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こちらアイスランド(106)お取り寄せ海産物。生きたまま届くウニとホタテで刺身パーティ!〜 小倉悠加

Gleðileg jól!(グレディレグ・ヨゥル)

サメタイの読者のみなさんは、どのようなクリスマス・イヴをお迎えでしょうか。

日本はクリスマス・イブで気分あげあげ・・・な訳がないですね。政治・政府が酷すぎる(怒)。その話は鮫島さんにお任せするとして、アイスランドはいたって普通、かな。

キリスト教国なので、クリスマスは公的な行事。従って会社や店なども公休。というか、クリスマスの日に雇用主は働いても構わないが、従業員には特別手当を支払う必要がある(日給であれば通常の3倍近くかと)。以前は従業員を働かせるのは違法でさえあった。

やんごとなき物事なので、クリスマスに全人生をかける人もいれば、我が家のように、子供がいるから一応やろうかと気合いの入らないクリスマスもある。今年はツリーさえ出さなかった。クリスマスをしっかりやれという法律がなくてよかった。

今回はクリスマスにちなんだ話題ーーーではなくてごめんなさい。たまたま彼の誕生日がクリスマスの翌日。そのために用意した食材の話です。

日照が一番短くなる冬至の朝。日の出前30分の午前11時に撮影。

日本でも正月の前後に生まれてしまった人は、誕生日なのか正月なのか訳わからずにされることが多いとか。彼の誕生日は12月26日。クリスマスと誕生日を混同されがちなので、なんとか個別にと心がけてはいる。けれど、12月26日は閉まっている店も多く、なかなか事がスムーズに運ばない。

彼が私といっしょになって発見した凄い食品には、日本人には当たり前の味噌醤油から、見た目があれなホヤまであり、その中でも非常に気に入っているのがウニだ。雲丹、うに、美味しい(ハート)。

羽田でも成田でも、最後の最後に食べるのが寿司であり雲丹だ。中トロ、大トロも。私はここで言葉を使い分けている。海外で食べる模造品は「スシ」、日本のスーパーのパック入りは「すし」、カウンターのある本格的な店は「寿司」としている。実際の基準は若干曖昧だが、大まかにはそういう区別だ。

ウニも見た目が外人向けではないし、食感のあのドロっとしたところもハードルが高い。けれど彼はあれがいたく気に入り、日本へ来るとまずは「うに!」だよね〜。私は中トロかな。

以前から噂には聞いていた。アイスランドでもどこかでウニが採れるらしい、と。どうやら海産物のボートツアーに乗ると、食べさせてもらえる時もあるらしいとも。それも確実ではないし、ボートツアーを調べたけれど、ウニにありつけるかが定かでもないため、ギャンブルでしかない。

それでも諦めずにいろいろとググっていると、あったあった、魚介類を卸している会社が、ウニも取り扱っている。問い合わせてみると、レイキャビクのレストランに海産物を卸しているらしく、1キロ単位で売ってくれるらしい。

問い合わせてみると、個人でも取り寄せられるとのこと。よかった。

西海岸からの輸送にトラック便で丸一日かかるため26日に受け取るのは無理。レイキャビク周辺の初雪&ドカ雪で、道路事情が激烈に悪化。「トラック便が出られなくなるかもしれない」という事情から、本来12月23日に受け取る予定が21日に早まった。

貝は足が早い。さて、26日までもたせることはーーー素人の私では無理!

なのでその経緯を彼に話し、急遽22日が誕生日のスペシャル・ディナーとあいなった。ケーキは24日に冷凍で受け取る予定だったので(これもクリスマス前後は店が閉まってる事情による)、26日の誕生日はケーキだけ!

注文したのはウニの他にもホタテとムール貝。で、出荷後の請求書を見るとウニは600gとなっている。1キロ収獲できなかったのかな。ま、仕方がない。文句を言ってどうなるお国柄でもないし、大勢に影響はないのでよしとする。アイスランドでは諦めが肝心だ。

そうして届いたのがこれ!

こんなの来ちゃったよ、どうする?!

都会生まれ都会育ち、刺身といえばスーパーのパック入りしか知らない私にこれをどう処理しろと?!

もちろん、この状態で送られてくるのは織り込み済みなので、Youtubeで事前に勉強をしておいた。イメージ・トレーニングはできてるーーーはず。

もう一度書く、貝は足が早い。

どの程度貝が新鮮なまま保つのか、この貝たちの新鮮度はいかなるものか。な〜〜んもわからん!Youtubeを漁っても、ググっても、貝は外から見ただけでは玄人でもワカランとなっているので、ましてド素人の私はお手上げ。なので、とりあえず処理することにする。

とはいえ、牡蠣が大好きな私は、日本で百個は牡蠣を開けてる。牡蠣は任せとけ!という感じなので、たぶんホタテはできそう。ムール貝は茹でるだけだし、問題はウニだ。

再度Youtubeでイメトレを行い、果敢に取り組んだ。Youtube、本当にありがたい。ありがとう!

