※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
1.にわかに浮上する「年内解散説」
2.統一教会による「国家復帰」という陰謀
3.「非共産・非カルト連立政権」による「暫定政権樹立」を目指す
4.「自民党」とは戦わず「勝共連合」と戦う
5.「新しい内閣」の顔ぶれを考える
6.新しい政権の「政策」について考える
7.民間の人材から「首班候補」を選ぶなら?
8.比例区の「野党統一名簿」と小選挙区の「候補者一本化」を考える
9.政治家の中から「首班候補」を選ぶなら?
10.決戦は「中国ブロック」
11.みなさまからのコメントの投稿に期待します
12.トピックス:れいわ新選組天畠大輔さんの予算委員会での初質問
1.にわかに浮上する「年内解散説」
次期衆院選の時期について、「年内解散説」がにわかに浮上してきました。
特ダネ!岸田総理追い込まれて衆議院解散総選挙カウントダウン!その日付は11月上旬。内閣支持続落27%。裏の目的は五輪汚職問題捜査の妨害か。 元朝日新聞・記者佐藤章さんと一月万冊
元朝日新聞記者の佐藤章さんの見立てによれば、およそ次のような日程での衆議院解散総選挙を自民党が模索しているというのです。
11月8日(火)衆議院解散
11月15日(火)衆院選公示
11月27日(日)衆院選投開票
12月26日(月)特別国会・首班指名
なぜこのような解散日程が唐突に出てくるのかといえば、検察による五輪汚職捜査が森喜朗元首相の周辺にまで迫ってきていて、捜査の手が森元首相のところに及ぶその手前で食い止める必要があると、自民党が考えているというのです。
佐藤章さんが示した政治日程の通りに事が推移した場合には、「新しい内閣が決まるまでは検察の捜査は動けない」という不文律により、検察の捜査は年内全く動けないことになり、年明けの通常国会と、検察内部の人事異動によって、五輪汚職捜査自体をうやむやに終わらせてしまうことができるのだといいます。
とはいえ、解散総選挙に踏み切るということは、理屈で考えた場合には「自民党が選挙に負けて下野することもあり得る」ということになるわけですが、自民党側の読みとしては、「いま解散して総選挙に打って出ても、野党に負けて政権を失うことになる可能性は、まず無い」という結論に傾きつつあるようなのです。
もし年内に解散総選挙が行われた場合にどうなるのか、その悲観的な見通しについて、一月万冊で清水有高さんと本間龍さんが語っています。
岸田内閣支持率急落!27%で危険水域突入。遂に菅内閣以下の支持率まで落ちた岸田。いま、解散総選挙があれば野党はバラバラ。 元博報堂作家本間龍さんと一月万冊
実際に衆議院の年内解散があり得るのか、政局的な動きに関してSAMEJIMA TIMES主筆の鮫島さんはどのように考えておられるのか、大変興味があるところです。
とはいえ、可能性が高いか低いかという話とは脇に置いておくとしても、「もし年内解散があった場合に、野党はどのように戦うべきなのか」について考察することは意味があると思いますし、仮に衆議院の解散が来年以降に持ち越しになったとしても、その議論は全く無駄になるわけではありませんので、今日はひとまず「年内解散の可能性あり」という前提で議論を進めていきたいと思います。
2.統一教会による「国家復帰」という陰謀
自民党議員の間では統一教会問題よりも五輪汚職問題の方に大きな関心があるようですが、国民的には統一教会問題が今の一番の関心事であると言えるのではないかと思います。
そんな中で、朝日新聞が目の覚めるようなスクープ記事を出してきました。
朝日新聞(2022年10月20日) 教団側、自民議員に「政策協定」 国政選挙前、署名求める 数十人規模か、応じた議員も
この朝日新聞のスクープにより、統一教会の友好団体が2021年の衆院選と2022年の参院選の際に自民党議員に対して「政策協定」ともいえる「推薦確認書」への署名を求めていたことが明らかになりました。
このことがどれほど深刻な問題なのか、2022年秋に出版された鈴木エイトさんの「自民党の統一教会汚染追跡3000日」(小学館)から、それが分かる部分を引用します。
〝国家復帰〟とは「真の父母様の主権によって国家を動かすことのできるすべての基盤の造成」となっている。そして「人類の使命は真の父母様の民となることです。ですから国家復帰が重要です」とあり、人類は統一教会の教祖夫妻に侍る存在との設定だ。
(中略)
教団最高権力者の指令に報いる現実的な〝日本の国家復帰〟への道程として考えられるのは、政権の庇護の下で組織の体制保護と勢力拡大を図りつつ、個別の国会議員に原理教育を施して取り込み、最終的には国の指導者を〝真の父母〟の主管の下に置くという流れだ。
本書では、自民党安倍政権と統一教会が共存・協力関係にあることを指摘してきた。しかし、この時に入手した教団内部資料には、その緊密な関係を揺るがしかねない韓鶴子総裁の驚くべき発言が記されていた。その内容は、広島へ原爆が投下されたことを引き合いにして日本に悔い改めるよう諭すとともに、日本の教団幹部に対し国家復帰のために日本の「最高指導者」「最高責任者」つまり安倍晋三首相をひっくり返して打ち負かし、屈服させて教育をしなければならないと指示するものだ。そこに見えたのは、この教団最高権力者が抱く強烈な反日思想だった。
鈴木エイトさんの本で紹介されている統一教会の韓鶴子総裁の「みことば」によれば、日本に課せられた「母の国の使命」とは、「自分を顧みず全てを惜しみなく与える」ことなのだそうで、日本を「エバ国家」「母の国」としたうえで日本人に財産献納と献身を課すことを統一教会が狙っていることが分かります。
さらに、統一教会の魔の手は日本のみならずアメリカにも及んでおり、共和党のブッシュ大統領やトランプ大統領、あるいは民主党のクリントン大統領とも接点を持っていたといいます。
そういう意味で、まりなちゃんがtwitterに投稿している話は、非常に考えさせられます。
