もうすぐ卒業式がやってくる。
オミクロン株が飛び交う中、どのように備えるべきか。今の私に課された最大の課題です。
去年4月14日、私は酸素飽和度87でもPCR検査をしてもらえなかった。その詳細は『私は本当に「コロナ陰性」だったのか? 今苦しんでいるのは「コロナ後遺症」ではないのか? 抗原検査への疑念』をご覧ください。
今度は子供たちにも感染が広がっているオミクロン株です。
素人の私でもあまたの教育現場を見てきていると、コロナが教育現場に入り込んだら厳しい事になるだろうことは簡単に想像できました。単なる素人の想像通りに物事が進行していく様は、国の無作為としかいいようがありません。
そして確定申告中に4/14の診療明細がたまたま出てきました。ところがコロナの検査項目が何故か無い。
担当医からインフルABもコロナも(―)である事を告げられましたが、唾液によるPCRをしていないのは確かです。後日の検査結果報告も無かったからです。
それでも「コロナも陰性だ」と言わしめる根拠になるはずの検査項目が何処にもないのです。
病院に確かめてみたところ、公費で行われているので支払いが無い=診療明細項目にもない、という事でした。私のように確定診断が無いのに後遺症のような状態が長く続く場合、いったいどうなるのでしょうか?
私が検査されたキットは「デンカ社」製の「コロナ抗原検出」と病院側から伝えられました。デンカ社製の簡易キットで私の検査日に存在していたものは、厚労省の承認リスト「新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品(検査キット)の承認情報」によると「クイックナビ-COVID19 Ag」か、インフルエンザも同時に検査の出来る「クイックナビ-Flu+COVID-19Ag」以外ありませんでした。
国立遺伝学研究所の川上先生のTwに東京大学医科学研究所の抗原検査キットの比較レポートがありました。
この表中の4つのキットは厚労省の承認順の4つのうち3つが含まれています。
1着:富士レビオ エスプラインSARS-Cov-2 抗原検査法(簡易キット)
2着:富士レビオ ルミパルスSARS-Cov-2 Ag 抗原検査法(定量)
3着:デンカ クイックナビCOVID19 Ag 抗原検査法(簡易キット)
4着:タウンズ イムノエースSARS-Cov-2 抗原検査法(簡易キット)
27着:マルコム スタンダードQ COVID-19 Ag 抗原検査法(簡易キット)
*(承認2着のルミパルスは定量検査なので報告の対象外とされています。
厚労省のリストによるとこの「クイックナビ-COVID19 Ag」の承認日は2020年8月11日。「クイックナビ-Flu+COVID-19Ag」は2020年6月16日。
比較に使われた4社のキットはいずれも2020年8月に日本で入手可能なものとされていました。4着と27着の2社は承認日前に入手されていたものの様です。
27着の承認日は2021年8月なので1年前に入手されていたことになります。
東大河岡研論文の公開日は2020年12月10日です。
私の検査日は2021年4月14日なので、この日に検査できるデンカ社製のキットは上記のみです。そしてデンカ社を少し調べてみたところ、財閥系で知られる三井グループとして名を連ねているとともに、金融系の財閥ともいえる第一勧業グループにも属しているとありました。富士レビオに次ぐ承認の速さになんとなくうなずけるところ。歴史も資本もデカければ国とのパイプも太いということかもしれません。(PCR検査と抗原定性検査(簡易キット)の比較については、前回記事で川上先生がコメントをお寄せくださっているので参考にされてください)。
ところで川上先生のTwにあった河岡研究室を検索したら昨年度の専門家会議のメンバーにその名前がありました。皆さんでもメディアなどでよくご存じの名前がずらりと。岡田春江さんの「秘闘」を読み進めるとタイトルの意味がよく伝わってくるばかりです。
前回遺伝研の川上先生から頂いたコメントはもちろん、感染症外来のドクターが「(検査)結果は完全じゃないから」と三回ほど言ったことも、複数の医療関係者から「抗原簡易キットは意味がない」と聞いたことも、2020年12月の時点で既に科学的データの裏付けがあったことが再確認出来ました。
東京大学が中心となり研究された河岡研論文で「現在(実験当時)の迅速キットがSARS-CoV-2を排出している一部の患者を見逃す可能性が高い」と指摘されているのにも関わらず、何故、デンカ社製の「クイックナビ-COVID19 Ag」が私の検査に使われたのか?
何故、感染症外来の4/14担当のドクターはPCR検査をするかどうか、内線で上長にお伺いを立てていたのか?
このような研究結果が既に出ていたにもかかわらず、私は何故、PCR検査をしていただけなかったのでしょうか?
