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トランプ暴走、日本はどうする――ベネズエラ侵攻が突きつけた「日米同盟の危機」

2026年、世界はいきなり危険な幕開けを迎えた。
アメリカ軍が南米ベネズエラを空爆し、大統領夫妻を拘束してアメリカへ連行したのである。

建前は「麻薬捜査」。だが本音は、誰の目にも明らかだ。石油利権である。
これでは、ロシアのウクライナ侵攻を批判する資格はない。
国際社会は一斉にアメリカを非難し、国際秩序は大きく揺らいでいる。

問題はここからだ。
トランプ大統領は「アメリカは西半球を支配する」と公言した。
これは、ヨーロッパやアジアには口を出さないという宣言にも聞こえる。
日米同盟は、いったいどうなるのか。

高市早苗総理は正月早々、ベネズエラ攻撃直前のトランプと電話会談を行った。
しかし、その後は沈黙。
ロケットスタートを切った高市内閣は、新年早々、極めて重い課題を抱え込んだ。

露骨すぎたトランプの本音

トランプはこれまで「戦争をしない大統領」と評されてきた。
ウクライナ戦争でも停戦を模索していると強調してきたからだ。
だが、今回のベネズエラ攻撃で、その評価は根底から崩れた。

トランプはSNSで攻撃成功を誇示し、司法長官は「大統領夫妻はアメリカの正義の裁きを受ける」と表明した。
国内法を根拠に他国を空爆し、国家元首を連れ去る。これは外交ではなく、力による支配だ。

さらにトランプは、アメリカの石油会社がベネズエラの老朽化したインフラを再建すると語り、石油利権を狙う本音を隠さなかった。「適切な政権移行」が行われるまで、アメリカが統治するとも宣言した。

これまでアメリカは、CIAによるクーデター工作や政治介入で他国を操ってきた。

だが今回は違う。空爆し、大統領を連れ去るという、なりふり構わぬ手段に出た。
世界秩序を揺るがす重大事態である。

ウクライナと台湾への影

ベネズエラ攻撃は、国際社会に深刻な疑念を広げた。
国連事務総長は「危険な前例になる」と警告し、ロシアは「武力侵略だ」と非難した。

皮肉なことに、これでアメリカ主導のウクライナ和平は行き詰まる。
ヨーロッパ諸国も強く反発し、米欧の亀裂は決定的となるだろう。

中国も「国際法違反」と批判した。
では、中国が台湾に軍事侵攻した場合、アメリカは正面から非難できるのか。
その正当性は、著しく揺らいでいる。

モンロー主義の復活

ベネズエラの原油輸出の大半は中国向けだ。攻撃直前まで、中国の特使がマドゥロ大統領と会談していた。
トランプは、南米をめぐる米中の角逐を、力で断ち切ったとも言える。

注目すべきは、トランプが「アメリカは西半球で支配的立場を取る」と明言したことだ。
これは、いわゆるモンロー主義の復活である。

アメリカはもはや世界の警察官ではない。南北アメリカに引きこもり、ヨーロッパやアジアの面倒は見ない――そんな現実を突きつけている。

これはトランプ個人の気まぐれではない。アメリカ一強の時代が終わったことを示す構造的変化であり、この流れは今後も加速する可能性が高い。

高市政権が直面する現実

こうなると、日本にとって日米同盟は死活問題だ。米軍撤退という未来が、急に現実味を帯びてくる。

自衛隊は米軍との共同作戦を前提に編成されている。米軍抜きでは、中国に対抗できない。
昨年末に高市官邸から漏れた「核武装論」も、この現実を背景にしたものだろう。

日本政府は、防衛費を増やし、米国製兵器を購入し、防衛増税まで決断した。
それでも、アメリカの引きこもりを止められる保証はない。
今回のベネズエラ侵攻は、その残酷な現実を突きつけた。

高市総理は1月2日、トランプと電話会談を行った。
この電話で、攻撃計画を一方的に告げられた可能性も否定できない。
主要国が次々と批判声明を出す中、日本は沈黙した。

批判もできない。支持もできない。黙るしかない――極めてやっかいな局面だ。

春の日米首脳会談に向け、高市総理はトランプに付き従うしかないだろう。
だが、もしアメリカが本当に西半球に引きこもったら、日本はどうするのか。

ベネズエラ侵攻は、決して対岸の火事ではない。
日本の安全保障の土台そのものが、いま揺らいでいる。