自民党総裁選挙と立憲民主党代表戦、それに続く衆議院選挙は、また4年間「国民に厳しい政治」に猛進するのか?「国民のための政治」に方向転換できるのか?という大きな分岐点になると考える方は、多いのではないでしょうか?
しかし、鮫島タイムスから両党とも迷走を極めている様子が、よく分かります。(『ダメダメTop10』参照)
候補者たちにより、具体的な政策が論じられないことに、疑問が湧きます。
「庶民に厳しい」政治から「みんなの幸福のための政治」に変わってほしいという願いから、野党には頑張ってほしい!という思いは、選挙を重ねる度に強くなりますが、日本ニュースを覗くと、なぜか野田佳彦元首相の名前と待望論、をよく目にします。
一方で、立憲代表選についてX(旧Twitter)を覗くと、ネガティブな意見が目に留まります。下に幾つか挙げます。
枝野さんは、自分がつくった党の代表に再任するため、消費税を認めざるを得ない圧力があったのでしょうか…。
立憲民主党の原口一博さんも疑問を投げかけていました。
立憲代表選出馬の要請を受けた、積極財政・消費税廃止派の江田 憲司さんや馬淵澄夫さんにも注目したいと思います。
市民が選ぶ、新しい政治スタイル
原口さんは、立憲の代表選には出馬しないようですが、支持者の方々が原口さんの目指す政治①命を大切にする②衰退から成長へ③独立自尊(詳しくは、後日発表されるようですが、消費税廃止・危険なワクチン・薬の阻止、隣国との友好など)に賛同する支持者たちが、政権交代を目指して「ゆうこく連合」という応援組織(政治団体→政党も視野)を設立しています。289選挙区全てに候補者を立てる予定だそうです。れいわや共産党の支持者も「ゆうこく連合」を応援したいと参加しているようです。立憲以外の野党の候補者もその党に所属したまま「ゆうこく連合」に参加できることになるかもしれません。
従来の二大政党、自民党や立憲民主党等は、党首や幹部が変わると、政策が一変し、そのために多くの有権者は失望し、政党政治を信じられず、投票しない一因になっていると思われます。しかし、「ゆうこく連合」は、結成時の政治目標と政策を共有し契約する集団になるので、矛盾が起こらないことが、大きなポイントです。
すでに240区以上に「ゆうこく連合」の支部が立てられ、今後は賛同する議員や候補者たちが、発表される予定です。そうすれば、各候補者がすでにもつ支持者たちと「ゆうこく連合」の支持者たちが合わさり、さらにその輪が広がるでしょう。
さらに、「ゆうこく連合」の市民組織があれば、連合に頼ったり、左右されたりせず、地域の有権者に目を向けた政治に変えることもできます。
政界大編成、一発大逆転なるか?
ここで気になるのが「ゆうこく連合」設立で、立憲民主党の候補者たちの動向です。例えば、立憲で消費税廃止に反対の候補者の選挙区には、それに賛成する対抗馬が立てられるということになるでしょう。その時、緊縮派候補はどうするのか?
また、自民党総裁選では、出馬は5回目となる石破茂元幹事長は「38年の政治生活の集大成として、これを最後の戦いとして全身全霊で臨んでいく」と意気込みを語りました。当選することは難しいようですが、政治生活で最後のチャンスに挑むという気持ちでしょう。これで、総裁選で当選しなかった場合、無所属でも当選しそうな石破さんは、自民党に所属して平議員で終わるより「ゆうこく連合」で大臣など高いポジションで、活躍できる場を選ぶ可能性はないのでしょうか。
他にも、自民党でくすぶるより、ポジションが得られ、よりやりたいことができ、当選も可能なら「ゆうこく連合」の党に加わることを選ぶ候補者は出てこないのか? 当選確率の高くない選挙区の維新の候補者は、離党して参加しないのか?泉房穂さん、れいわ新選組、共産党等はどう動くのか? これらの、大同で繋がることができる候補者たちが「ゆうこく連合」で連携できれば、かなりの注目度と数が期待できるのではないでしょうか?私は、詳しくなく希望的観測を書いたのですが、専門家の鮫島さんにたずねたいところです。
ポジティヴ版「希望の党」戦略
原口さんが「ゆうこく連合」を基に、新党を立ち上げれば、立憲の代表選で、野田氏など緊縮・増税派の議員が当選した場合、総選挙で落選を恐れる立憲からの候補者を受け入れて、総選挙を戦えば救われ、反撃となるのではないでしょうか。選別・排除ではなく包摂なら、好感度もアップしそうです。
総理候補は?