ところで、このウニはバフンウニだ。紫ウニかと思っていたので、少しばかりイメージ違い。ウニをさばくのは初めてなので、ウニは全身硬いのかと思っていた。口の周りが薄皮のようになっていた。そこまではいいけど、開けてみると身のつき方の感じが、映像で見たどのウニとも少し違う。

映像で見たのは、全部5分割されていた。手元に届いたウニは全て、一箇所だけ身が離れている部分はあるが、あとは全部、上の部分(という言い方で分かるか?)がくっ付いていた。厳密には分離しているのかもしれないが、全部くっついて出てきた。

用意しておいた塩水で中をサラリと洗い流し、黒い部分を取り除く。黒く丸い弾丸のようなものが沢山出てくる。ウニのうんち?

取り出した身は別の塩水に入れ、汚れが落ちるよう、何度か水を取り替えた。私にはこれが新鮮なのか非であるのかが分からない。困ったものだ。

そして気づいたのが、ウニの身から出てくる白いもの。想定外だ。すぐに調べる。

なぬ、ウニの雄が成熟すると精子を出す、と?!精力が強いのか、身の周囲に白いものをまとった奴らが多い。男たちよ、静まれ!

それにしても、動画で見たような形状でないこともあり、勝手がわからぬ。と、ブツブツ言いながらもとにかく手早く作業を進める。手早かったかは疑問だけど。男女入り混じった身は、きれいな塩水に入れて冷蔵庫へ。

次はホタテだ。ん?このコラフルなやつがホタテ?え〜??!!!蛤にも見えないし・・・。

これ、本当にほたて?日本では色が白と茶色のツートーンで平ったいやつしか知らない

私が知るホタテではなく、ここで気が動転。が、動転しても事情は変わらないため、すぐに調べた。検索したのは「Iceland Scallop」。すると、すぐに「Chlamys islandica」という種類が出てきた。名称は「アイスランドホタテガイ」。まんまやん!

とにかくこれは蛤ではなく、正真正銘のホタテ。それも、アイスランドと名前をつけられた由緒正しきアイスランドのホタテ!

それではムキムキ作業に取り掛かろう。貝を手にとり、ぐるりと様子を見る。牡蠣よりも楽そうだ。牡蠣はどこにナイフを入れていいやら、それ自体が難しい。このホタテには蝶番の横に隙間がある。貝開け自体は楽勝だ。

夢中だったので写真を撮り忘れたけれど、動画にあった通り、貝柱、ヒモ、内蔵に分け、黒い部分とヒダは取り除いて捨てた。食する分はそれぞれ海水で濯ぎ、ヒモは滑りを入念に取り除いた。貝柱は縦に長く3センチほどあった。

雑菌がつかないよう、素人なりに気を遣って刺身用の身とヒモはペーパータオルに包み、内臓は小さな容器に入れた。ホ〜。もうここまでで疲れて、ムール貝まで手が回らない。

そして翌日はお誕生日おめでとうのウニ・ホタテ刺身パーティ!

前日に処理は終わっているので、基本的には楽だとはいえ、玄人のように美しく飾ることができない・・・。処理と雑菌対策に頭がいっぱいで、当日調理にとりかかるまで、飾り付けのことが頭になかった。お目汚しですが、一応こんな感じで、貝をさばいて用意した。貝殻は煮沸消毒済み。

見た目はどうとも、全部美味しかった。それから、海臭さ、魚臭さが一切ないことに驚いた。それはさばいている時から思ったことで、これほど臭みのない魚介は扱ったことがなかった。ウニのお作り、写真に撮り損ねてます。

ホタテのヒモのコリコリは味わい深かった。身は言うまでもなく濃厚で甘味があり、割合あっさりしていた。ウニはもう絶品!見た目はどうとも、味は天下一品でした。これほど新鮮で雑味のないウニは、日本で北海道から海水ウニを取り寄せた以来のお味。これは病みつきになりそう。

で、実はこれからムール貝は調理する。昨日の夜チェックしたところ、まだ生きてたし、ムール貝は西洋式にしか調理法を知らないので、別日でいいか、と。

で、お値段は?ということになる。誕生日プレゼントなので現時点では秘密にしておきたい。レストランで提供されることが至極稀な食材だ。レストランで食べられたとしてもン万円になるので、そういう点では安く上がったとは言えるけど、決して安くないです。

彼には大評判だったし、ダメなら冷凍ピザでも焼こうかと思っていた彼の息子も、意外にも気に入って食べてくれた。

海産物も海藻も、アイスランドの地元で採れるのに国内流通のない食材。素晴らしい食材はあるのに利用されないアイスランド。または外貨獲得のため全て輸出にまわしてしまうかーー。食文化が発達していないという意味ではあるけど、中途半端に人気が出ても入手できなくなりそうなので、このままでいいかとも思ってる。これから、時々取り寄せて楽しもうと思う。

小倉悠加(おぐらゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。アイスランド政府外郭団体UTON公認アイスランド音楽大使。一言で表せる肩書きがなく、メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、カーペンターズ研究家等を仕事に応じて使い分けている。アイスランドとの出会いは2003年。アイスランド専門音楽レーベル・ショップを設立。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。

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