3.「非共産・非カルト連立政権」による「暫定政権樹立」を目指す
このように統一教会の問題点が明らかになってきている現状においては、次期衆院選で統一教会による政治的な影響力を排除した新しい政権の形を作っていくことが絶対的に必要となっています。
ここで、統一教会が日本の政界にどれほどの影響力を持っているのか、そのことを数字で確認してみましょう。
旧統一教会関連団体と関係があった現職国会議員168人の内訳
所属 | 衆議院 | 参議院 | 合計 |
自由民主党 | 103 | 29 | 132 |
日本維新の会 | 9 | 7 | 16 |
立憲民主党 | 13 | 1 | 14 |
国民民主党 | 2 | 0 | 2 |
公明党 | 2 | 0 | 2 |
参政党 | 0 | 1 | 1 |
無所属 | 0 | 1 | 1 |
合計 | 129 | 39 | 168 |
鈴木エイト「自民党の統一教会汚染追跡3000日」(小学館)より作成
政界の「統一教会汚染」は広範に広がっており、鈴木エイトさんの本に依拠した場合、日本に10ある国政政党のうち、無傷なのは日本共産党・れいわ新選組・社会民主党・NHK党の4党だけということになります。
しかし、次期衆院選において、この4党だけで新しい政権を作るということは、議席数を考えた場合に、現実的に不可能だと言わざるを得ません。
それでは、立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社会民主党の4党が協力して新しい政権を作るという形ではどうでしょうか。
私は、これも無理だと思います。その理由は、共産党の外交・安全保障政策が、有権者の間であまりにも忌避されているからです。
以前にも紹介しましたが、「自由民主党・日本維新の会・立憲民主党・国民民主党・日本共産党・公明党の6党の政策に関して、党名を明らかにせずに政策の中身だけで有権者に人気投票をしてもらったら、どのような結果になるのか?」ということを調査してアメリカ・ダートマス大学政治学部教授の堀内勇作さんが書かれた日経ビジネスの記事があります。
日経ビジネス「マニフェスト選挙を疑え:2021年総選挙の計量政治学」
この記事を見て特徴的に言えることは、共産党の外交・安全保障政策と、公明党の経済政策が、有権者の間で突出して忌避されているということです。
衆院選は政権選挙です。2021年の衆院選の際に自民党が「立憲共産党」というフレーズを使って執拗にネガティブキャンペーンを張ったのは、共産党の外交・安全保障政策に対する有権者の忌避感を増大させ、そのことを通じた野党共闘全体への支持の低下を狙ったものであり、その目論見はまんまと当たったと言わざるを得ません。
そうした点を考慮すれば、次期衆院選においては、「政権交代して共産党が限定的に閣外から協力する国民連合政府の樹立」を目指すのではなく、「非共産・非カルト連立政権による暫定政権の樹立」を目指すべきであると、私は考えます。
つまり、共産党のみなさんに「自民党が首班の政権であれ、立憲民主党が首班の政権であれ、政権とは距離を置き、国民のための『たしかな野党』として厳しく政権運営をチェックしていく」と宣言してもらう方が、自民党が下野に追い込まれる可能性が高まるのではないかと思うわけです。
「そうはいっても、共産党の支持者の人たちと共闘しなければ、自民党を倒すのは無理だろう」とみなさん考えられるでしょう。私もそう思います。
そこで、野党が選挙協力を行う枠組みとして、今までどおり「市民連合」を通した候補者一本化と、「あたらしい政権準備委員会」(仮)のようなものを立ち上げての「立社れ3党の候補者一本化」(ただし、立憲民主党の議員で統一教会と関わりを持った議員は推薦しない)を同時に行うようにしてはどうかと思います。
野党候補の推薦の分担
※「立憲民主党の一部」とは、立憲民主党の議員のうち、統一教会と関わりがあったとされる議員のことを指す。
「あたらしい政権準備委員会」(仮)が推薦する立憲民主党・社会民主党・れいわ新選組の3党のメンバーは、新しい政権を担う人材の核となる議員になります。
立憲民主党の議員で統一教会と関わりがあったとされる議員については、「あたらしい政権準備委員会」(仮)の方では推薦せず、「市民連合」の方で推薦するか、もしくは立憲民主党が党として単独で公認する形にするとよいと思います。
「市民連合」の方で候補者調整を行って共産党の候補者に一本化された選挙区については、「あたらしい政権準備委員会」(仮)の方ではどの候補者にも推薦を出さず、「空白区」にします。
立憲民主党の議員で統一教会と関わりがあったとされる議員が出馬する選挙区と、共産党の候補者が一本化候補として出馬する選挙区では、「あたらしい政権準備委員会」(仮)はどの候補にも推薦を出さずに「空白区」としたうえで、全体として最低233人以上の(衆議院過半数が狙える)候補者の擁立を行うものとします。
「市民連合」には、2016年の参院選と2019年の参院選において、選挙結果が出た時点での改憲勢力の3分の2の議席獲得を阻止した実績があります。その実績を尊重したうえで、「非共産・非カルト連立政権による暫定政権の樹立」を目指すもう一つの候補者推薦の仕組みを作ることで、「小選挙区で自民党に勝たせない」ための選挙協力を模索していくことが必要なのではないかと考えています。
「市民連合」は「自民党を過半数割れに追い込むこと」を目的として今まで通り共産党との共闘を行い、「あたらしい政権準備委員会」(仮)は「今の自公政権に変わる新しい政権の枠組みを示すこと」を目的として、共産党とは組まず、立憲民主党の議員でも統一教会と関わりがあった議員とは組まない形で、今までとは違う共闘を進めていくのです。
このような選挙協力のやり方を提示すると、共産党の支持者や関係者の方は不快に思われるかもしれません。
将来的に、例えば、10年後や100年後や1000年後に、日本共産党が有権者の熱い支持を得て、単独政権または連立政権といった形で政権の座に就く、といった可能性を完全に否定しているというわけではありません。