また、総理候補は、これだけ世界の変化が激しく、混沌とし危険な状態ですから、近代からの世界と日本の政治に詳しく、経験や知識があり、プーチン大統領、習近平主席、モディ首相など世界のリーダーたち、英米と渡り合えるリーダーが、よいのではないか。総理候補にプラスして、アメリカでRunning mateという副大統領候補が、有権者を引き付ける役目を負うように、副総理大臣(または共同代表)候補を異性や若い候補者にすると、インパクトがありそうです。この候補に関して、これも読者の方や鮫島さんに、たずねたいところです。
問題は…
心配する、一番の問題は権力闘争です。
古今東西、政治はよく人々のためではなく権力闘争で、動いていることがよく分かります。せっかく新しい組織ができても、ポジション争いで、壊れてしまわないか。国民のために日本社会を良くするために、という国士が集まり活躍できる政党ができないか、という新しいチャレンジに期待します。小異を捨てて、妥協できるところで妥協できるか。それを国民・支持者たちで、見守り意見することで、国民を見て、耳を傾ける政治家にする、活動にもできるでしょう。
敵対した二人の、最後の決断
アメリカ大統領選では、8月23日、ロバート・ケネディ・ジュニア(前民主党)候補が、民主党と共和党の激戦約10区で参戦しないことを決め、トランプ前大統領(共和党)を推薦することを、トランプ氏と共に発表し、「歴史的だ!」と大きな盛り上がりを見せました。
彼の叔父は、暗殺されたケネディ大統領で有名ですが、戦争・核兵器・金融資本家に否定的でした。彼の父親は、元司法長官で、犯罪組織の撲滅・貧困・人種問題に努めましたが、また彼が14歳の時、民主党の選挙キャンペーン中に暗殺されました。今でも文書が全て公開されず、隠されている謎の事件です。
78歳のトランプ、70歳のケネディ。彼は、権力や金のために選挙を行っているのではなく、アメリカの人々のために人生の最後の機会に挑むように見えます。
ケネディ氏の訴えの柱「命を守る(薬・食・水・環境問題)」は「国民のためチーム」の柱と共通しています。将来、日本が「彼と連携してこの問題を、日本も中心となり解決したい」と呼び掛け、一緒に連帯を表明できれば、大きな効果がでるのではないか。ケネディ氏が来日するのは難しくても、ビデオでの参加で共同声明が実現すると、大きなインパクトになりそうです。子どもたちも参加して、ワクワクするプロジェクト企画されれば、子どもたちも政治や選挙に興味をもつことに繋がりそうです。
民主党と民主主義への思い
日本にも「民主」を付ける政党が複数あります。ケネディ氏のスピーチの内容を聴くと日本で起こっていることと、共通していることに驚きました。「異常の普通化」が懸念されます。長いので主要な部分を取り上げて、以下にまとめます。
2023年4月に私は米国大統領選挙への選挙活動を開始しました。私は民主党員としてこの旅を始めました。私の父と叔父の党であり、私が投票年齢になるずっと前から忠誠を誓っていた党です。
私が初めて民主党の党大会に参加したのは、6歳の時、1960年でした。当時、民主党は憲法と公民権の擁護者でした。民主党は権威主義、検閲、植民地主義、帝国主義、不当な戦争に反対していました。私たちは労働者の党でした。民主党は政府の透明性を主張し、環境の擁護者でした。私たちの党は大金の利益と企業の権力に対する防壁でした。その名の通り、民主主義の党でした。
ご存知のとおり、私が去年10月に民主党を離党したのは、私が育った中核的な価値観から党があまりにも大きく逸脱していたからです。その党は、戦争、検閲、汚職、大手製薬会社、大手IT企業、大手農業企業、そして金満政党となっていました。
民主党が「民主主義を救う」という名目で「民主主義を解体」したのです。
正直な民主主義制度であれば、私は選挙に勝っていただろうと信じています。父と叔父が活躍した制度であれば。開かれた討論会、公正な予備選挙、政府のプロパガンダや検閲に汚されていない真に独立したメディア(マスコミ)、超党派の裁判所や選挙管理委員会の制度であれば、違っていたでしょう。
