簿の効果は薄れ、無党派層からは「節操がない」と見放されかねない。新党結成で組織を引き締めるしかなかったのではないか。

私は、この立公同盟が支持基盤を立て直すどころか、崩壊を早める可能性が高いと見ている。
負け組連合に勝ち目はない。今回の総選挙は、立憲と公明にとって、想像を超える壊滅的結果をもたらすかもしれない。