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小泉進次郎「石破続投支持」の衝撃 —— 森山幹事長との密約と政権再編のシナリオ

「ポスト石破」の最有力候補と目される小泉進次郎農水相が、石破続投支持を打ち出した。
自民党総裁選の前倒し論が高まるなかでのこの発言は、党内に波紋を広げている。

石破政権に退陣を迫るのは旧安倍派・麻生派を中心とする反主流派。だが、世論調査では石破続投を求める声が優勢だ。
進次郎、44歳。なぜいま「石破支持」を表明したのか。

その背景には、父・純一郎元首相の影と、森山裕幹事長との思惑が交錯する政権再編シナリオが透けて見える。


父・純一郎の影と「天下取り戦略」

進次郎が発言したのは8月25日、鹿児島県霧島市での視察先。農水大臣としてコメ増産への取り組みを強調する一方で、「国民が一番求めているのは政策課題の解決だ」と述べ、総裁選前倒しには慎重姿勢を示した。
これは事実上の「石破続投支持」と受け止められた。

注目すべきはその前夜だ。父・小泉純一郎元首相が石破総理と会談。自身が郵政民営化法案が自民党内の造反で否決された際に衆院解散に打って出た経験を踏まえ、「総裁選前倒しが決まれば解散で対抗せよ」と助言したとみられる。
父は石破支持、息子は翌日に続投支持を発言。小泉父子が描く戦略は明快だ。

それは、反主流派と歩調を合わせて石破おろしに加担するのではなく、石破と共に歩み、政権の中枢で「ポスト石破」の位置を固める道だ。
当面の狙いは幹事長ポスト。石破総理と進次郎幹事長の「ツートップ体制」で旧安倍派や麻生派を締め上げ、政権基盤を刷新。2年後の総裁任期切れのタイミングで、進次郎が満を持して総裁選に挑むという青写真である。


鹿児島で見せた「森山との同盟」

進次郎発言の場が鹿児島だったことも象徴的だ。鹿児島は「影の総理」と呼ばれる森山幹事長の地元。進次郎の視察には森山自身が同行し、発言の横で静かに立ち会った。
森山は「コメントはない」と語ったが、隣に立つこと自体が無言のメッセージだった。つまり「自分も石破続投支持だ」と。

森山は少数与党下の国会運営を一手に担ってきた。幹事長が辞めれば政権も立ち行かなくなるため、麻生派ら反主流派もこれまでは様子見で、石破おろしを抑制してきた。だが、ここにきて森山が「石破続投支持」をにじませたことで、石破おろしの動きは再燃するだろう。

参院選で地元・鹿児島の敗北責任をとり県連会長辞任を示唆していた森山が、地元の声を理由に居座ったように、幹事長辞任も撤回しかねない。その「居座り体質」への不信感は強い。

今回、進次郎と並び立つことで「続投支持」を明示した格好だ。党内に走った衝撃は大きい。


「禅定」された幹事長ポスト

ただし石破と森山の同時続投は、さすがに党内世論が持たない。森山は辞意を示唆した以上、完全に撤回することは難しい。
そこで浮上するのが「禅定シナリオ」だ。石破は続投するが、森山は幹事長を退き、後任に進次郎を据える。森山は幹事長代行や幹事長代理として影響力を残し、「影の幹事長」として政権運営に関与し続ける。

進次郎の幹事長就任は、石破政権の延命装置であり、同時に次世代への橋渡しとなる。森山にとっても、進次郎を幹事長に据えることで、2年後の総裁交代をスムーズに進め、自らは究極のキングメーカーに上り詰めることができる。

80歳を迎えた森山の野望と、44歳進次郎の若さが、利害一致した構図である。


麻生派の苦境と反撃の模索

反主流派の麻生派や旧安倍派はどう巻き返すのか。
もし総裁選前倒しが否決されれば、自民党として石破政権を正式に「信任」したことになる。政権は息を吹き返し、森山プランが現実味を帯びる。麻生太郎元首相は完全に手詰まりとなり、キングメーカーの座を森山に奪われかねない。

そのシナリオを阻止するには、なんとしても「前倒し賛成」を過半数に持ち込み、総裁選に突入させる必要がある。
しかしその場合でも、石破が出馬すれば進次郎は石破支持に回る。石破の再選が難しければ、進次郎自身が石破・森山連合の支持を得て立候補する可能性が高い。

つまり、いずれにしても敵は「石破・森山・進次郎連合」なのだ。
麻生派が高市早苗氏に一本化するのか、小林鷹之氏や茂木敏充氏ら別の人材を擁立するのか。当面の焦点はそこに絞られる。


結論 —— 「石破・森山・進次郎連合」の台頭

自民党内の構図は、主流派の石破・森山・進次郎連合と、反主流派の旧安倍派・麻生派・旧茂木派との対立へと収斂してきた。
世論は石破続投を支持する空気に傾きつつある。自民党内が世論に押し切られて石破続投が決まれば、2年後には「石破から進次郎へ」という政権移行シナリオが現実味を帯びてくる。