結局、世論調査では好感度でも直接対決でも、私が他の候補者に勝っていることが一貫して示されていました。しかし残念ながら、民主主義は草の根レベルでは生きているかもしれませんが、政治機関、メディア、政府は、そうではない。何よりも悲しいことに「民主主義」は民主党にとってのスローガンに過ぎなくなっています。
父と叔父は、討論が好きでした。彼らは、思想戦ではどんな相手とも対等に渡り合える能力を誇りにしていました。民主主義の手本、民主的プロセスのロールモデル、そして自由世界のリーダーとしての我が国の役割から、海外でのアメリカのイメージを常に意識していました。
しかし、今の民主党全国大会とそのメディア機関は、ハリス副大統領の本質と人格を私たちに見せる代わりに、何も根拠のない理由でハリス副大統領の人気の急上昇を演出しました。政策も、インタビューも、討論会もなく、高度に演出されたサーカスの花火と風船だけです。憎むべきトランプがいるのに、政策など必要ありません。どうやって有権者は選ぶのでしょうか? 答えはわかっています。メディアと政府機関を武器にし、民主主義を放棄することで、それを成し遂げたのです。世界の国々はどうみるでしょうか?
メディアの私へのインタビューは禁止されていました。その代り、不正確でしばしば下劣な軽蔑と中傷を含む攻撃的な記事を大量に流し続けました。
大統領がメディア企業と共謀し、あからさまに強制することは、私たちの最も神聖な表現の自由の権利に対する攻撃です。
民主主義を守り、常に政権政党に異議を唱えることは、報道の自由の義務です。権力に対する激しい懐疑心という姿勢を維持する代わりに、皆さんの機関とメディアは、自らを政府の代弁者、権力機関の記者に仕立て上げました。それを防ぐことはできます。
民主党は、不公平で偽りの予備選挙を実施し、民主党全国委員会はトランプ大統領と私の両方に対して継続的な法的戦争を仕掛けました。
昨年の夏、ウクライナ戦争の早期終結・慢性疾患の蔓延・言論の自由・憲法上の自由の保護・政府と企業の癒着・ネオコン(自由市場を強く信じ、軍事力を使って他国の問題に関与し、コントロールすべきだと考える人々)とその果てしない軍事冒険主義の反対など、交渉する意欲のある候補者は誰もいないように見えました。
しかし今、2人の候補者のうちの1人がこれらの問題を自分の問題として取り上げ、私を政権に迎え入れるよう要請を受けるに至りました。もちろん、トランプ氏のことを言っているのです。ハリス氏は、私と話すことも、会うことも拒否しました。
私の動きはまた、トランプ氏の勝利を直接脅かすことなく、二大政党制を揺るがすチャンスをもたらします。
私はトランプ政権下で、子どもたちの病気と成人慢性疾患の蔓延を終わらせる任務を負うでしょう。腐敗した健康・医療・農業に関する機関は、巨大な営利企業によって支配されています。これらを正し、変えることです。
特に貧しい人々がこの被害にあっている。私たちはアメリカ人を再び健康にします。4年以内に、アメリカは健康な国になります。より強く、より回復力があり、より楽観的で、より幸せになります。トランプ氏は、これを自分の遺産にしたいと言いました。
私はこれをやり遂げるつもりです。最終的に、未来は、アメリカの有権者、トランプ大統領、神の手の中にあります。トランプ大統領が選出され、約束を守れば、人々の士気を低下させ、国を破産させている慢性疾患の大きな負担は消えるでしょう。
チャンスを最大限にするために、どの選択を取るか、と自問しました。数え切れないほどの子供たちの命を救い、この国の慢性疾患の蔓延を逆転させることができることを知りながら、この機会を拒否すれば、鏡に映る自分の姿を見ることができないだろうと感じました。私の決断を受け入れることが難しい人々がいるのは知っていますが、可能性が少しでもあるなら、価値があります。
ハリス大統領になれば8年間の後、これらの問題を解決する機会は永遠に私の手の届かないところに置かれるでしょう。
