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こちらアイスランド(18)夏のアイスランド、リクエストある?〜小倉悠加

日本の旅行代理店は、オーロラを売り文句にアイスランドのツアーを出していることが多い。オーロラは日本で見ることができないので、確かに売りになるポイントだ。でも、本当に旅行に適しているのは今頃の時期。6-7月が絶好調だ。気候や日照の長さを考えると、この時期ほどたっぷりと自然が楽しめる季節はない。

SAMEJIMA TIMES連載のこのコラムや、最近よく取り上げられる火山関係のニュースを見て、自分もいつかはアイスランドへ行ってみたいと思っている読者もいることだろう。いるよね?

でも今年の夏はまだ海外旅行に出られる雰囲気でもないし、秋口といっても・・・という状況だ。そこで、今年の夏はSAMEJIMA TIMESの「こちらアイスランド!」で、大いにアイスランドの自然を楽しみませんか?

私が訪れる各地の写真はツイッターに出すこともあれば、インスタグラムのストーリーズに投稿することもあるけれど、そこは一過性。このコラムは読者の皆さんの息抜きになればと考えている。もちろん私自身も思い出として読み返すことができればと。

自宅のベランダから時々見えるオーロラ

ここで私的なことを少し。

私のパートーナー(男性)はかつては新聞に音楽アルバムやライブの評論を書いていた人で、音楽が共通項で知り合った。同居するようになると、ふたりともアウトドア好きが判明。彼はあちこちの山を制覇したハイカーで、私は都会生まれで都会育ちの、いわばアウトドアあこがれ派。アウトドア族としてのレベルが最初は合わず少し右往左往したけれど、火山噴火見学で山登りを何度となく強いられているうちに、私も少しは彼に追いついてきた。

週末はふたりであちこちへ出かけ、天気がよさそうな方向へと車を走らせる。そんなことを繰り返すうちに気づいたことは、彼が私の写真をやたら撮りたがること!

記念に一枚ではなく、これでもかというほど撮りまくる。生まれたての子供でもないのに、私の一挙一動が珍しいのか、あちらに立たせてはパチリ、こちらに立たせてはパチリと、際限がない。写真撮影が趣味だとは聞いてないし、撮影は一眼レフでもなくスマホのオートモード。

私は被写体になったことがないので、撮影対象にされるのがはずかしくてたまらなかった。やり場がなくて困った。天気のいい日に撮るだけならまだしも、体感温度マイナス20度のような場所で、「コート脱いでみて」なんて気軽に言う。凍え死なせる気か!正直、「もういい加減にしてくれ」と思うようになった。メンドイ!

なので不貞腐気味に「なぜそこまで私の写真を撮るのか」と尋ねるとーー

「どんな夫でも自分の妻が世界で一番美しいと思っている。その妻の写真を撮りたいと思う気持ちのどこがいけない?!」と日本人には馴染みのないコンセプトがズバッと放たれた。

そんな時に「視力検査した方がいいよ」など言おうものなら、真顔で「視力は大丈夫。きちんと見えてる」と悪びれない。

気持ちよく走れる交通渋滞のない道

自己肯定よりも自己否定をベースとする日本の文化で育ってきた私には、とても居心地が悪い。自分はとるに足らない存在であり、まして大量の写真撮影に耐えるような外見ではない。鏡に写る自分の姿を見るたびに、それが他人ならいいのにと、自分の顔に責任を持ちたくない女でもある。

そして、妻を美しいと褒めちぎる日本人男性を私は知らない。それでも、私よりも若い世代の男性はきっと、人前では口にしないが、ふたりだけの時には妻に褒め言葉のひとつも言ってるに違いない。よね?鮫島さんはどう?

私の気持ちはどうとも、ここは北欧の国、異文化の地なので、彼の姿勢が正しいに違いない。妻が一番美しいという彼の言葉を否定する私の方が、この地の常識に外れているのだ。それでも、これに関しては自己否定というより、自分が世界一美しい女性ではないという単純な事実で・・・え?そいう考え自体がだめ?

ま、いいや。この国では小さい頃からいかに自己肯定を仕込まれるかは、きっと書くことがあると思う。

ノロケにしか聞こえない、こんな犬も食わない話をしたのは、なぜ私の写真が多いのかという理由を知ってもらいたかったのだ。美しい自然の写真は素晴らしいけれど、素人だとどうしても間が抜けた感じになる。そんな時、人物が写真に映っていた方が、写真に面白みが出る。私が自己顕示欲満々なのではなく、それ以外の選択がないという、至極消極的な理由。

スマホ写真家の彼は、火山に魅せられ数年前に買った一眼レフを最近持ち出すようになった。私の写真だけではなく、景色も撮ってみたいという。お〜、やったね。これで読者は私を見ることから解放されるか?

SAMEJIMA TIMESの読者のみなさんで、アイスランドに関して知りたいこと、こんな場所の景色が見たい等、リクエストがあれば、気軽にコメント欄にどうぞ。ただし、経済や社会は表面しかわからないし、気楽な物事しか理解できないので、その辺はお手柔らかに☆

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お知らせ :小倉が現地取材を担当!
 2021年6月20日 21:00-  BS テレビ東京
 『日経スペシャル SDGsが変えるミライ~小谷真生子の地球大調査~』
番組内では「ジェンダー」「多様性」に関して先進的な取り組みを行う国内外の企業や団体を取材している。「ジェンダー平等」世界一「アイスランド」がどう取り上げられるのか、ぜひご期待ください!

小倉悠加(おぐら・ゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。アイスランド政府外郭団体UTON公認アイスランド音楽大使。一言で表せる肩書きがなく、アイスランド在住メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、カーペンターズ研究家等を仕事に応じて使い分けている。アイスランドとの出会いは2003年。アイスランド専門音楽レーベル・ショップを設立。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。アイスランドと日本の文化の架け橋として現地新聞に大きく取り上げられる存在に。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。

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