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玉木雄一郎、総理への二つの道──「石破おろし」に加担して自民党に担がれ一気に総理か? 参院選で躍進して立憲民主党を割って「野党第一党」か

政治の世界は一瞬で風景が変わる。予算が成立し、次なる焦点は「石破おろし」と「参院選」だ。

そして今、最も注目を集めるキーパーソンがいる。減税政策で人気急上昇、不倫スキャンダルを乗り越え、「時の人」となった国民民主党の玉木雄一郎代表である。

玉木氏は「総理大臣を目指します!」と堂々宣言している。

しかし、総理の座はそう簡単に手に入るものではない。彼の前には「二つの道」がある。

  1. 「石破おろし」に加担し、一気に総理へ駆け上がる道
  2. 参院選で躍進し、まずは野党第一党を狙う道

果たして、どちらを選ぶのか。玉木氏の決断次第で、日本の政治行方は大きく変わる。

手詰まりの麻生太郎──石破おろしとポスト石破問題

自民党の反主流派のドン、麻生太郎元首相は、参院選前に何としても石破氏を退陣させたい。

石破内閣の支持率は低迷し、「石破では参院選を戦えない」という声が自民党内で広がっている。

しかし、麻生氏には決定的な弱点がある。ポスト石破が見当たらないのだ。

自民党内の有力候補である高市早苗氏や小林鷹之氏は、右派色が強く、野党の支持を得にくい。また、茂木敏充前幹事長は国民的人気が低く、参院選の「顔」にはなり得ない。

麻生氏は石破氏を降ろすことはできても、その後の総裁選と総理指名選挙を勝ち抜く人材が不足している。ここに「手詰まり感」がある。

自民党反主流派の玉木擁立論

この状況のなか、麻生氏らの間で浮上しているのが、玉木雄一郎を総理に据え、自公国連立政権を樹立するというウルトラCである。

国民民主党の減税政策を丸呑みすれば、玉木氏も受け入れるのではないか。これならば、内閣支持率は爆発的に上昇し、参院選での勝利が見込める。場合によっては、衆参ダブル選挙を断行するシナリオもあり得る。

しかし、玉木氏がこれに乗れば、「自民党の延命策に加担した」との批判は免れず、せっかくの人気が急落する可能性がある。また、国民民主党は自公国連立の中で弱小勢力に過ぎず、玉木政権が短命に終わるリスクも大きい。

さらに、玉木氏は最近、台湾訪問やダボス会議への出席など、外交面での経験を積もうとしている。これは、彼が経済政策には自信を持つ一方で、外交・安全保障では準備不足を感じている証拠だ。

いきなり総理になるより、もう少し時間をかけて準備を整えたいと考えている可能性もある。

まずは野党第一党へ──立憲民主党を超える戦略

もう一つの選択肢は、石破おろしには加担せず、このまま参院選に突入する道である。

野党第一党の立憲民主党は増税イメージが強く、国民の支持を失っている。このままならば、参院選で国民民主党が大躍進し、立憲民主党は伸び悩む可能性が高い。

参院選後には、立憲民主党の減税派が離党し、国民民主党に合流する動きも出るかもしれない。これが「野党再編」のきっかけとなり、国民民主党が野党第一党にのし上がるというシナリオだ。

一方、立憲民主党の増税派は、国民民主党への対抗勢力として結束し、自民党と手を組んで「増税大連立」へ動く可能性もある。もしこれが実現すれば、自公立連立政権が誕生し、向こう3年間は国政選挙が行われないという安定期に入るだろう。

この戦略の課題は、次の総選挙までの3年間、玉木氏が勢いを維持できるかという点である。

彼は「軽い」「ワキが甘い」と評されることが多く、実際、不倫スキャンダルも発覚した。野党第一党の党首になれば、さらに標的となるリスクが高まる。

現在の勢いを3年間維持できる保証はなく、「総理になり損なった男」として評価が落ちる可能性もある。

まとめ──玉木雄一郎はどちらの道を選ぶのか

玉木雄一郎は、自民党反主流派と組んで、早期に総理へ駆け上がるのか。

あるいは、まずは参院選で野党第一党の座を手に入れ、次の解散総選挙で政権交代を目指すのか。

彼の決断は、日本の政局に大きな影響を与えることは間違いない。

果たして、玉木氏はどちらの道を選ぶのか──それが、今後の政治の大きな焦点となる。

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