※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
1.「無効票84票」という結果に終わった2024年の首班指名選挙
2.「『永田町秋の陣』(秋の臨時国会)で『政権交代』を!」という声が聞こえてこない体たらく
3.「自民党総裁選」に対抗して「首班指名選挙野党統一候補選抜クライマックスシリーズ」をやろう!
4.「政権交代」に自信がなければ「石破茂」か「野田聖子」を総理大臣にする
5.あくまでも「政権交代」を目指すなら「茂木敏充」か「斉藤鉄夫」を総理大臣にするシナリオも検討する
1.「無効票84票」という結果に終わった2024年の首班指名選挙
内閣総理大臣の石破茂さんが9月7日(日曜日)に記者会見で辞意を表明し、10月4日(土曜日)に自民党総裁選が実施されることと、その後の臨時国会で首班指名選挙が行われることが決まりました。
10月の中旬または下旬に実施されると思われる臨時国会の首班指名選挙に向けて、まずは昨年の特別国会での首班指名選挙の様子を振り返っておきましょう。
2024年10月の衆議院解散総選挙の後に開かれた特別国会での首班指名選挙は、総選挙で自公与党が過半数割れしたため、1994年以来30年ぶりの決選投票となりました。
決選投票では、自民党の石破茂さんが221票、立憲民主党の野田佳彦さんが160票、無効票が84票という結果になり、最終的に自民党の石破茂さんが内閣総理大臣に指名されることとなりました。
この「無効票84票」については、無効票を投じた日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組が無責任であるという批判や、野党をまとめきれなかった立憲民主党にリーダーシップが欠如しているといった批判が有権者の間から噴出しました。
特に、共産党の議員や支持者の方々は、首班指名選挙の決選投票で「野田佳彦」と書かなかった他の野党の対応を厳しく批判していました。
しかし、その共産党も、1993年の首班指名選挙の際には「自民にも非自民にも与しない」という立場を表明し、1994年に衆議院で行われた「村山富市vs海部俊樹」の決選投票の際には実際に無効票(白票)を投じ、さらに2012年に参議院で行われた「安倍晋三vs海江田万里」の決選投票の際にも無効票(白票)を投じています。
もし、立憲民主党が「政権交代」を本気で考えていたのなら、国民民主党の玉木雄一郎代表か、日本維新の会の馬場伸幸代表(当時)を首班に推すことを検討すべきでした。
国民民主党の玉木雄一郎代表を首班候補にしていれば、首班指名の決選投票での野党側の得票は少なくとも188票まで伸び、これに日本維新の会の38票が加われば、226票に達して「政権交代」を実現できていました。
あるいは、日本維新の会の馬場伸幸代表(当時)を首班候補にしていれば、首班指名の決選投票での野党側の得票は少なくとも198票まで伸び、これに国民民主党の28票が加われば、226票に達して「政権交代」を実現できていました。
「玉木雄一郎首班」で臨んだとしても、日本維新の会の協力がなければ「政権交代」は実現できないわけですが、その場合には「政権交代」を逃した「戦犯」は、日本維新の会ということになります。
同じように「馬場伸幸首班」で臨んだとしても、国民民主党の協力がなければ「政権交代」は実現できないわけですが、その場合には「政権交代」を逃した「戦犯」は、国民民主党ということになります。
「玉木雄一郎首班」でもなく、「馬場伸幸首班」でもなく、「野田佳彦首班」で首班指名選挙に臨んで敗れ、「政権交代」のチャンスを逃してしまった「戦犯」は、立憲民主党であると言わざるを得ません。
立憲民主党が「政権交代こそ、最大の政治改革。」と本気で考えていたのなら、「玉木雄一郎首班」か「馬場伸幸首班」で首班指名選挙に臨むべきでした。
それをしなかった立憲民主党は、「政権交代」を本気では目指しておらず、「政権交代こそ、最大の政治改革。」を衆院選のための単なるスローガンとしてしか考えていなかったのだと言わざるを得ません。