疑問は膨らむばかりです。
さて酸素飽和度87から既に11カ月経過しようとしている私ですが、去年の11月頃から徐々に体調が戻り始めている実感はあるものの、酸素飽和度87以前の7割と言ったところです。たまに8割に手が届くと体がスッキリ軽くなっているのを認識します。
ただ未だに漢字の片と作りが左右逆転したり熟語が一文字になっていたりします。ワードが無ければ私が書く字は誰にも読めないレベルです。その他、いまも続いている記憶障害や疲労感、台所やふろ場の掃除など狭い空間で動いていると軽度の眩暈が頻繁でもあり、たった半日の仕事でも疲れてしまいます。
朝の30分ほどの散歩もゆっくりであるのにもかかわらず、全く夫に追い付けない状態ですのでここしばらくは散歩も止め、体調に耳を傾けながら生活を送っています。
ところで承前の報告から漏れが一つありました。
2021年9月に軽い眩暈が抜けず耳鼻咽喉科に行きました。医師によれば「ラムゼイハント症候群の痕跡がある」と。2022年の年明けには「前庭神経の障害から海馬(記憶や空間学習能力に関わる脳の器官)にも影響が出ている可能性がある」との事でした。
更に、体重も胃が拒否するまで食べても何故か太れない状態が継続しています。
また今年に入ってからでしょうか、PCのキ-ボードやスマホの指認証、IHのタッチ操作、EVのスイッチ、エアコンのボタン操作の結果も以前と違ってきています。今までと変わらぬ押し方であるという認識なのに、結果は全くついてこない。つまり、ミスタッチ、機械が反応しないなど、手指等の体性感覚が鈍くなっている様に感じます。特に右手指は500mℓのボトルを持っている事が難しくなり、暫く両手でそれぞれを同時に持っても右手のボトルだけ落下してしまう。やや重めの本もつまんでいるといつの間にか指先をすり抜けてしまいます。
身体の異常は現在世界中から報告されてくるコロナの後遺症にいちいち当てはまります。ここまでが前回記事の後に起こった事と新たに判った事です。
月日は飛んで2/20の千葉日報に『千葉県、ひっ迫する発熱外来支援へ新組織 新型コロナ検査キット配布に対応』という記事が載っていました。以下がその記事です。
新型コロナウイルス感染拡大で「発熱外来」が逼迫(ひっぱく)する状況を受け、千葉県は、「新型コロナ検査キット配布・陽性者登録センター」を21日に開設すると発表した。重症化リスクの低い感染者らに、発熱外来で受診しなくても検査できる態勢を整える。センター開設で、医療現場では重症化リスクの高い患者への対応が円滑に行えるようになる。利用無料。
センター利用対象は、50歳未満で基礎疾患がないなど重症化リスクの低い県民。ネットからセンターに検査キット配布を申請し、自宅で検査。陽性なら「陽性者登録センター」に報告すると、センターから保健所に発生届が提出され、以降は保健所対応となる。
県ホームページ「検査キット配布・陽性者登録センター」で検索・申請できる。問い合わせはコールセンター(電話)03(6779)8260=21日以降。
卒業式の撮影などに赴く家族持ちの若いカメラマンなどの事が気にかかり、どんなものかと記事に掲載されていた電話番号に何気に電話したところ、何度かけても通じません。そこでふと気づいたのですが、それが東京の固定電話である事でした。
何故、県の事業なのに東京が連絡先?それも一本?
そこで、検索できると書かれていたHPを探したところ、これも無い。
えらく急がされた企画で、現場にとっては降ってわいたであろうことが予想されました。
結果から先に申し上げれば、県庁に電話を入れやっと然るべき部署にたどり着きました。
HPによると先のセンター事業は千葉県の健康福祉部とあります。初日ヒューマンエラーでネット回線がつながらず、東京の代表電話に問い合わせが殺到した事が要因の一部の様でした。2/22には無事UPされていました。
「新型コロナ検査キット配布・陽性者登録センター」のHPを見ていると様々な「何故?」がわいてきました。
そこで私はセンターの件について質問をすることにしました。
1)何故、千葉県の事業なのに、東京の代表電話一本なのか?
回答:「外部の業者に委託していて、一台の電話から複数のオペレーターに振り分けられている」
千葉県民である私は委託先が東京であることが引っかかりました。そこで
2)本来、千葉の事業ですから、税金を出しているのは我々千葉県民です。それなのになぜ、潤うのが東京なのですか?
回答:「条件をクリアできる業者がなかなかいない。申請はネットあるいは電話連絡になるので東京でもいいわけです。また、配布のための封筒に貼る住所などのシール作りから梱包して郵便局に持って行くことも委託しています」
本来は県内の業者に振ってしかるべきではないのでしょうか?いま食べる事さえ困っている人たちに期間雇用でも回すべきではなかったのですか?
回答:「おっしゃる通りです」
3)どのようにして業者が決められたのか、その業者とはどこの会社ですか?その条件は何ですか?
回答:「審査部署は他の部署です。ただ、厚労省からの連絡が1/24でしたので…会社名はシミックソリューションです。緊急性を優先し、いくつか候補を挙げてから、入札などは経ず、条件をクリアできる業者に手を挙げていただきました」
つまり入札などをしている暇もない場合などに利用される「手挙げ」と言われる急ぎ仕事です。
その条件とは?
回答:「実施計画書を上げてもらう事・検査を行える場所はあるのか・現場の動線はどうするのか・関係者の名簿・どのぐらいの数が実行可能なのかなどです」
4)キットの種類はいったい何で、どこのメーカーで、どこから送られてくるのか?