私たちの国と人々を救う唯一の方法は、私たちがお互いを憎むよりも子供たちを愛することを選ぶことです。父と叔父は私たちの国の性格に永続的な足跡を残しました。それは彼らが私たちの国への深い愛を呼び起こし、国民共同体としての私たちの意識を強化することができたからです。
理想によって結束した父と叔父は、一般の人々の意識と心に愛を注ぎ込み、運動を展開することができました。人種の違いも、都市部も田舎の人々も、彼らの記憶からアメリカ人の間に今も輝き続ける愛情・愛・大きな希望・親切にする文化を呼び起こしました。
それは、私の精神であり、トランプ大統領の選挙運動にも持ち込むつもりです。私は、激しい非難や分断の代わりに、私たちを団結させる価値観、私たちが互いに争わなければ目標達成を訴えます。
私たち全員が、これらの問題で団結すれば、希望のある未来を与えることができるのです。ありがとうございました。
(全文はこちらです。米国の様子を詳しく説明しています)
彼のスピーチから、日本の様子と似通い、中国と変わりがないように感じました。
日本の野党議員たちから、「米国の民主党を目指す、見本だ」というような発言を耳にします。また、小池都知事はハリス候補者の姿と重なりました。
水道橋博士は先日「野党から議員になってテレビ・ラジオの仕事がなくなり、やがてテレビを見る機会が減ると、この世界が分離された偽装国家であることがよく見えるようになった。これは陰謀論などではまったくなく。統一教会、裏金、議員の明らかな犯罪さえ司法にも裁かれることがない。それでも国民は忘れて結果的に許す。今の自民党総裁選すらも、よくこれで成立するものだと呆れている」とツイートしていたことを思い出しました。
日本のニュースを覗くと共同は、ケネディ氏のスピーチの内容にはふれず、ケネディの兄弟が厳しい視線をむけていることや、コロナの陰謀論を唱えている、彼の訴える内容と関わりのない、ネガティブな側面のみを伝えていました。
おわりに
二人は、お互いに、着地点を見つけて、結束することができました。
ケネディ氏は、人々や国を思い、当選できなくても選挙戦を続け、かつてはトランプ前政権を痛烈に批判していたにも関わらず、彼を受け入れ、長い話し合いを繰り返し、目的を達成しようとしている国士でしょう。
トランプ氏は、彼に批判され続けても、彼の熱意と支持する人々を認め、呼びかけた。彼に影響され、国士的になるかもしれない策士でしょう。
政治屋は、国士を装いながら、私利私欲のための政治、時には違法を冒す悪徳政治家とそれを許す策士的人々でしょう。
日本の社会状況は、イギリス(前回コラム参照)やアメリカのそれと酷似している、政治屋が、国民や他国の人々に、辛く厳しい政治を行い続けているようです。
トランプ氏とケネディ氏の約束が実現されて行くのかを追いたいと思います。そして、日本でも、国士的策士が現われ、黒い政治屋を白い国士に変えて行けるか? それは、マスコミが政治屋側であるなら、多くの人々が集結して、口こみと草の根運動で、圧力をかけ、対抗できるのではないか、と彼らの姿を見ながら強く思いました。
ケネディ氏は、トランプ氏と共闘を発表した場面をツィートしました。
トランプ氏の MAGAマガ「Make America Great Again」にケネディ氏のMAHAマハ「Make America Healthy Again 」というスローガンが加わりました。
冒頭の写真は、冬の寒い夕暮れです。カップルが写真を撮っていて、気づきました…。
今滝 美紀(Miki Imataki) オーストラリア在住。 シドニー大学教育学修士、シドニー工科大学外国語教授過程終了。中学校保健体育教員、小学校教員、日本語教師等を経て早期退職。ジェネレーションX. 誰もがもっと楽しく生きやすい社会になるはず。オーストラリアから政治やあれこれを雑多にお届けします。写真は、ホストファミリーとグレートオーストラリアン湾の沖合で釣りをした思い出です。