「政権交代」の可能性を本気で検討していたのは、「SAMEJIMA TIMES」だけでした。
SAMEJIMA TIMES【政権交代】自公政権を倒すのはこれだ!大躍進・国民民主党の玉木雄一郎を担ぐ野党連立政権のススメ~立憲民主党の野田佳彦では首班指名選挙に勝てない!1993年政界再編・細川護熙政権誕生に学べ
2.「『永田町秋の陣』(秋の臨時国会)で『政権交代』を!」という声が聞こえてこない体たらく
「無効票84票の首班指名選挙」からおよそ1年が経ち、国会で再び首班指名選挙が行われることになったわけですが、「『永田町秋の陣』(秋の臨時国会)で『政権交代』を!」という声は全くと言っていいほど聞こえてきません。
昨年の秋の時点の政治状況に比べて、現在の政治状況は、野党が首班指名選挙に勝って「政権交代」を果たすには有利な要素が揃っています。
「政権交代」に向けて野党側が有利な点
①衆議院で野党が過半数を握っている(自公与党が過半数割れしている)
②参議院で野党が過半数を握っている(自公与党が過半数割れしている)
③首相の辞意表明から首班指名選挙まで1ヵ月以上の日程的な余裕がある
これだけ有利な要素が揃っていて、野党どうしで事前に意見の擦り合わせを行える時間的な余裕があるにもかかわらず、「政権交代」が実現できないとすれば、野党の政治家たちはあまりにも無能だと言わざるを得ないでしょう。
こうした状況の中で、立憲民主党前幹事長の小川淳也さんは、幹事長職を退任する直前のタイミングで、「何党の誰であれ、総理大臣の指名選挙で無効票を投じるなら、議員辞職すべきだ」と発言しています。
昨年の「無効票84票の首班指名選挙」で石破政権の延命を許してしまったことについて、確かに維新や国民民主やれいわにも全く責任が無いとは言いませんが、一番に責任が問われるべきは立憲民主党の野田佳彦代表であり、次に責任が問われるべきは立憲民主党の小川淳也幹事長(当時)だと私は考えています。
まず、野田佳彦代表については、「国民の生活よりも自分の肩書きを優先する三流政治家」だと評さざるを得ません。
1993年に非自民連立政権が誕生した際には、当時の野党第一党(新しい政権では与党第一党)だった日本社会党の山花貞夫委員長は、自らの首班指名にはこだわらず、日本新党の細川護熙代表に政権首班の座を譲りました。
「自分が総理大臣になりたい」という気持ちを押し殺して「日本の政治の未来」のことを思って政権首班の座を他党党首に譲った山花貞夫委員長の決断は、大いに称賛されるべきだと思います。
それに対して、「政権首班の座を他党党首に譲る」という決断ができなかった野田佳彦代表は、自分の都合しか考えない三流政治家だと言わざるを得ません。
次に、小川淳也幹事長(当時)ですが、昨年の時点での小川淳也幹事長の年齢は53歳、1993年の政権交代の際の新生党の小沢一郎幹事長の年齢は51歳でした。
1993年当時の新生党の小沢一郎幹事長が非自民・非共産の野党8党派を「細川護熙首班」でまとめあげて首班指名選挙に臨んで「政権交代」を実現したのに対し、2024年の立憲民主党の小川淳也幹事長は立憲民主党と共産党以外の野党にそっぽを向かれた状態のまま見切り発車で「野田佳彦首班」で首班指名選挙に臨み、「無効票84票」であえなく自公政権の存続を許してしまいました。
「無効票84票」を投じた他の野党の議員も、「自民党の『石破茂』の名前を書くわけにはいかないし、立憲民主党の『野田佳彦』の名前を書くわけにもいかない」という事情がそれぞれあったわけで、無効票を投じる行為自体はあまり望ましいとは言えないとはいえ、全く否定されるべきものでもないでしょう。
「野党連立政権」の政権公約や閣僚人事についての擦り合わせができて他の野党も「野田佳彦首班」に納得した状態で首班指名選挙に臨むのであれば「野田佳彦首班」自体が悪いとまでは言いませんが、それができていない状態で「野田佳彦首班」を押し通してしまうのは、野党第一党の責任放棄と言わざるを得ないのではないでしょうか。
3.「自民党総裁選」に対抗して「首班指名選挙野党統一候補選抜クライマックスシリーズ」をやろう!
