政治を斬る!

立憲野党私設応援団(64)山本太郎の東京都知事選電撃出馬は「あり」か「なし」か?〜憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。


<目次>

1.「4年に一度の政治の祭典」と化した東京都知事選に出馬するのは誰か?

2.小池百合子が出馬する場合に、山本太郎の出馬は「あり」か「なし」か?

3.小池百合子が不出馬の場合に、山本太郎の出馬は「あり」か「なし」か?

4.トピックス①:とにかく明るい安村さん、アメリカに行ってパンツを脱ぐ

5.トピックス②:大石晃子さん、NHKで「裏金維持法」コメント放送される

6.トピックス③:厚生労働省「保険証の規定を削除する」ことについてパブリックコメント募集中(2024年6月22日まで)


1.「4年に一度の政治の祭典」と化した東京都知事選に出馬するのは誰か?

今年は「4年に一度の政治の祭典」東京都知事選がある年です。

すでに30人を超える候補者の出馬が予測されています。

私が原稿を執筆している時点では現職の東京都知事の小池百合子さんはまだ正式な出馬表明をしていませんが、立憲民主党参議院議員の蓮舫さんが出馬を表明したことで、ネット上では「Xトレンド」(旧twitterトレンド)を賑わせています。

こうした状況の中で、れいわ新選組代表の山本太郎さんが「後出しジャンケン」で東京都知事選に電撃出馬するのは「あり」なのか「なし」なのか、私の独断と偏見で議論を進めていきたいと思います。

2.小池百合子が出馬する場合に、山本太郎の出馬は「あり」か「なし」か?

もし現職の東京都知事の小池百合子さんが出馬する場合には、今回の東京都知事選は「小池vs蓮舫」の事実上の一騎打ちになるものと思われます。

その場合の票の分かれ方を、2022年の参院選の各候補の得票数を目安に見ていきます。

小池百合子vs蓮舫(2022年参院選東京選挙区獲得票数を用いた分析)

小池応援チーム蓮舫応援チーム
朝日健太郎(自民党)922,793山添拓(共産党)685,224
竹谷とし子(公明党)742,968蓮舫(立憲民主党)670,339
生稲晃子(自民党)619,792山本太郎(れいわ)565,925
乙武洋匡(無所属)322,904松尾明弘(立憲民主党)372,064
荒木千陽(ファーストの会)284,629服部良一(社民党)59,365
合  計2,893,086合  計2,352,917

SAMEJIMA TIMES主筆の鮫島浩さんが指摘している通り、小池百合子さんが持つ「基礎票」の目安は約289万票、蓮舫さんが持つ「基礎票」の目安は約235万票だと考えられます。

この数字は一見すると現職の小池都知事有利に見えますが、もし「小池応援チーム」の有権者の約9%にあたる「270,085人」が寝返って「蓮舫応援チーム」に投票すれば逆転する数字であり、今の「自民党への逆風」と「立憲民主党への追い風」を考慮に入れるなら、逆転は決して起こり得ないものではないと思われます。

しかし、ここでもし山本太郎さんが電撃出馬してしまうと、「蓮舫応援チーム」から約60万票弱の票が消えてしまうこととなり、「基礎票」の時点で100万票以上の差がついて、「小池応援チーム」の優勢が際立つこととなります。

また、小池百合子さんが出馬するケースというのは、少なくとも事前の情勢調査を行ったうえで小池陣営の側から見て「十分勝てる」と判断した場合にのみに生じる事象なので、小池百合子さんが出馬表明をした後に山本太郎さんが電撃出馬をすれば、その時点で小池都知事の3選がほぼ決まるような流れになるでしょう。

そうなれば、「小池百合子の3選を許したのは、『野党共闘』をぶっ壊した山本太郎の責任だ!」という話になり、いわゆる「野党共闘」支持の有権者かられいわ新選組や山本太郎に対する怨嗟の声が次々に湧き上がってくるに違いありません。

それどころか、れいわ新選組が独自候補を出さず、また、他のどの候補の支持も表明せず、「自主投票」にした場合でも、蓮舫さんが小池さんに敗れた場合には、「れいわ新選組が協力しなかったのが悪い」という話になって、「戦犯」扱いされるに違いありません。

従って、結論としては、小池百合子東京都知事が3選出馬する場合には、山本太郎さんの電撃出馬は「なし」で、れいわ新選組は「小池vs蓮舫の選挙戦の構図を考えると、今回の東京都知事選は蓮舫支持」として、はっきり「蓮舫支持」を打ち出すしかないのではないか、と私は考えます。

3.小池百合子が不出馬の場合に、山本太郎の出馬は「あり」か「なし」か?