しかし、次期衆院選、ましてそれが年内解散となった場合には、共産党のみなさんには「限定的な閣外協力」という言い方も含めて「政権に関わる」ようなことをにおわせるような発言を一切封印していただかない限り、投票の際に有権者の「共産党アレルギー」が出てしまって、野党共闘の側が政権を手にすることはできず、むしろ自民党政権の延命に手を貸してしまうことになるのではないかと私は考えます。
4.「自民党」とは戦わず「勝共連合」と戦う
前回も紹介した2021年の衆院選の際のBBCニュースの番組の動画を再び見てみましょう。
地方在住で自民党に投票する年配のご夫婦がインタビューに答えているのですが、ご主人の方が「野党の場合は外交それから防衛そういうものが全然ごちゃごちゃです」と答え、奥様の方が「私も主人と同じです」と答えておられた様子が、とても印象に残ります。
象徴的な言い方をするならば、「このご夫婦のお二人のうち少なくともどちらか一人に、今度の衆院選では野党候補に投票してもらう」ことを目標にして選挙戦を戦っていく必要があると私は考えています。
衆院選の投票率を見てみると、自民党が総選挙で下野した1993(平成5)年は67.26%、2009(平成21)年は69.28%だったのに対し、ここ3回の2014(平成26)年は52.66%、2017(平成29)年は53.68%、2021(令和3)年は55.93%となっています。
投票率が低い最近3回の総選挙では自民党が圧勝しており、「投票率を上げることが課題だ」と毎回言われます。
確かにそのことも重要なのですが、現実的に考えた場合には、政権交代が起きた時でさえ投票率は7割を超えておらず、「有権者のうち3割はおそらく投票所に足を運ばない可能性が高い」ということを前提としたうえでの選挙戦のあり方を模索していく必要があるのではないかと思います。
つまり、選挙に行く自民党支持者のうち2人に1人、あるいは、少なくとも3人に1人に「今回は自民党ではなく野党に投票してもらう」ことによって自民党を下野させることを目指していく必要があるのではないかと考えるわけです。
ここで再びアメリカ・ダートマス大学政治学部教授の堀内勇作さんが書かれた日経ビジネスの記事から、重要な指摘の記述を見てみましょう。
日経ビジネス「マニフェスト選挙を疑え:2021年総選挙の計量政治学」
パッケージの中に自民党以外の政党の政策が含まれていても、「自民党」というラベルがあれば、つまり政策パッケージを自民党が掲げていれば、そのパッケージを選ぶ確率が10ポイントほど増えるのである。
ここに書かれてあることを分かりやすく言い直すと、少なからぬ有権者が「政策の内容」よりも「〝自民党〟というブランド」を信じて投票行動を行っているということが、データとして明らかになったということなのです。
そうしたことも含めて、「どのようにアプローチすれば、今まで自民党を支持してきた人たちに野党に投票してもらうことができるのか」という問題意識で選挙戦のあり方を考えていく必要があるのではないでしょうか。
そのヒントの一つとして、2022年秋に出版された鈴木エイトさんの「自民党の統一教会汚染追跡3000日」(小学館)に書かれてある記述を見てみましょう。
自民党自体がマインドコントロール下に
一方で、統一教会が採る巧妙な手法は政治家個人のみならず、自民党という集団に対してもある種のマインドコントロール下に置いていたことも想定される。多くの政治家に「反社会的な団体と関係を持っていた」との認識がないのは、マインドコントロールの手法上あり得ることだ。被害者への自己責任論が専門家から否定されるように、政治家の資質ばかりを問うと、巧妙なマインドコントロールの本質が見えなくなる点にも注意が必要だ。
誤解を恐れず言えば、自民党も「勝共連合」という関連団体を通じて統一教会からある種のマインドコントロールを受けていた「被害者」なのではないか、というふうに捉え直すことを私は提唱したいと思います。
これは、「自民党も被害者だから責任を問わないようにしよう」と言いたいわけではありません。
「勝共連合を通じた統一教会の巧妙なマインドコントロールが自民党内のどの範囲まで及んでいるか分からないので、2022年から2026年までの4年間は、自民党の議員の方々に政府中枢の仕事から外れてもらう必要がある」ということを主張すべきなのではないかと思うわけです。
次期衆院選のスローガンを分かりやすく言えば、次のような内容になると思います。
「勝共連合の野望を打ち砕き、日本の〝エバ国家〟化を食い止める」
「勝共連合の野望から日本を守る」
ここで、批判の的を「統一教会」ではなく「勝共連合」に定めることは、極めて重要です。
選挙戦の際に宗教団体である「統一教会」を批判してしまうと、テレビに出演する自民党応援団の知識人やタレントの人たちが「信教の自由」という錦の御旗を持ち出し、「信教の自由を侵害する野党のあり方には問題がある」と言って、必ず論難してくることでしょう。
それを避けるためにも、批判の的は政治団体である「勝共連合」に絞り、「自民党を巧妙にマインドコントロールして統一教会の教義を国の政策として実現しようとしている勝共連合の野望から日本を守る」として、「勝共連合vs野党共闘」という枠組みで、立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社会民主党の4党による選挙協力の大義を訴えるとよいと思います。
共産党の党名に関しては、野党支持者の間でもいろいろと議論がありますが、次期衆院選に限って言えば、「勝共連合の野望から日本を守る」ことを選挙の争点にした場合には、「今回の問題が持ち上がってくる前からずっと勝共連合と対峙し続けてきた日本共産党」は、逆に名前をブランドに転化できる可能性があります。