回答:「種類は抗原定性検査のみで、仕入れは県がメーカーから調達しています。厚労省の承認情報に従って調達し、銘柄の限定はなく、集めることが出来たものをお送りします。センターで梱包作業等も入り、それを郵便局に持って行きます」
であればやはり千葉県民の税金は生活に困窮している納税者へ発注するかたちで使ってもらう方が本来は良いのではないか?梱包作業や封筒代や郵送料、オペ―レーター代、電気代や水道代、業務遂行のための場所代などがかかるわけですから。
ただもう始まってしまっている事業なので、意見としてお伝えしておきました。
それと気になったのは、対象が50歳未満で元気な人という事です。
これについての回答は「現在感染症外来がひっ迫し、その為の交通整理というのがこの事業の核です」という事でした。つまりトリアージという事のようです。
また、「定性検査では陰性の証明にはならない」ともおっしゃっていました。
この点は川上先生のコメントや東大河岡研の比較レポをご覧になればわかるように実は「肝」であり、平等公正であるべき行政の事業であるにもかかわらず、河岡研の結果では(図表)を見れば納税者が受け取る抗原定性検査のメーカーよってはその診断が変わってしまう可能性がある、つまり問題があると言えます。
5)連携して行われるのは千葉市と柏市と船橋市の3市とありますが、千葉県全体で行われるわけではないのですか?
回答:「千葉県民全員が対象です。保健所の管轄の関係と政令都市である事もあって三市が連携するという事です」
6)「期間が3/25金曜までとなっていますが、これは年度末までという事ですか?
回答:「ハイ。来年度については未定です」
7)つまり今後の感染者数や来年度の予算にも関わってくると?
回答:「はい」
8)センターはスキーム図にある様に建物を借りてやっているのか?
回答:「いいえ。特に建物を借りているわけではありません。バラバラに空いているところを使っています」
ここまで来て、私自身はこの無料配布事業には合致しない事を電話の相手にお話ししました。他に無料配布事業があるのなら教えて下さい。という話になっていきました。
ここまで本当は数日間かけて電話のやり取りをしました。
殆ど、録音する事を伝えています。何故なら、酸素飽和度87以降、現在も記憶障害等があり、録音しておかないと覚えていない、すっかり忘れている、あるいは頓珍漢な思い込みをする可能性があるからと説明をしました。あとで録音したものを聞くと質問自体が全く頓珍漢であったり、何度も同じことを聞いたかと思えば、突然頭が回転し始め、ガンガン質問したりといった具合で、甚だ不安定でした。にもかかわらず、行政の皆さんは大変丁寧にお付き合いして下さいました。また私がSNS等でオープンにすることも問題なく、いずれ文書にされるものなので問題もないという事でした。感謝しかありません。
そして、私に合いそうな無料化事業がある事も紹介してくれました。もちろん税金で行うもので「千葉県新型コロナウイルス感染症に係るPCR等検査無料化事業」という役所らしいネーミングです。
私はHP内にある「4.検査実施拠点一覧(2月24日更新)」にあったドラッグストアの数か所に話を聞きました。私がそれらの話を総合して思い浮かべたこの無料検査制度の実態は以下のようなものです。
検査はドラックストアの片隅で行う。メニューはPCRと抗原定性検査。抗原定性検査は医療機関優先で実施されるためひと月入荷がない事もあるようだ。薬剤師さん達は感染の最前線に立ちながら、陽性かもしれないお客さんを迎え入れる業務を担わされ、税金で行われる事業であるにもかかわらず、品不足につき無料検査は受けられず、自腹で検査を頻繁にしているーー。
私があるドラッグストアの方に「もしかして(この事業)システムは壊れている?」と尋ねると、「ハイ、壊れています」という答えが返ってきました。
続報で、いかに無料検査を受けることが簡単ではないかをお伝えしていきたいと思います。
飯塚尚子(いいづか・たかこ)
東京都大田区大森の江戸前産。子供の頃から父親の一眼レフを借り、中学の卒業アルバムのクラス写真は自ら手を挙げて撮影している。広告スタジオ勤務を経て現在フリーランスの教育現場専門カメラマン。フィールドは関東圏の保育園から大学まで。教育現場を通じて、社会の階層化・貧困化、発達障害やLGBTを取り巻く日常、また、議員よりも忙しいと思われる現場教員たちに集中していく社会の歪みを見続けている。教育現場は社会の鏡であり、必然的に行政や政治にもフォーカス。夫は高機能広汎性発達障害であり障害者手帳を持っている。教育現場から要請があれば、発達障がい児への対応などについて大人になった発達障がい者と直接質疑応答を交わす懇談会や講演も開催。基本、ドキュメンタリーが得意であるが、時折舞い込む入社式や冠婚葬祭ブツ撮り等も。人様にはごった煮カメラマンや幕の内弁当カメラマン、子供たちには人間界を卒業した妖怪学校1年のカメラマンと称している。
私は本当に「コロナ陰性」だったのか? 今苦しんでいるのは「コロナ後遺症」ではないのか? 抗原検査への疑念〜飯塚尚子