それでは、「無効票84票の首班指名選挙」の失敗を繰り返さないために、令和7年の「永田町秋の陣」(秋の臨時国会)の首班指名選挙に向けてどのような取り組みを行っていくべきなのか。
私が提案したいのは、「首班指名選挙野党統一候補選抜クライマックスシリーズ」(仮称)の開催です。
プロ野球の「日本シリーズ」ではセリーグの代表チームとパリーグの代表チームが日本一の座を懸けて争いますが、国会の「首班指名選挙」も与党代表の首班候補と野党代表の首班候補が総理大臣の座を懸けて争うことになります。
自公与党が衆議院で過半数を占めている時は与党側の首班候補が国会の「首班指名選挙」でも自動的に勝つので、与党側の首班候補を決める「自民党総裁選」こそが「事実上の決勝戦」だったわけですが、自公与党が衆議院で過半数を失っている今では単なる「準決勝」に過ぎません。
そこで、プロ野球の「クライマックスシリーズ」のようなノリで、野党側も首班候補を選ぶ「準決勝」をやって盛り上げてはどうかと思うわけです。
テレビや新聞は「自民党総裁選」に首ったけになるでしょうから、ウェブメディアのほうは野党側に注目して「首班指名選挙野党統一候補選抜クライマックスシリーズ」(仮称)を企画してやってみたら面白いのではないでしょうか。
具体的にはこのようなイメージです。
「首班指名選挙野党統一候補選抜クライマックスシリーズ」(仮称)
1stステージ:無所属議員および野党各党の議員を順番に一人ずつウェブ番組のゲストに招いて「首班指名選挙」をテーマにインタビューする(自民党総裁選が始まる9月22日(月曜日)の前後から順次実施する)
2ndステージ:10月4日(土曜日)に自民党総裁選の結果が出た後の10月5日(日曜日)に「首班指名選挙の野党統一候補は誰がいいか?」という世論調査を全国規模で実施する
3rdステージ:世論調査の結果が出た後の10月6日(月曜日)の夜に無所属議員および野党各党の議員が一堂に会するウェブ討論番組を生放送して「どうなる首班指名選挙?野党は首班指名候補を一本化できるか?」をテーマに討論を実施する
もしウェブメディアがいくつか協力できるなら共同企画として、協力が難しい場合にはどこかの単独企画として、「自民党総裁選」に対抗する形でやったら、盛り上がるのではないかと思います。
まず1stステージでは、無所属議員と野党各党の議員に質問項目を事前に公開したうえで、次の3つの質問をします。
1stステージ:各党インタビュー質問
質問①:もしあなた(もしくはあなたの所属政党の党首)が野党統一首班候補になって国会で総理大臣に指名された場合には、どのような政策を実現したいですか?
質問②:もし首班指名選挙で自民党新総裁と他の野党党首(もしくは議員)が1位と2位になって決選投票になった場合には、決選投票に残った他の野党党首(もしくは議員)が誰であればその人の名前を書いてもいいと思いますか?
質問③:首班指名選挙の1回目または2回目の投票で、あなた(もしくはあなたの所属政党の国会議員)が自民党新総裁の名前を書いて投票する可能性はありますか?
無所属の議員や、少数政党の議員から始めて、だんだん中規模政党、そして野党第一党へとインタビューが順番に進んでいく形で、各野党の議員に順番に出演してもらいながら、自民党総裁選が佳境に入っていく9月22日から10月4日まで毎日盛り上げていくのです。
政党の議員に関しては、党首に出演してもらえれば一番いいですが、それが無理な場合には、幹事長か政調会長などの党幹部か、あるいは役職に就いていないヒラの国会議員の出演になってもいいと思います。
無所属の議員へのインタビューを9月22日(月曜日)に始めて、特に最初に泉房穂さんに番組出演してもらえれば、「果たして『救民内閣』は実現するのか?」みたいな話題で盛り上げることができるのではないかと思います。
そして、自民党総裁選の投開票日の前日の10月3日(金曜日)には、1stステージのインタビューの最後として野党第一党の立憲民主党の議員に番組出演してもらい、立憲民主党の回だけ時間を延長して、4つめの質問をします。
1stステージ:立憲民主党への4つめの質問
質問④:野党間の事前の協議で他の野党が立憲民主党代表の野田佳彦さんを野党統一首班候補にすることを拒んだ場合には、立憲民主党の議員が首班指名選挙の第1回の投票で他党の党首(もしくは議員)の名前を書くことも考えられますか?