「共産党は、新しい政権に参加することはありません。自民党の○○議員には、これから4年間、国政とは距離を置いてもらって、統一教会の教義でマインドコントロールしようとする勝共連合との関係を断ち切って、4年後に無事にリハビリが終わったら、高度経済成長を実現した頃の自民党の姿に戻って、また国のために活躍してもらいましょう。」というような諭し方であれば、長年に亘って自民党に投票し続けてきた年配の有権者の方々も、一定の割合で理解していただいて、「それでは今回は野党の候補に投票しよう。」と言っていただけるのではないかと思います。
勝共連合を通じた統一教会の巧妙なマインドコントロールは、実際問題として、どの範囲にまで及んでいるのか、全く分かりません。
もちろん、自民党の議員の方の中にも、心身ともに統一教会とは全く関わりのない議員の方がおられるのだろうと思いますが、自分では「統一教会とは全く関わりがない」と思っておられる議員の方であっても、本人が全く自覚できない形で巧妙にマインドコントロールされている可能性がないとは言い切れません。
なにしろ、人によっては記録も記憶も飛んでしまうほどなのですから、統一教会の影響が自民党の議員のどの範囲にどの程度の強度で及んでいるのかは、全く想像がつかないとしか言いようがありません。
日本の政治と国民の暮らしを守るためには、やはり、衆議院の解散総選挙を行い、2022年から2026年までの4年間、自民党の議員の方々に政府中枢の仕事から外れていただく必要があるのではないでしょうか。
5.「新しい内閣」の顔ぶれを考える
私の独断と偏見で、総選挙に際して提示する「新しい内閣」の顔ぶれを選んでみました。
副総理兼外務大臣:泉健太(立憲民主党)
内閣官房長官:小川淳也(立憲民主党)
国土交通大臣:木村英子(れいわ新選組)
内閣府特命担当大臣(少子化対策、男女共同参画):福島瑞穂(社会民主党)
カルト問題対策担当特命大臣:有田芳生(立憲民主党)
ロスジェネ問題対策担当特命大臣:山本太郎(れいわ新選組)
閣僚が6名だけ並んでいて、総理大臣の名前さえないことを奇異に感じられるかもしれません。
野党側の首班候補を誰にするのかという点に関しては、後で詳しく議論したいと思いますが、各党の支持者の方々の中には、「なんで自分の支持政党の党首が首班候補にならないのか」と不満に感じられる方もいらっしゃると思います。
私としては、ここに名前を挙げた政治家の中から4年後の総理大臣が誕生してほしいという思いでリストアップしました。
そのうえで、多くの省庁を担当する大臣の名前をあえて「空欄」にしているのは、衆院選の投票の際に、有権者一人一人が自分の「推し政治家」をどこかの閣僚ポストに当てはめて、期待しながら自由に想像できるようにするためです。
また、閣僚であれば、必ずしも国会議員である必要はなく、民間から優秀な方に来ていただくことも可能です。事前にこうした人材を確保することは難しいかもしれませんが、政権を獲った後であれば大物に入閣してもらうような交渉も十分できると思います。
そして、財務大臣などの主要ポストに関しては、首班指名選挙の際の状況に応じて、自民党や維新や国民民主党などの議員を「一本釣り」してポストに充てる含みを持たせる意味で、総選挙の時点では「空欄」としています。
また、これは実現可能な案なのかどうか分かりませんが、特定の閣僚ポストに関しては、郵便投票やネット投票などを活用するなどして、有権者による投票で選ぶようなことをしてみても面白いのではないかと思います。
例えば、環境大臣について、立憲民主党ネクスト環境大臣の近藤昭一さん、れいわ新選組初期メンバーの辻村千尋さん、社会民主党からの推薦者の3人の中から、有権者の投票によって誰が大臣になるかを選ぶ、といったことができれば、盛り上がりが期待できるのではないでしょうか。
もちろん、こうした郵便投票やネット投票には、法律的な裏付けがあるわけではありませんので、あくまでも「人気投票としての郵便投票やネット投票の結果を参考にしたうえで、内閣総理大臣が環境大臣を指名する」という形になりますが、話題を作る意味では面白いのではないかと思います。
6.新しい政権の「政策」について考える
それでは、新しい政権の「政策」について考えていきましょう。
まずは、有権者の中で考え方に対立が見られる政策課題について、基本的に4年間「保留」をして、対立を「棚上げ」し、4年後の総選挙で各党が有権者に政策を訴えることを通して、今後の中長期的な国のあり方の方向性を見出す、という態度を表明したいと思います。
これは、「与党支持者も野党支持者もある程度納得できる暫定的な結論」を出して2022年から2026年までの4年間の政権運営を進めていくという考え方になります。
具体的な政策課題とその対応については、次の通りです。
安保法制:今後4年間は集団的自衛権の行使は行わないが、安保法制の廃止も行わない。安保法制の是非については、4年後に改めて議論する。
辺野古基地建設:基地の建設工事を一時中断し、建設予定地の地盤等の問題について、技術的な再調査を行う。建設工事を進めるか、中断したまましばらく様子を見るか、建設計画を完全に中止して撤回するかの方向性は、4年後に改めて検討する。
原発:原発の再稼働は行わないが、廃炉も行わない。原発の新規建設や再稼働を行うかどうか、あるいは既存の原発の廃炉を行うかどうかについては、4年後に改めて検討する。
消費税:消費税は一時的に税率を5%に減税する。インボイス制度は導入を5年間延期する。消費税率を19%まで上げるか、10%にするか、5%の減税期間を延長するか、消費税自体を廃止するかといった方向性については、インボイス制度の問題も含めて、4年後に改めて議論する。
健康保険証:健康保険証の廃止については実施時期を延期し、マイナンバーカードとの関係をどうするのか、あるいは、マイナンバーカードそのものをどうするのかといった点を含めて、4年後に改めて検討する。
そのうえで、新しい政権は、日本国憲法の理念を、特に、憲法第13条と第20条と第25条を実効的に守ることを4年間のテーマとして掲げるべきだと思います。
日本国憲法第13条
