※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
0.共産党に関しての過去記事
1.統一地方選での退潮ムード
2.東の蕨市、西の大山崎町という希望
3.シンギュラリティと人類の未来について
4.衆院選の選挙戦略を考える
5.参院選の選挙戦略を考える
6.共産党のポスターに革命を!
7.トピックス①:れいわ新選組山本太郎代表懲罰動議その後
8.トピックス②:とにかく明るい安村さん外国特派員協会記者会見
9.トピックス③:プロ野球ネタ2件
0.共産党に関しての過去記事
「立憲野党私設応援団」の連載開始時に、立憲野党4党(立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社会民主党)に対する期待と不安について論考を行っていますので、まずは、その時の日本共産党に関する記事のURLを最初に載せて紹介しておきます。
1.統一地方選での退潮ムード
共産党は今年4月の統一地方選挙で大きく議席を減らし、マスコミ報道やSNS上において、志位委員長をはじめとする指導部に対する厳しい見方が広がりつつあります。
党首公選制などを主張した松竹伸幸さんや鈴木元さんに対して除名処分を下し、松竹さんらを擁護した南あわじ市議会議員の蛭子智彦さんを除籍とした件の悪影響が囁かれていますが、それゆえにかえって共産党の街宣では松竹さんらのことを公然と批判する事態につながり、一般有権者の共産党に対する忌避感をさらに強める作用をもたらしているように見受けられます。
また、松竹さんらを擁護している神谷貴行さん(ペンネーム:紙屋高雪さん)に対しても、共産党内部での圧力が強まってきているのではないかという話があります。
ちなみに、神谷貴行さんは、5年前の福岡市長選挙において、歴代の共産党公認・推薦の単独候補の中で最多得票を獲得し善戦したという経歴を持つ人物です。
共産党の選挙における得票の浮き沈みの歴史に関しては、統一地方選挙の前にすでに三春充希さんが分析を行い、重要な傾向について指摘しています。
三春さんは、共産党に投票する支持者を「固定支持層」と「リベラル左派浮動層」の2つに分類したうえで、1980年以降「固定支持層」が長期的に見て減少傾向にあることと、それとは別に「リベラル左派浮動層」から「たしかな野党」としての役割を期待する共産党への投票が盛り上がる現象が幾度か発生した事例について明らかにしています。
その事例とは、日本社会党が解体(社会民主党へ移行)したことに伴う1996年衆院選および1998年参院選での共産党の得票数の増加と、民主党が政権を失って下野してからの2013年参院選および2014年衆院選での共産党の得票数の増加です。
その中でも特に1998年参院選では、日本共産党の歴史上最多得票となる熱い支持を有権者から受けています。
そうした意味においては、野党第一党の立憲民主党に対する有権者の失望感が広がっている今の政治状況は、共産党にとって「追い風」に転化しうる可能性を秘めているというふうに捉えることもできます。
2.東の蕨市、西の大山崎町という希望
「退潮ムード」と言われる共産党の現状においても、希望が見いだせる地域は存在しています。
その例としては、共産党系の市長がいる蕨市と、共産党系の町長がいる大山崎町の2つが挙げられます。
蕨市と大山崎町の事例は、地方行政における日本共産党の行政担当能力を端的に証明する好事例となっています。
3.シンギュラリティと人類の未来について
共産党はもともと「資本主義」の世の中にピリオドを打ち、「社会主義」そして「共産主義」の世の中へとシフトすることを目標として政治活動を行う政党であり、現在でも究極的には選挙を通じて「資本主義を終わらせる革命」を実現することをビジョンとして掲げる政党です。
しかし、米ソ冷戦の終結後、そうした「革命」を志向する考え方は、一般的には荒唐無稽なものとして受け止められがちでした。
ですが、時は流れ、21世紀の世の中において、人工知能(AI)が人類の生産力に根本的な変化をもたらし、生産関係をはじめとする社会関係に大きな変革をもたらす可能性が意識される状況になってきました。
人工知能(AI)の能力が人類の能力を超える「シンギュラリティ」(技術的特異点)を迎えた後の人類の未来がどのような方向へ向かって進んでいくのか、素人である私の個人的な直観としては、およそ3つの方向性のシナリオが考えられるのではないかと捉えています。
シナリオ①:人工知能(AI)の発達により人類の生産力が飛躍的に発展し、みんなに平等に「豊かな社会」がもたらされる(「ユートピア」シナリオ)
