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岸田外交はバイデンの言いなり!岸田の自民党総裁再選は高齢批判が加速するバイデンの大統領再選次第!?来年は日米同時政局か

バイデン米大統領が岸田政権の防衛力強化について「俺が(岸田首相を)説得した」と口を滑らせた。岸田首相は防衛力強化を自らの「歴史的使命」と自画自賛していたのだが、実はバイデン大統領に米国製のミサイルや戦闘機を大量購入するように迫られただけだったことがバレてしまった格好だ。

松野博一官房長官はあわてて、日本政府から米政府に対し「防衛力強化を決めたのは日本自身だ」と申し入れて取り繕うことに躍起だが、岸田外交がバイデン追従であることはもはや隠しようがない。

マイナンバーカードのトラブル続出や、首相公邸での岸田一族の大忘年会に加え、岸田首相が自ら煽りまくった6月解散を見送ったことで、内閣支持率は急落。毎日新聞の世論調査では12ポイント下落して33%にまで落ち込んだ。

岸田首相は7月、岸田外交を大展開して支持率回復を狙う。とくにリトアニアで開かれる欧米の軍事同盟NATOの首脳会談に参加し、対ロシアでの軍事的連携を深めることに意欲をみせている。3月のキーウ訪問、5月の広島サミットとゼレンスキー大統領の訪日で内閣支持率が急回復した成功体験から「ウクライナ支援さえ打ち出せば内閣支持率は上がる」と確信しているのかもしれない。

しかし、バイデン大統領が「俺が説得した」と暴露してしまったことで岸田外交は単に「バイデンの言いなり」であることが発覚してしまい、これから岸田外交をどれだけ演出したところで内閣支持率が回復するかは不透明になったのではないか。

岸田政権はバイデン政権にとって都合がいい。ミサイルや戦闘機を言い値で大量購入してくれるし、対中露外交でも米国のいうままに動いてくれる。これなら岸田政権が続いてもいいだろうーーということで、岸田政権の最大の後ろ盾は今やバイデン政権といえるだろう。

このふたり、岸田首相は来年9月の自民党総裁選、バイデン大統領は来年11月の大統領選で再選を目指す。

ところが、米国では80歳を超えたバイデン大統領の高齢問題に不安が集中し、民主党内からも再選に反対する声が出始めた。バイデン氏は来年の大統領選に勝てば、任期が終わる時には86歳になるのだ。

最近では公衆の面前でつまずいたり、誤った発言をしたりする場面が目立ち、ワシントン・ポストなどの世論調査では7割がバイデン氏の高齢を不安視している。

バイデン氏は共和党のトランプ前大統領に勝てる候補という一点で大統領の座を射止めたが、これでは76歳のトランプに勝てないとの見方も強まってきた。トランプ氏との決戦にたどりつくまえに、民主党内の大統領予備選に敗れる可能性も指摘され始めている。

岸田首相にとって、最大の後ろ盾であるバイデン氏の大統領再選に暗雲が漂えば、痛手は甚大だ。トランプ氏が勝っても、民主党の新しい候補が勝っても、米政権の枠組みは大きく変わり、ウクライナ戦争やアジア外交の方針が転換する可能性は十分にある。新政権にとってバイデン氏に隷属してきた岸田首相が「使い勝手がいい」政権とは必ずしも限らない。

来年9月の自民党総裁選が迫る時点で、米大統領選の動向がどうなっているのか。岸田首相はそれをみながら総裁選に出馬して再選を目指すのかを最終判断することになるのではないか。そして、総裁選前に解散総選挙を断行するかどうかも、バイデン氏の大統領再選への動きと連動してくると私はみている。バイデン氏が失速すれば岸田首相も解散総選挙に踏み切れず、来年秋の総裁選で勇退という展開もあるだろう。


鮫島タイムスYouTube日曜夜恒例の『ダメダメTOP10』でもバイデン政権追従の岸田外交を取り上げました。日米同時政局についても近くYouTubeで解説する予定です。

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