逆に、現職の東京都知事の小池百合子さんが出馬を断念する場合には、今回の東京都知事選の本命候補に「蓮舫」の名前が浮かび上がってくることになります。

その場合に、れいわ新選組代表の山本太郎さんが「後出しジャンケン」で東京都知事選に電撃出馬するのは「あり」なのか「なし」なのか、考えていきましょう。

常識的なものの見方をするならば、参議院議員の山本太郎さんが東京都知事選に立候補することにはマイナス面が多く、出馬を見送って静観するのが穏当だという話になります。

山本太郎が東京都知事選に出馬する場合のデメリット

①れいわ新選組の参議院議員が5名から4名に減り、参議院予算委員会の委員の座を失う

②参議院議員の任期途中で鞍替え出馬をすることで、「無責任だ」との批判の声があがる

③蓮舫と山本太郎が同時に東京都知事選に出馬することで欠員が2名生じ、参議院東京選挙区で補欠選挙が実施されることになる

しかし、ここはあえて、「山本太郎の東京都知事選出馬は『あり』だ!」と主張してみたいと思います。

もし小池百合子さんが土壇場で逃げ出す形で出馬を断念した場合には、自民党も候補者を出せずに「国政与党の自民党も都政与党の都民ファーストも候補者を擁立しない」という異様な構図の選挙戦になり、「次の都知事は蓮舫でよいのか?」ということが争点に浮かび上がる選挙戦に様変わりしてしまいます。

SAMEJIMA TIMES【都知事選】女帝小池百合子、出る出ない?蓮舫も自民もマスコミも困惑させる究極の「じらし作戦」の思惑(「小池百合子不出馬の場合」頭出し済)

SAMEJIMA TIMES主筆の鮫島浩さんの指摘によれば、小池都知事が不出馬の場合には、対抗馬だったはずの蓮舫さんが一人ポツンと取り残される形になり、そこに後から「第3の候補」が現れて注目を集めることになる可能性が考えられるといいます。

そこでれいわ新選組代表の山本太郎さんが小池百合子でも蓮舫でもない「第3の候補」として「後出しジャンケン」で立候補するなら、「蓮舫が東京都知事になるのは嫌だ!」という人々の投票先の受け皿になれる可能性があるのではないでしょうか。

もちろん、れいわ新選組単独で東京都知事選を勝ち抜くのは難しいかもしれませんが、例えば公明党と手を組めるとしたらどうでしょうか。情勢が一変するのではないでしょうか。

蓮舫vs山本太郎(2022年参院選東京選挙区獲得票数を用いた分析)

蓮舫応援チーム太郎応援チーム
山添拓(共産党)685,224竹谷とし子(公明党)742,968
蓮舫(立憲民主党)670,339山本太郎(れいわ)565,925
松尾明弘(立憲民主党)372,064

服部良一(社民党)59,365

合  計1,786,992合  計1,308,893

この場合には、蓮舫さんが持つ「基礎票」の目安は約179万票、山本太郎さんが持つ「基礎票」の目安は約131万票だと考えられます。

この数字は一見すると蓮舫さんが有利に見えますが、その差は約48万票に過ぎません。2022年参院選では自民党候補に投票した有権者が「1,542,585人」いますので、仮にその3分の1の「514,195人」が投票を棄権し、同じく3分の1の「514,195人」が投票用紙に「田母神俊雄」の名前を書き、同じく3分の1の「514,195人」が投票用紙に「山本太郎」の名前を書いたと仮定しましょう。

すると、たちまち形勢は逆転して蓮舫さんは「2位」にとどまり、山本太郎さんが「1位」を取って東京都知事に当選できる計算になります。

読者のみなさんは「『公明党と手を組む』といっても、そんな方法があるのか?」と思われるかもしれませんが、実は、れいわ新選組の側に、切るカードが全くないわけではないのです。

それは、「衆議院の大阪府内の小選挙区で、公明党の現職の議員がいる選挙区には、れいわ新選組は候補者を立てず、公明党の現職候補を応援する」ようにして、その代わりに「東京都知事選では公明党が山本太郎を応援する」ことを持ちかけ、バーターを成立させるという方法です。