シナリオ②:人工知能(AI)がもたらす富が人工知能(AI)を所有する一部の人々に偏在化し、一握りの富裕層と多くの非支配層に分断される「悲劇の社会」がもたらされる(「ディストピア」シナリオA)
シナリオ③:人工知能(AI)が一握りの富裕層を含む全人類を実質的に支配するようになり、人類全体が(そのことを自覚的に意識できるかどうかは別として)人工知能(AI)によって完全に支配される「究極の奴隷社会」がもたらされる(「ディストピア」シナリオB)
私が挙げた3つのシナリオ以外にも、様々な可能性が考えられると思いますが、人工知能(AI)がもたらす社会の変化や文明の変化について歴史的・哲学的な考察を進めていくことができる政党としては、やはり、「日本共産党」の存在を挙げるべきなのではないでしょうか。
今後、日本共産党は、シンギュラリティ(技術的特異点)とそれがもたらす人類の社会の変化について、様々な観点から検討・考察を行い、すべての人に幸福をもたらす「豊かな社会」の実現に向けて、具体的な政策を作っていくべきだと思います。
なお、人工知能(AI)の発達に関する専門家の「仮説的な議論」を基にしたテレ東の解説動画がありますので、より信頼できる議論を確認したい方は、こちらの動画をご参照ください。
4.衆院選の選挙戦略を考える
次期衆院選の共産党の予定候補に関して発表があり、現参議院議員の田村智子さんが比例東京ブロックから、元参議院議員の辰巳孝太郎さんが比例近畿ブロックから出馬し、国会対策委員長の穀田恵二さんは次期衆院選には出馬せず今期限りで引退することが決まりました。
今後の注目は小選挙区での候補者擁立がどうなるのかということですが、「野党共闘を行うべき」という考え方と、「積極的に独自候補を擁立すべき」という考え方が存在し、それぞれ多くの意見がSNS上で表明されています。
次期衆院選における共産党の小選挙区候補者擁立の方向性は、大きく言って次の4つのパターンが考えられると思います。
パターン①:289すべての小選挙区に独自候補を擁立する
パターン②:2021年衆院選で立憲民主党と社会民主党の候補者が小選挙区から当選した58の選挙区を除く231の小選挙区に独自候補を擁立する
パターン③:他党の現職候補の有無にかかわらず、共産党の側の都合で選挙区を選び、全体で100~200程度の小選挙区に独自候補を擁立する
パターン④:立憲民主党が候補者を立てる予定の200選挙区と社会民主党が候補者を立てる予定の1選挙区を除く88の小選挙区に独自候補を擁立する
2021年衆院選における「野党共闘」が(「オール沖縄」を除いて)限りなく「立憲民主党への無償奉仕」に近かった実態をふまえて考えれば、次期衆院選における共産党の小選挙区候補者擁立の方向性をどうするかは、まさに共産党の党員の方々や支持者の方々にとって一番納得がいく内容を選択していくという形で進めていくしかないのではないかと思います。
「自民党の獲得議席を最小化すること」を重視するのか「共産党の獲得議席を最大化すること」を重視するのかによって、「最適解」は変わってきます。
あとはもう、共産党のみなさんの考え方次第です。
5.参院選の選挙戦略を考える
次期衆院選がいつ行われるのか分からないのと比べて、次期参院選が2025年の夏に行われることははっきりしており、その選挙戦略を考えることは、非常に重要です。
まずは、2019年参院選で選挙区から当選した共産党の参議院議員の顔ぶれを確認してみましょう。
2019年参院選日本共産党選挙区当選議員
東京選挙区(6人区):吉良佳子
埼玉選挙区(4人区):伊藤岳
京都選挙区(2人区):倉林明子
この3つの選挙区のうち、2022年参院選で議席を確保することができているのは東京選挙区ただ1箇所のみであり、次の2025年参院選で埼玉選挙区と京都選挙区の議席を確保できるかどうかは、共産党の今後の趨勢を占う上で非常に重要になってきます。
特に、京都選挙区は「2人区」ということで条件も厳しく、また、京都は「松竹氏除名問題」の震源地でもあることから、ここでの議席の確保ができるかどうかは、非常に大きな分かれ目となります。
埼玉選挙区(4人区)は近隣の神奈川選挙区(4人区)と千葉選挙区(3人区)を、京都選挙区(2人区)は近隣の大阪選挙区(4人区)と兵庫選挙区(3人区)を取引材料にして、立憲民主党やれいわ新選組や社会民主党と、お互いどこかの選挙区で候補者を降ろす形での「候補者調整」を進めていくしかないのではないでしょうか。
辰巳孝太郎さんの衆院選出馬が決まりましたので、参議院大阪選挙区に関しては「他党の候補者に譲る」という形がとりやすくなったのではないかと思います。
共産党は、このカードを最大限有効に使って、参議院京都選挙区での議席の確保を図っていくべきだと思います。
6.共産党のポスターに革命を!