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする
日本国憲法第20条
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
②何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
③国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
日本国憲法第25条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
「信教の自由」と「政教分離」、そして、「生存権」と「幸福追求権」の実現を、新しい政権のテーマとするわけです。
これらのテーマに取り組むのが、「カルト問題対策担当特命大臣」(有田芳生さん)と「ロスジェネ問題対策担当特命大臣」(山本太郎さん)です。
有田芳生さんには、「カルト宗教の被害者の救済」と「カルト宗教の被害者を二度と生まないようにするための対策」に取り組んでいただきたいと思います。
いわゆる「宗教2世」や「宗教3世」の方々は、親から信仰を強制されてしまうことで、どんな宗教を信じるか自分で決める「信教の自由」を実質的に侵害されているおそれがあり、そうした面に関する対策をどうするのかということも重要です。
また、山本太郎さんには、「ロスジェネ世代の救済」と「ロスジェネのような世代を二度と生まないようにするための対策」に取り組んでいただきたいと思います。
現在、就職氷河期世代支援プログラムに1,287億円の予算が、全国旅行割に5,600億円の予算が、そしてマイナポイントには1兆8,000億円の予算が付いています。
このような予算配分がアンバランスだと感じる人は少なくないのではないかと思います。
新しい政権が誕生した暁には、ロスジェネ世代の救済のために、最低でも5,000億円、可能であれば1兆円または2兆円規模の予算を付けて、その予算をもとに具体的にどのような事業を進めていくのか、当事者の声を聞いたうえで、いろいろな知恵を集めて、本当の意味で役に立つ支援事業を実施してほしいと思います。
現状では、就職氷河期世代支援プログラムの予算1,287億円のうち約8割が、予算を消化できずに余らせてしまっているそうで、いかに実際のニーズに合わない制度設計をしてしまっているのかがはっきり分かります。
ロスジェネ世代を救済することは、救済される本人の幸福につながるだけではなく、いわゆる「無敵の人」の予備軍の人数をできる限り減らすことによって、犯罪発生のリスクを抑制し、治安上の不安を減らすことにつながり、社会全体にとっても大きなメリットがあります。
山本太郎さんには、是非「あなたを幸せにしたいんだ」という精神で頑張っていただきたいと思います。
7.民間の人材から「首班候補」を選ぶなら?
野党側の首班候補の問題について、2021年の衆院選の際に、鮫島さんは次のように主張されています。
サプライズとして清新な人物を「野党共通の首相候補」として総選挙に担ぎ、枝野氏は立憲民主党の代表のまま「副総理兼官房長官」候補として野党連合のまとめ役に徹する。そのほうが、世論に新鮮なインパクトを与えて投票率を引き上げ、政権交代のリアリズムを高めることにつながるだろう。それは枝野氏自身の政治基盤を格段に強めることにもなると思う。「野党共通の首相候補」は、例えば、前川喜平氏はどうか。とにかく投票率を上げることである。枝野氏の英断に期待したい。
実際には、枝野幸男さん本人が「野党共通の首相候補」として総選挙に臨み、与党側が「立憲共産党」というネガティブキャンペーンを展開した影響もあって、野党側は惨敗に終わるわけですが、そうしたことを次期衆院選で繰り返さないために、今回は工夫をする必要があります。
私は、野党側の首班候補は既存の政治家の中からは選ばずに、民間の人材の中から適任者を探してくる方がよいのではないかと考えています。
「勝共連合の野望から日本を守る」という意味では、今回は、前川喜平さんというよりも、弁護士の紀藤正樹さんか、ジャーナリストの鈴木エイトさんに首班候補になっていただくのがよいのではないかと思います。
紀藤正樹弁護士か鈴木エイトさんに首班候補になっていただくにあたっては、比例代表の選挙で立憲民主党とれいわ新選組と社会民主党による「統一名簿」を作り、その比例単独1位として処遇します。
衆議院議員として当選するのはほぼ確実ですので、あとは特別国会の首班指名選挙において国会の指名を受けることができるかどうかという話になります。
首班指名選挙でめでたく内閣総理大臣に指名された場合には、総理大臣として4年間、政権運営に携わっていただきます。
総理就任後にどこかの時点で内閣不信任案が提出されて可決してしまった場合には、総辞職して内輪で次の総理大臣と交代することはせず、解散総選挙を選択して「選挙管理内閣」として職責を全うし、選挙で国民の審判を受けて新しい総理大臣を選ぶことを約束していただくことにします。
また、首班指名選挙で敗れた場合には、その時点で衆議院議員を辞職し、野党の他の候補者を繰り上げ当選させることで議席を返上し、元の自分の職業に戻ることを約束していただくことにします。そのような形にすると、「野党が政権を獲れた場合に、1期限定で総理大臣の職責を全うし、最長4年の時間をかけて〝暫定政権〟と〝選挙管理内閣〟としての役割を果たす」というルールで、「陣笠議員」のような仕事を一切行うことなく、まるで「大統領選の当落を決める」ような感じで「行政府の長」になれるかどうかの選挙に挑むスタイルになります。
8.比例区の「野党統一名簿」と小選挙区の「候補者一本化」を考える
あくまでも「仮に」という想定ですが、紀藤正樹弁護士に「野党共通の首班候補」の役を引き受けていただくことができたと仮定したうえで、「野党統一名簿」をどのように組むのかという比例名簿の暫定案を提示してみたいと思います。
北海道ブロック
