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サメタイが選ぶ「全国旅行割で得する人ベスト5」を発表!不公平感満載の国家イベントがいよいよ始まる〜最も潤うのは誰だ!

巨額の国家予算を投じて旅行需要を喚起する「全国旅行割」が10月11日から始まる。「県民割の全国拡大版」や「GOTOトラベルの復活版」と言われ、約5600億円を投じる巨大国家イベントだ。

マスコミ報道を見て「税金の無駄遣いだ」と腹立たしい人、「自分も使わないと損するかも」とそわそわしている人、それぞれだろう。

事業内容をみると、たしかに「得をする人」「損をする人」の明暗がくっきり分かれる「不公平感満載」の国家イベントだ。何より旅行に行きたくても行けない事情がある人は我慢ならないだろう。

このような事業に、私たちの税金を大量投入していいのだろうか。

全国旅行割の概要をまずはまとめてみた。

以上の制度概要から浮かんでくる、この国家イベントの特徴を5つにまとめた。順を追ってみていこう。

最初の特徴はGOTOトラベルと同様に、全国旅行割がJTBや近畿日本ツーリストなど旅行代理店大手が扱うセットプランや団体ツアーにぴったりに制度設計されている点だ。

①交通と宿泊をセットで予約するほうが割引率が高い、②飛行機や新幹線を単体で購入したら割引されない、③マイカー利用の際の高速代やガソリン代は割引されないーーなどの点は、まさに「JTBでセットプランや団体ツアーをお申込みください。断然お得ですよ!」という内容といえる。

これではどうみても「旅行者支援」ではなく「旅行代理店支援」だ。

全国旅行割が旅行代理店のための国家イベントであることは、補助金が旅行者個人に直接給付されず、旅行事業者に支給される点が物語っている。「個人よりも業界」を重視するのはまさに自民党政治の本質だ。その見返りに業界から政治献金や天下りなどの恩恵を受けるのだ。

こうした業界重視の経済政策は必ず「中抜き」をうむ。GOTOトラベルや東京五輪などで電通やパソナで繰り返し「中抜き」問題が指摘されても自民党政権は見向きもしない。旅行者個人に直接支給したら利権が発生しないからだ。全国旅行割にもさまざまなかたちで巧妙な「中抜き」のシステムがビルトインされているに違いない。

もうひとつ見逃せないのは、国策の全国旅行割で旅行需要を無理やり高めた結果、宿泊費などの基本料金設定が上がり、税金を投入した割引の効果が薄れてしまうことだ。つまり旅行客にとっては相場が値上がりした旅行代金が割り引かれることになり、せっかくの割引効果が薄れる。一方、旅行業界は価格相場を引き上げ、その分は税金で補てんされる格好だ。

つまりこの期間、全国旅行割を利用しないで旅行すると、いつもより割高のコストを迫られることになる。この国家イベントに参加しないと、割引を受けられないだけではなく、損をしてしまうのだ。

次に見逃せないのは、利用者間の不公平感である。

①平日利用がお得、②利用回数制限なしーーという制度設計は、お金と時間に余裕がある富裕層・リタイア世代に断然有利だ。

もうひとつ見逃せない点がある。国家が想定した制度の枠組みにそって旅行する人は断然お得だが、国家の想定から逸脱して、個性的なオーダーメードの旅行をする人にはほとんどメリットがないどころか、旅行価格の値上がりで損をしてしまうということだ。

例えば、宿泊先を決めずに全国をバイクでツーリングしている人やキャンピングカーで移動する人、旅行代理店に加盟していない小さな民宿や民泊を渡り歩いている人など「政府や旅行代理店が想定する枠に当てはまらない個性的な旅行を楽しむ人」にはとても利用しにくい制度といえるだろう。

宿泊施設側も同じである。旅行代理店に加盟している大型ホテルや旅館には恩恵が大きいが、旅行代理店に加盟せず、個性を重視して自力で頑張っている旅館は、旅行代理店が破格の料金で喧伝するセットプランや団体ツアーに需要を奪われる可能性が高い。業界横並びのほうが得をする、多様性より画一性を重視した国家イベントなのだ。

さいごにコロナ利権の話。オミクロン以降は感染予防効果が著しく減退し、健康被害への懸念も高まっているワクチン接種を条件としているのは、非科学的・非論理的な政策そのもの。まさに「ワクチン利権」を守りたいとしか考えようがない。

以上の論点を踏まえ、サメジマタイムスが選ぶ「全国旅行割で得する人ベスト5」をユーチューブで発表した。ぜひご覧ください。

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