注目の新刊!
第一回は9/4(月)夜、東京・渋谷で開催! オンライン参加も!

ステキな山形の田舎ごはん(3)お味噌はいいところだらけ!塩分も心配不要です。一緒にお味噌を作りませんか?〜新関さとみ

秋の味噌作り講座が始まりました。

私は漬物作りと郷土料理作りと3種類の講座を開催していますが、中でも味噌作り講座は老若男女に好まれ、一番人気となっています。

こども園(保育園、幼稚園は最近この様に呼び名が変わっている様ですね)や小学校の親子学習会、公民館行事、職場の福利厚生、婦人会事業、高齢者施設のイベントなどから依頼を受けて開催しています。

男性の受講者が3割程いらっしゃる事もあります。なぜ受講したのかを聞くと、「『もっと、美味しいみそ汁が食べたい』と妻に言ったら『こちらは家計をやりくりしている。高い味噌が欲しければ、あなたの小遣いから買ってきてよ』と言われ、どうせ買うなら自分で作ってみようと参加しました」との答えが返って来たことが何度かあります。この夫婦の会話、目に浮かびますね。

私の講座は、味噌の基礎知識を学べ、また少し汗をかく位の軽い運動的要素もあり、「作って楽しい!食べて美味しい!」をモットーにしております。

一度に作る味噌の量は約2キロ~7キロから選べ、直径20センチほどのポリ桶を自宅の中に置くだけで、夏の温度上昇と共に発酵して秋には天然醸造のお味噌が出来上がります。皆さんが思っている以上に手軽なのです。

そして、米どころ山形ならではの「豆の香りたっぷりで糀の甘味豊かなおいしいみそ」になり、ましてやこれを自分で作ったとなると愛おしくて、思わず皆に自慢したくなります。

「初めてでもこんなに美味しくできるんだ!」

「味噌汁嫌いだった子供が、このお味噌に変えたら、味噌汁が大好きになった」

そんなお言葉もいただいています。「我が家の味噌はさとみさんと作る」と言って毎年参加して下さる方が増えていて嬉しい限りです。

講座を始めた20年程前は、「自家製の豆、米などの原料があまったので、もったいないから、味噌でも作っておくか」という農家の方のご参加が断然多い傾向にありました。

しかし、最近では「毎日味噌汁を食べている人は、食べていない人よりもあらゆる病気にかかる確率が少なくなる」とのデータが取れたことなどから、味噌の効用が見直され、食にこだわる人ほど手作りの味噌に興味をもつ様になった気がします。

とはいえ、まだまだ「塩分を気にする人達は味噌汁を敬遠しがち」との話も聞こえてきます。味噌作り健康委員会の調査で、「味噌汁が好きだ」と言う人は93.7%いたにも関わらず、その中の75.1%が「塩分が高いので心配だ」と思っていました。ですから、1日平均0.8杯しか飲まないとの結果が出ています。

しかし、味噌汁の塩分は1杯で約1g~1.3gと以外と少ないので、あまり塩分量を心配することはないのです。

厚生労働省では、日本人の理想塩分の摂取量は男性で1日7.5グラム未満、女性で1日6.5グラム未満としていますが、カップラーメンにはだいたい5~6グラムの塩が入っていると言われ、一杯でその日の塩分のほとんどを摂取してしまいます。一方で、味噌汁を一日3杯飲んだとしてもたったの3~4グラムだけなんです。

最新の研究では、みそ汁として摂取した塩分は、すべてが血圧上昇に結びつくわけではないことも実証されているそうです。同じ塩分量であったとしても、味噌としてとる場合は、他のたとえばコンソメスープとしてとる場合よりも、体の中を通っていく間に排出量が高くなり、なんと30%の塩分をキャンセルすることができるのです。しかも、仮に薄味に作ったとしても、だしの旨味があるので、味の満足度も高くなります。

そして、私達中年には一番うれしいことがあります。具だくさんの味噌汁を最初に飲むと満腹感を得られ、無駄に食べることもなくなりダイエットには最適なんです。その上、抗酸化作用もありお味噌は本当にいいことづくしです。

お味噌の良さ、塩分の事がわかり、身近に感じられましたか。この機会に、一度私と一緒にお味噌を作ってみませんか? 山形県内、東北各地、車で日帰りできる所ならば、いつでもお伺いします。

遠いところに住んでいる方に朗報です。10/21(木)13:30~15:00 ZOOMでオンライン味噌作り講座をNHKカルチャーの主催で「さとみの味噌作り講座~糀たっぷり18割こうじ手作り味噌~」を開催することになりました。事前に材料をご自宅にお送りし、ZOOMで全国各地の皆さんと繋がります。

国産大豆・国産米で仕込むあなただけのオリジナル味噌で、毎朝の味噌汁を健康美味しく召し上がりましょう。きっと、ご家族やご友人がびっくりすること間違いありません!

Let’s try making miso!


新関さとみ(ニイゼキ・サトミ)

横浜市生まれ。幼少時、父のUターンと共に山形県天童市に移転。大学・OL時代を東京で過ごし、20代後半にUターン。1995年(平成7年)に山二醤油醸造㈱の三代目に嫁ぐ。2003年(平成15年)に「さとみの漬物講座企業組合」を設立。山形の古き良き食文化を伝承するため、味噌作り講座、漬け物講座、田舎ごはん講座を開催中。趣味は旅行・映画鑑賞。

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