比例1位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党)
比例n-2位:門別芳夫(れいわ新選組)
比例n-1位:豊巻絹子(社会民主党)
比例n位:れいわボランティアA(れいわ新選組)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
東北ブロック
比例1位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党)
比例n-2位:渡邉理明(れいわ新選組)
比例n-1位:久保孝喜(社会民主党)
比例n位:れいわボランティアB(れいわ新選組)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
北関東ブロック
比例1位:西美友加(れいわ新選組)
比例2位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党)
比例n-2位:池田万佐代(社会民主党)
比例n-1位:田島剛(れいわ新選組)
比例n位:れいわボランティアC(れいわ新選組)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
南関東ブロック
比例1位:多ケ谷亮(れいわ新選組)
比例2位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党)
比例n-3位:佐々木克己(社会民主党)
比例n-2位:木下隼(れいわ新選組)
比例n-1位:れいわボランティアD(れいわ新選組)
比例n位:れいわボランティアE(れいわ新選組)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
東京ブロック
比例1位:櫛渕万里(れいわ新選組)
比例2位:服部良一(社会民主党)
比例3位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党)
比例n-1位:中村美香子(れいわ新選組)
比例n位:れいわボランティアF(れいわ新選組)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
北陸信越ブロック
比例1位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党)
比例n-2位:辻村千尋(れいわ新選組)
比例n-1位:五十田裕子(社会民主党)
比例n位:れいわボランティアG(れいわ新選組)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
東海ブロック
比例1位:安井美沙子(れいわ新選組)
比例2位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党)
比例n-2位:平山良平(社会民主党)
比例n-1位:れいわボランティアH(れいわ新選組)
比例n位:れいわボランティアI(れいわ新選組)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
近畿ブロック
比例1位:大石晃子(れいわ新選組)
比例2位:大椿裕子(社会民主党)
比例3位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党)
比例n-3位:辻恵(れいわ新選組)
比例n-2位:長谷川羽衣子(れいわ新選組)
比例n-1位:八幡愛(れいわ新選組)
比例n位:れいわボランティアJ(れいわ新選組)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
中国ブロック
比例1位:紀藤正樹(野党共通首班候補)
比例2位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党)
比例n-2位:高井崇志(れいわ新選組)
比例n-1位:有田優子(社会民主党)
比例n位:れいわボランティアK(れいわ新選組)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
四国ブロック
比例1位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党)
比例n-1位:小泉敦(れいわ新選組)
比例n位:三野ハル子(社会民主党)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
九州ブロック
比例1位:大島九州男(れいわ新選組)
比例2位:小選挙区重複立候補者(立憲民主党・社会民主党)
比例n-2位:米永淳子(社会民主党)
比例n-1位:奥田芙美代(れいわ新選組)
比例n位:れいわボランティアL(れいわ新選組)
※「n」は比例名簿最下位を指す。
比例の「野党統一名簿」は立憲民主党・れいわ新選組・社会民主党の3党によるものですが、立憲民主党の候補者はすべて小選挙区と重複立候補、れいわ新選組の候補者はすべて比例単独、社会民主党の候補者は「オール沖縄」の新垣邦男さんのみ沖縄2区の小選挙区と重複立候補、その他の候補者はすべて比例単独で組んでいます。
ただし、立憲民主党の候補者のうち旧統一教会関連団体と関係があったとされる13名の議員については、比例の「野党統一名簿」には名前を載せず、小選挙区のみで戦ってもらう形をとる前提で考えています。
小選挙区の「一本化」についても考えると、共産党の候補に一本化した方がよさそうだと思われる選挙区は次の31選挙区です。
宮城4区:舩山由美
秋田3区:杉山彰
福島5区:熊谷智
栃木5区:岡村恵子
群馬5区:伊藤達也
千葉6区:浅野史子☆
東京12区:池内沙織☆
東京17区:新井杉生
東京20区:宮本徹☆
東京24区:吉川穂香
神奈川10区:畑野君枝☆
神奈川11区:林仲明
新潟2区:平あや子
富山3区:坂本洋史
石川2区:坂本浩
長野4区:長瀬由希子