1993年に「非自民連立政権」が誕生した時には、当時の日本社会党の国会議員が首班指名選挙の1回目から「細川護熙」という他党党首の名前を書いたわけで、その時の政治状況と現在の政治状況を比較しての議論が「1stステージ」の一番のヤマになると思います。
2024年秋の特別国会では、野党は「野党統一首班候補」を決めきれずに、決選投票で「無効票84票」を出して沈んでしまったわけですが、2025年秋の臨時国会では、野党は今年初当選した参議院議員の中から誰か一人を「野党統一首班候補」に選んで「救世主」にするのがよいのではないかと私は個人的に考えています。
2025年参院選:野党各党の主な初当選議員
○立憲民主党
・福士珠美(青森選挙区選出)
・山内佳菜子(宮崎選挙区選出)
○日本維新の会
・佐々木理江(大阪選挙区選出)
・新実彰平(京都選挙区選出)
○国民民主党
・牛田茉友(東京選挙区選出)
・奥村祥大(東京選挙区選出)
○れいわ新選組
・伊勢崎賢治(比例区選出)
・奥田芙美代(比例区選出)
○日本共産党
・白川容子(比例区選出)
○参政党
・塩入清香(さや)(東京選挙区選出)
・宮出千慧(大阪選挙区選出)
○日本保守党
・北村晴男(比例区選出)
・百田尚樹(比例区選出)
○社会民主党
・ラサール石井(比例区選出)
○チームみらい
・安野貴博(比例区選出)
○無所属
・泉房穂(兵庫選挙区選出)
・尾辻朋実(鹿児島選挙区選出)
10月4日(土曜日)は「自民党総裁選」の投開票でどこもお祭り騒ぎになるでしょうから、焦点は10月5日(日曜日)の全国世論調査で、有権者がどのような反応を示すかです。
2ndステージ:世論調査質問
10月4日(土曜日)に自民党の新しい総裁が選出されましたが、国会で行われる首班指名選挙では、自公与党が過半数割れし、野党が過半数を握っているため、野党各党が「野党統一首班候補」に合意した場合には、野党の首班候補が内閣総理大臣に指名される可能性があります。
そのことをふまえて、「野党統一首班候補」が選ばれるとすれば、あなたは誰が一番望ましいと思いますか?
質問①:野党各党の党首の中から「野党統一首班候補」が選ばれる場合には、誰が一番望ましいと思いますか?
質問②:先に行われた参院選で初当選した野党議員の中から「野党統一首班候補」が選ばれる場合には、誰が一番望ましいと思いますか?
このような世論調査を実施して、立憲民主党代表の野田佳彦さんや国民民主党の玉木雄一郎さんにどのくらいの割合の有権者からの支持が集まるのか、非常に興味があるところです。
ちなみに、私個人の意見としては、「野党統一首班候補」は野党各党の党首の中から選ぶよりも、今年の参院選で初当選した安野貴博さん、泉房穂さん、伊勢崎賢治さん、尾辻朋実さんの4人の中から誰か一人を選ぶほうが、各党がまとまりやすくなるのではないかと考えています。
さらに言えば、この4人のうち、伊勢崎賢治さんを「野党統一首班候補」にするのが一番望ましいだろうというのが私の考えです。
ただ、実際の世の中の意見としては、「玉木雄一郎がいい」とか「神谷宗幣がいい」とか「山本太郎がいい」といった意見が多くあるでしょうから、その支持割合を見てみたいということがまずはあります。
そのうえで、10月6日(月曜日)の夜に無所属議員および野党各党の議員が一堂に会して生討論を行うなら、非常に盛り上がるのではないでしょうか。
3rdステージ:討論会テーマ
「どうなる首班指名選挙?野党は首班指名候補を一本化できるか?」
このような一連のインタビュー番組、全国世論調査、生討論番組を企画するとすれば、費用もかかるだろうと思いますが、SAMEJIMA TIMESの鮫島浩さんとArc Timesの尾形聡彦さんと一月万冊の佐藤章さんが元朝日新聞「SOSトリオ」として連携して実行するとか、あるいは「デモクラシータイムス」や「エアレボリューション」が実行するなどして、「首班指名選挙野党統一候補選抜クライマックスシリーズ」(仮称)のようなウェブ番組が配信されれば、盛り上がるだろうになぁ、というのが一視聴者としての私の思うところです。
費用が足りなければ、クラウドファンディングでカンパを募るなどして、何とか実行できないものでしょうか?
