鮫島タイムス『2024年に読まれた記事 年間ランキング』いよいよトップ3の発表です。
10位〜4位を発表した前編では、東京都知事選に絡む記事が5つもランクインしました。立憲民主党と共産党が支持した蓮舫氏が惨敗し、人気ユーチューバーの石丸伸二氏が2位へ躍進し、自公のステルス支援を受けた小池百合子知事が逃げ切った都知事選は、2024年の政界激動のスタートだったといえるでしょう。
トップ3は政界でも芸能界でもマスコミ界でも既存勢力が崩壊しつつあることを物語る記事がランクインしました。
第3位 12月27日 衝撃スクープ「女子アナで芸能人を性接待?」元SMAPの中居正広とフジテレビを直撃した文春砲
衝撃スクープ「女子アナで芸能人を性接待?」元SMAPの中居正広とフジテレビを直撃した文春砲〜ジャニーズ、松本人志に続く「芸能界とテレビの闇」オールドメディア凋落の一年を象徴する大スキャンダル
年末の話題を独占したのは、元SMAPの中居正広氏の性加害疑惑を報じた文春砲でした。被害者はフジテレビの女性社員(女性アナウンサー)とみられ、文春の直接取材にフジテレビの編成局幹部の関与を指摘し、「私以外にも被害に遭っている」と語りました。フジテレビは幹部社員の関与を全面否定し、証言は真っ向から食い違っています。
文春砲によると、女性社員は中居氏と親密な編成局幹部に誘われて中居氏との飲み会に出席したものの、他の参加者は全員ドタキャンし、二人きりの密室で性被害に遭いました。上司の報告したものの放置され、体調を崩して入院した後に退社。中居氏と解決金約9000万円で和解し、口外しないことでも合意したということです。
これが事実なら、フジテレビが組織ぐるみで性加害をサポートした構図となります。しかも他にも被害者がいるとすれば、女性アナウンサーを性接待に使うことが常態化していた可能性もあり、フジテレビを解体的危機に追い込む大スキャンダルに発展する可能性もあるでしょう。
フジテレビは記者会見をせず、公式サイトで社員の関与を否定する一方、出演者との関係性については見直す姿勢を示しました。中居氏の代理人も文春の取材にトラブルがあったことは認めています。
しかし、マスコミ各社は現時点では黙殺しています。ジャニーズ事務所の性加害事件を長年握りつぶしてきたことを反省したはずなのに、中居氏の疑惑を報じないのはなぜか。フジテレビの同じような悪しき慣習がテレビ業界全体に広がっていると疑われても仕方がない状況です。
年明けもこの問題はますます拡大するでしょう。マスコミ不信は極限まで高まりそうです。
第2位 1月3日 松本人志氏の性加害疑惑を報じないマスコミ各社はジャニーズ問題で何を反省したのか?
松本人志氏の性加害疑惑を報じないマスコミ各社はジャニーズ問題で何を反省したのか?警察が封印する「木原誠二事件」を無視して検察の「国策捜査」を垂れ流すのも同じ!「当局が立件するか、当人が認めない限り、疑惑は報じない」というマスコミの病理
昨年末の日本社会を揺るがしたのは、吉本の大物芸人である松本人志氏の性加害疑惑を報じた文春砲でした。松本氏は芸能活動の停止に追い込まれました。ジャニーズ事務所の性加害事件で世論の批判は高まっており、芸能界の実力者である松本氏も抗しきれなかったのです。
松本氏と中居氏。芸能界の大物二人の性加害疑惑。ふたりはフジテレビのバラエティー番組で共演していました。ふたりが出演する数多くの番組を手がけた大物プロデューサーで、現在は編成局幹部に出世した人物が、今回の中居氏のスキャンダルで飲み会を設定したと報じられています。
松本氏と中居氏の思わぬ接点、それはフジテレビにありました。ジャニーズ事務所の性加害事件で芸能界とテレビ局の闇のパンドラの箱が開き、松本氏と中居氏に飛び火しました。この流れは止まりそうにありません。
これまで芸能界はマスコミを抑え込むことでスキャンダルを封じてきました。しかしSNS時代が本格化し、マスコミを抑え込むほどマスコミ不信が高まって、かえってSNSで疑惑が拡大するようになりました。
一連の性加害疑惑は、メディア界の激動を映し出しています。
第1位 10月26日 自公過半数割れで日本の政治はどうなる? 石破は即刻退陣表明か、続投を宣言して粘るのか?
自公過半数割れで日本の政治はどうなる? 石破は即刻退陣表明か、続投を宣言して粘るのか? いずれにしても石破政権は長くて半年、総選挙は「ゴール」ではなく政界流動の「はじまり」だ
10月27日投開票の総選挙の前夜に公開した記事が3万以上の閲覧数を集めて堂々の1位になりました。自公与党の過半数割れを予測し、その後の政局の行方を展望した記事です。
自公与党が過半数を割り、少数与党政権に移行したことで、政局は流動化しました。自公与党だけでは予算案も法律案も可決・成立させることができず、野党の一部の賛成を取りつけるしかなくなったからです。いつ内閣不信任案が可決してもおかしくありません。国会の風景は一変しました。
総選挙で躍進した国民民主党がキャスティングボートを握って減税の実現を訴えたものの、総選挙で惨敗した日本維新の会が自公与党に急接近し、国民と維新が天秤にかけられることになりました。この結果、減税は中途半端に終わり、2025年通常国会でも、自公与党と国民と維新の激しい駆け引きが続く様相です。
国民も維新も自公連立に加われば「自公政権の延命に手を貸した」と批判され、7月の参院選で惨敗する可能性が高まります。少なくとも参院選前の連立入りは難しく、当面は個別案件ごとに与野党協議が展開されることになるでしょう。
しかし、それでは与党過半数割れの脆弱な政権状況が続きます。これを安定化させるには、衆参ダブル選挙で過半数回復を目指すのか、参院選後に連立政権の枠組み拡大(国民や維新の連立入りに加え、立憲民主党との大連立を含む)を目指すのか。
その前に予算成立後、参院選に向けて石破政権が退陣するのか。石破政権のまま参院選に突入するのか。
いずれにしろ、2025年の政界は2024年以上の大激動となるのは間違いありません。米国ではトランプ政権が発足し、国際情勢も一変します。お隣の韓国も尹大統領が弾劾され、政情が不安定です。
鮫島タイムスは新年も政治の動きを先取りしてお伝えしていきます。
本年もありがとうございました。新年もよろしくお願いいたします。
2024年に刊行した拙著は以下です。
政治の世界にうんざりのみなさま、そこからすこしは抜けだすさわやかなヒントをご提供いたしますーー那須の小さな出版社が手作りで仕上げた新刊『あきらめない政治 ジャーナリズムからの政治入門』(鮫島浩著、聞き手/白崎一裕)が6月発売へ
新刊『政治家の収支』12月7日発売!「お金」でみると、スッとわかる!今までなかった政治学”超”入門!〜なぜ政治家はカネに貪欲なのか?表面的な批判だけでは政治家は変わらない!政治家の本音から「政治家の収支」の実像に迫る一冊!
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