共産党の「指導部刷新」を行うことはすぐには難しいかもしれませんが、次期衆院選に向けて、「ポスターに革命(revolution)を」もたらすことは、比較的すぐにできることなのではないかと思います。
共産党を「サステナブル」(持続可能)な政党にするためにも、志位委員長のポスターは「revolve」(回転)させて、裏紙にして有効活用するべきです。
それでは、志位委員長のポスターの代わりに、どのポスターを新しく貼るべきなのか?
それは、これです。
街にある共産党の掲示板にはポスターがたくさん貼られていますが、今すぐ「吉田紋華&田村智子2連ポスター」を大増刷して、全国津々浦々に貼っていくべきです。
志位委員長のポスターに代えて「吉田紋華&田村智子2連ポスター」を貼るようにすれば、掲示板の雰囲気や、有権者の見る目もかなり変わってくるでしょう。
吉田紋華さんは、今年の統一地方選挙で初当選を果たした全国最年少の県議会議員です。
NHKでも特集が組まれました。
ちなみに、三重県議会議員の吉田紋華さんと行動を共にしている中野裕子さんは、津市議会議員で、もともと「れいわ新選組を応援する若者」だったのが、(大石晃子さん曰く)「なんだかんだあって」共産党の市議になったという経歴の持ち主です。
「いざ衆院選」となった場合には、共産党は吉田紋華さんと中野裕子さんのコンビで「選挙応援キャラバン」を行い、三重県内に限らず、全国の重点選挙区を回っていくようにしたらよいのではないでしょうか。
吉田紋華さんには「全国最年少県議」という看板があります。
これを最大限有効活用して、若者を中心に各世代の支持者の新規開拓を行っていけば、共産党にも明るい未来が拓けてくるのではないかと思います。
7.トピックス①:れいわ新選組山本太郎代表懲罰動議その後
出入国管理法改正案が参議院法務委員会で強行採決された際にれいわ新選組の山本太郎代表が委員長席に向かって「命のダイブ」を敢行したことに対する懲罰動議の件ですが、これは通常国会の会期末で「審議未了」という取扱いになりました。
それに伴って、山本太郎さんの「幻の懲罰弁明原稿」がれいわ新選組ホームページに公開されました。
8.トピックス②:とにかく明るい安村さん外国特派員協会記者会見
「安心してください。はいてますよ(Don’t worry. I’m wearing.)」のネタでイギリスの人気番組「Britain’s Got Talent」に出演して日本人初の決勝進出を果たし話題となった「とにかく明るい安村」さんですが、その後、外国特派員協会で記者会見を行い、また、駐日イギリス大使館でのチャールズ3世国王陛下誕生及び戴冠式祝賀会に招待される、といったことがあったようですので、その模様を紹介します。
9.トピックス③:プロ野球ネタ2件
最後に、プロ野球ネタを2つ。
セ・リーグでは、6月25日(日曜日)に阪神がDeNAとの首位攻防戦で3連敗して首位陥落し、SNS上で阪神の岡田監督に対する批判の声があふれ、ツイッターで「#岡田やめろ」がトレンドにあがりました。
ツイッターのトレンドを見て、「阪神の岡田彰布監督」ではなく「立憲民主党の岡田克也幹事長」のことだと勘違いした人も少なくなかったようです。
一方、パ・リーグでは、ファイターズガールの「ポロリ」動画が話題となりました。
パーソル パ・リーグTV 公式 おもいっきり「ポロリ」してるんですけど…
憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。