岐阜2区:三尾圭司
愛知11区:板倉正文
滋賀3区:直山仁
京都1区:穀田恵二☆
大阪5区:宮本岳志☆
奈良3区:西川正克
和歌山3区:畑野良弘
鳥取1区:岡田正和
山口2区:松田一志
香川3区:尾崎淳一郎
愛媛2区:片岡朗
愛媛4区:西井直人
福岡8区:河野祥子
宮崎3区:松本隆
沖縄1区:赤嶺政賢☆
※候補者名の後に「☆」のついた選挙区は、私が独断と偏見で選んだ「重点区」
この31選挙区と社会民主党の新垣邦男さんがいる沖縄2区を除いた257選挙区で立憲民主党の候補に一本化すると仮定した場合には、小選挙区は次のような候補者の割り振りになります。
「市民連合」推薦小選挙区候補者内訳(出身政党別)
立憲民主党:257名
日本共産党: 31名(うち、重点候補7名)
社会民主党: 1名
れいわ新選組: 0名
実際には、無所属の議員が立候補する選挙区があったり、立憲民主党と共産党との間で調整がつかずに競合してしまう選挙区があったりするでしょうから、立憲民主党の候補者は数が減り、(私個人の願望としては増やしてほしくないですが、予想としては)共産党の候補者は数が増えることになるものと思われます。
社民党とれいわ新選組の支持者の方は、思うように小選挙区で候補者を立てられないことに憤りを感じられるかもしれませんが、比例区の状況を見ていただくと、だいぶ印象が変わってくるのではないかと思います。
「あたらしい政権準備委員会」(仮)推薦比例候補者内訳(出身政党別)
立憲民主党:244名
れいわ新選組:30名(うち、名簿上位者6名)
社会民主党: 12名(うち、名簿上位者2名)
前回の2021年の衆院選で、れいわ新選組の比例当選者は3名(得票は実質4名分)、社会民主党の比例当選者は0名ですので、比例での当選がほぼ確実に見込めそうな名簿上位者を6名あるいは2名それぞれ確保できれば、条件としては満足できるのではないかと思います。
また、立憲民主党にとっても、小選挙区での競合が極力少なくなることで当選確率が上がり、比例区もれいわ新選組や社民党がそれぞれ単体で挑んだ場合に「死票」になっていた票を「統一名簿」に集約して有効活用することができるので当選確率が上がるというメリットがあります。
小選挙区も比例区も2021年の衆院選と2022年の参院選のデータを基に私が機械的に組んだ割り振りですので、上記のリストには政治活動から身を引いておられる方のお名前が挙がっている可能性もありますし、実際の細かいところはしっかり調整していかないと難しいと思いますが、大まかな趨勢を考えていただく参考としては、こうした手法の有効性を確認していただければと思います。
「小選挙区比例代表並立制」というのは振れ幅の大きな選挙制度で、もし「野党共闘」の側に風が吹けば、地滑り的な圧勝ができるケースも考えられます。
2005年の自民党や、2017年の立憲民主党は、小選挙区で勝ち過ぎて、比例区の候補者が足りなくなって他党に議席を譲らなければならなくなるぐらいに風が吹きました。
もし年内に解散総選挙があるとしたら、立憲民主党が257名、れいわ新選組が30名、社民党が12名の当選者を出せるくらいに大勝することを狙っていくべきです。
野党側で参議院の過半数が取れていないことを考慮すれば、本気で政権運営のことを考えるなら、衆議院は野党全体で3分の2の「310議席」を取ることを目指す必要があります。
比例名簿の中に「れいわボランティア」という枠が12名分入っていますが、これは、2005年の郵政選挙の際に自民党で起きた「杉村太蔵現象」の再現を狙ったものです。
比例名簿の下位であっても、小選挙区で候補者が次々に当選した場合には、思いもよらない形で比例区での当選の順番が巡ってくる可能性があります。
今度は野党の側が「杉村太蔵現象」を生じさせることができるように、大がかりなプロモーションを考えていきたいところです。
9.政治家の中から「首班候補」を選ぶなら?
仮に年内解散が行われるとすると、選挙まであまり時間がありません。
そういう意味では、民間の人材を説得して野党側の「首班候補」に担ぎ出すことは、実際問題として難しいかもしれません。
その場合には政治家の中から「首班候補」を選ぶしかないわけですが、具体的に誰を「首班候補」にするのがよさそうか、考えてみたいと思います。
まず、「野党統一名簿」として活用する目的で、立憲民主党とれいわ新選組から3人ずつの政治家が合流して、新党「立憲かいしん党」を作ります。
「立憲かいしん党」(略称:立憲)
代表:亀井亜紀子(立憲民主党前衆議院議員)
代表代行:小沢一郎(立憲民主党衆議院議員)
参議院幹事長:青木愛(立憲民主党参議院議員)
幹事長:櫛渕万里(れいわ新選組衆議院議員)
政調会長:大石晃子(れいわ新選組衆議院議員)
国会対策委員長:多ケ谷亮(れいわ新選組衆議院議員)
2009年に自民党から民主党への政権交代が起きたのは、その前に民主党と自由党が合併した「民自合併」があったことが大きな要因の一つとして挙げられます。
そのことを部分的に再現するような形で、立憲民主党とれいわ新選組が国会議員を数人送り出して「立憲かいしん党」を作り、それを比例代表の「野党統一名簿」の政党名として、立憲民主党・れいわ新選組・社会民主党の3党が一つの塊になって総選挙に臨む、というのがこの構想です。
れいわ新選組は、現有8名の国会議員のうち衆議院議員3名を「立憲かいしん党」に送り出す形になりますが、それでも残りの5名の参議院議員だけで政党要件は維持できますし、政調会長には長谷川羽衣子さんを、国会対策委員長には水道橋博士を起用すれば、党の運営も滞りなく行えるのではないかと思います。
そして、立憲民主党からは、小沢一郎さんが、小沢チルドレンの青木愛さんを引き連れて、野党共通の首班候補として亀井亜紀子さんを「立憲かいしん党」の代表に担ぎ出します。
1993年の自民党から日本新党への政権交代の時も、2009年の自民党から民主党への政権交代の時も、それを実質的にプロデュースしたのは小沢一郎さんでした。