つまり、「大石晃子さんが衆院選大阪5区からの出馬を取り下げて比例単独に回り、その代わりに東京都知事選で公明党に山本太郎さんを応援してもらう」ということです。

2019年のれいわ新選組旗揚げの際の「れいわ祭2」で、「創価学会大集合」というのがありましたが、あれをまた5年ぶりにやったらいいんじゃないかと思います。

れいわ新選組れいわ祭2新橋駅SL広場 「創価学会大集合in新橋」頭出し済

2019年の参院選東京選挙区では「公明党・山口なっちゃんと大人のガチンコ対決」をやりましたが、今度は2024年の東京都知事選で「公明党と大人の紳士協定を結んで、蓮舫さんとガチンコ対決」をやるわけです。

れいわ新選組の側の大義名分としては、「大阪で維新の横暴を許さない!メタンガス爆発の大阪万博にNO!」ということで、維新の新人候補の小選挙区での当選を阻止するために公明党の現職の衆議院議員がいる大阪府内の選挙区で公明党の現職候補への支持を打ち出すことを検討できるのではないかと思います。

公明党の側の動機づけとしては、「常勝関西」の小選挙区で議席を死守したいという思いは強いでしょうし、また、東京都政で共産党が与党になることを阻止して、公明党が都政で与党的な立場を維持したいという思いもあるでしょうから、現職都知事の小池百合子さんに土壇場でトンズラされた場合には、喉から手が出るほど「都知事候補」が欲しいと思うはずなので、取引が成立する可能性も十分考えられるのではないでしょうか。

選挙公約には、公明党の方々が大好きな「商品券配布」の政策を盛り込んだうえで、れいわ新選組がやりたい「暮らしを守る積極財政」の政策をてんこ盛りで掲げて、「行財政改革による歳出削減」に重きを置く蓮舫さんの政策にアンチテーゼをぶつけて正面から論争していけばよいのではないかと思います。

れいわ新選組の政策を世の中に広めていくためには、まずはモデル地区を作って「やってみせる」ことが重要です。

2023年2月17日 雨宮処凛×鮫島浩 塚田ひさこ豊島区議決起大会(よだかれんも登場)豊島区から政治改革を!れいわ新選組は「やってみせる」モデル地区を作れ!

もし山本太郎さんが東京都知事に当選して、東京都を丸ごと「れいわ新選組の政策のモデル地区」にすることができたとしたら、れいわ新選組が掲げる政策に対する理解や親近感が短期間の間に醸成されていくでしょう。

仮に都議会の反対で最初はなかなか政策が前に進まないとしても、2025年にある東京都議会議員選挙で各選挙区に候補者を立てて臨めば、東京でのれいわ新選組の支持基盤の確立を一気に進めることができると思います。

山本太郎さんが2024年から2期8年都知事を務めて、それから国政に復帰するなら、2030年代の前半には、山本太郎さんが有力な総理大臣候補として、今よりもはるかに注目を浴びる形で、多くの人々から期待を集めることになるのではないでしょうか。

「山本太郎総理誕生」を一日も早く実現するためにも、東京都知事の座を目指す方が、遠回りのように見えて、かえって近道なのではないかと思います。

従って、小池百合子東京都知事が3選出馬を見送る場合には、山本太郎さんの電撃出馬は「あり」だと、私は考えます。

東京都知事選で「山本太郎vs蓮舫」の選挙戦が実現して、「積極財政vs緊縮財政」の政策論争が繰り広げられることを、大いに期待しています。

4.トピックス①:とにかく明るい安村さん、アメリカに行ってパンツを脱ぐ

タレントのとにかく明るい安村さんがアメリカの「America’s Got Talent」に出演し、なんと、パンツを脱いでしまいました!

5.トピックス②:大石晃子さん、NHKで「裏金維持法」コメント放送される

政治資金規正法改正案が衆議院可決通過した際に、れいわ新選組共同代表の大石晃子さんの「裏金維持法」とのコメントがNHKのニュースで流れ、ネット上では「流行語大賞ノミネートで」と大きな盛り上がりを見せました。

6.トピックス③:厚生労働省「保険証の規定を削除する」ことについてパブリックコメント募集中(2024年6月22日まで)

2024年6月22日(土曜日)必着の受付期限で、厚生労働省が「保険証の規定を削除する」ことについてのパブリックコメントを募集しています。

みなさま是非この情報を拡散していただき、また、期限までにサイトにアクセスして「規定を削除せずに維持して健康保険証を残してほしい」という旨のパブリックコメントを投稿してください。


憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。

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