やはり、2022年の今のこの場面も、小沢一郎さんの出番の時なのではないでしょうか。
野党共通の首班候補を亀井亜紀子さんにしているのには理由があります。
1993年の政権交代では日本新党の細川護熙さんが首班に、2009年の政権交代では民主党の鳩山由紀夫さんが首班に選ばれました。
「〝自民党〟というブランド」の壁を打ち破って「政権交代」を実現することができたのは、「細川さんや鳩山さんの家柄」という「別の権威」の力が作用していたという側面があるのではないでしょうか。
21世紀にもなって「家柄」という話を持ち出すのは、「法の下の平等」という観点からはあまり感心できないことではありますが、とはいえ、今の日本の人口構成を考えると、保守的な高齢の有権者の方々にある程度納得していただけるような「錦の御旗」的なものを持ち出さないと、「自民党を下野させての政権交代」という一大事業を成就させるのは、極めて難しいのではないかと思います。
亀井亜紀子さんは旧津和野藩主の亀井家の子孫で、皇族の北白川宮能久親王や明治の元勲の岩倉具視とも親戚関係にある家柄です。保守的な高齢の有権者を惹きつける人材としてはうってつけだと思います。
また、リベラルな考えを持つ若年世代に対しては、「日本初の女性総理を誕生させよう」という側面をアピールすることで、支持の拡大を期待できるのではないでしょうか。
小沢一郎さんが、立憲民主党の泉代表、日本共産党の志位委員長、れいわ新選組の山本代表、社会民主党の福島党首に事前に話を通したうえで、「立憲かいしん党」を立ち上げて亀井亜紀子さんを野党共通の首班候補に推すなら、政権交代の可能性に期待できそうな雰囲気が醸成されてくることでしょう。
10.決戦は「中国ブロック」
亀井亜紀子さんを野党共通の首班候補に推すメリットは、亀井亜紀子さんの選挙区が細田博之衆議院議長のいる島根1区であるという点にもあります。「勝共連合vs野党共闘」という対立軸を打ち出すにはうってつけの選挙区と言えます。
「マザームーン」こと統一教会の韓鶴子総裁には「国家復帰」という野望があり、最終的には人類を統一教会の教祖夫妻に侍る存在にする、まず手始めに日本国の指導者を「真の父母」(教祖夫妻)の主管の下に置くという目標を教団関係者に指示しています。
次期衆院選は、日本国民が統一教会の韓鶴子総裁を「真の母」として崇めて「エバ国家」への道を歩んでいくか、亀井亜紀子さんを日本初の女性総理に選んで「平和国家」の道を歩んでいくかの「鶴か亀かの政権選択選挙」になります。
次期衆院選の決戦場は「中国ブロック」です。
島根1区には細田博之衆議院議長が、広島1区には岸田文雄総理がいて、三権の長のうち2人がこの「中国ブロック」に集中しており、おまけに、亡くなられた安倍晋三元総理のお膝元の山口4区もあります。
この「島根1区」と「広島1区」と「山口4区」を注目選挙区にすることで、衆院選における対立軸と対決姿勢を浮き彫りにしていくべきだと考えます。
島根1区は亀井亜紀子さんでいくとして、広島1区については、立憲民主党から森ゆうこさんを刺客として送り込んではどうでしょうか。
森ゆうこさんが新潟から動けないと言うなら、れいわ新選組から、大阪の八幡愛さんを刺客として送り込んで、八幡おかん&八幡愛の「八幡母娘」と岸田文雄&岸田翔太郎の「岸田父子」の親子ペア対決を争点に、「庶民vsエスタブリッシュメント」の対立を浮き彫りにした選挙戦を展開してはどうかと思います。
山口4区は、立憲民主党が候補者を出すなら、安倍晋三元総理の下でかつて秘書を務めていた秋山賢治さん、れいわ新選組から候補者を出すなら、前回の衆院選に野党統一候補として出馬した竹村克司さんということになろうかと思います。(ちなみに、竹村克司さんは下関市議会議員選挙への出馬を表明しておられますが。)
いずれにしても、次期衆院選のスローガンは、これです。
「鶴か亀かの政権選択選挙」
「勝共連合の野望から日本を守る」
「自公統一候補に票を入れちゃダメ!」
「今回だけは立憲に」
「自民党に4年間のリハビリを」
11.みなさまからのコメントの投稿に期待します
次期衆院選の時期に関して、前回の記事では来年以降になる可能性が高いと想定して、みなさまからのご意見の募集を年末年始の12月と1月で行いたいという予告をさせていただきました。
しかし、事によると年内解散もあり得るという観測があがってきていますので、予定を変更して、11月の間に随時みなさまよりご意見をいただきたいと考えております。
政党や政治家に対して言いたいことでも結構ですし、SAMEJIMA TIMESや鮫島さんや私「憲法9条変えさせないよ」に対するご意見でも結構ですので、コメント欄に今みなさんが思うことをお寄せください。
あなたのご意見でSAMEJIMA TIMESの論調が変わってくるかもしれませんし、ひょっとすると、政党や政治家の今後の行動に、多少なりとも影響を与えられることがあるかもしれません。
みなさまからのコメントの投稿に期待いたしております。
12.トピックス:れいわ新選組天畠大輔さんの予算委員会での初質問
去る10月20日(木曜日)にれいわ新選組の天畠大輔さんが参議院予算委員会で初質問を行いました。
れいわ新選組支持 ペイフォワード52
この天畠大輔さんの国会質問は感動的ですらありましたが、このようなシーンを実現することができたのは、れいわ新選組の支持者やボランティアのみなさんが頑張って2019年の参院選で2議席を獲得し、2022年の参院選で3議席を獲得して参議院で合計5議席の議席を確保した努力の賜物です。
「参議院5議席」というのは結構大きな力で、このようにして少しずつ政治を変えていくことができるのだと実感することができた天畠大輔さんの国会質疑でした。
記事の文中に水道橋博士の名前が登場しますが、この記事は水道橋博士が病気療養(うつ病)のため休職することが公表される前の時点で執筆したものです。水道橋博士の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。