鮫島さん!
4.「政権交代」に自信がなければ「石破茂」か「野田聖子」を総理大臣にする
政権交代の実現に向けて、何とかしてウェブメディアと野党支持者が協力して野党のお尻を叩いて前に進められないものか、と論考してきました。
しかし、いくらウェブメディアや野党支持者が盛り上げようとしても、実際には野党自身(特に野党第一党)が「政権は獲りたくない」とか「政権の運営に自信がない」とか「政権交代するよりも野党でいたい」と考えている場合には、根本的に「政権交代」は無理だということになります。
もしその場合には、首班指名選挙で野党が一致協力して「石破茂」の名前を書いて、石破政権を継続させるのがよいのではないかという意見が、野党支持者の間から出ています。
確かに、野党の側に政権運営の自信が持てないようなら、このまま「少数与党」の状態を継続したうえで、個別に政策の実現を図っていったほうがよいのかもしれません。
そういう意味では、野党は首班指名選挙で「石破茂」か「野田聖子」あるいは「高橋はるみ」といった自民党議員のうち誰か一人の名前をみんなでまとまって書いて、自民党の「総総分離」(総理大臣と自民党総裁を別の人物が担当する)を実現するというのも、一つの手段ではあると思います。
ただし、「政権交代」を狙うにしろ、自民党の「総総分離」を狙うにしろ、次のいずれかの状況になった場合には野党側の目論見は失敗し、「自民党総裁選」で選ばれた新総裁が新しい内閣総理大臣に指名されることとなります。
自民党新総裁が内閣総理大臣に指名されるための条件(いずれか1つ)
1.立憲民主党が首班指名選挙で自民党新総裁の名前を書く
2.日本維新の会が首班指名選挙で自民党新総裁の名前を書く
3.国民民主党が首班指名選挙で自民党新総裁の名前を書く
4.れいわ新選組と日本共産党の両党が首班指名選挙で自民党新総裁の名前を書く
5.首班指名選挙の決選投票で野党側に合計24票以上の無効票が出る
この5つの条件のうち「日本維新の会が首班指名選挙で自民党新総裁の名前を書く」というシナリオが実現する可能性はかなり高く、そのことが「政権交代」の機運を大いに萎ませているという面もあります。
5.あくまでも「政権交代」を目指すなら「茂木敏充」か「斉藤鉄夫」を総理大臣にするシナリオも検討する
それでは、最後に、「日本維新の会が首班指名選挙で自民党新総裁の名前を書いた場合でも『政権交代』が起きる可能性」について検討していきましょう。
それは、「自公与党の側から20人~30人程度の規模のグループが飛び出して、野党側と連携する」というシナリオしかありません。
そのシナリオは2つあって、1つめは「自民党総裁選に敗れた茂木派が自民党を飛び出して『令和日本新党』(仮称)を結成し、日本維新の会を除く野党側が首班指名選挙で一致して『茂木敏充』の名前を書く」というものです。
茂木敏充さんは現職の総理大臣の石破茂さんよりも年齢的に上なので、もし「小泉進次郎政権」が誕生して長期政権化してしまったら、「ポスト小泉」で総理大臣になるなどというシナリオは到底期待できず、その意味では自民党を飛び出したいと考える動機はあります。
また、茂木敏充さんは、もともと日本新党から1993年の衆院選で初当選した政治家で、「日本新党1993年衆院選初当選組」という意味では、立憲民主党の野田佳彦さんや枝野幸男さんと同期です。
野党側にいる旧「日本新党」のなかまたちが茂木敏充さんの動機をうまく引き出して「首班候補」として迎え入れるなら、「政権交代」は成就できることになります。
2つめのシナリオは、自民党と日本維新の会の連携を嫌う公明党を野党陣営に引き入れ、「斉藤鉄夫首班」で合意することで、「非自民・非維新連立政権」を誕生させて、「政権交代」を成就するというものです。
公明党も総理大臣を輩出するというのは悲願でしょうし、立憲民主党も国民民主党も「自公維連立政権の誕生は阻止したい」と考えているでしょうから、これも利害関係による連携を模索することは不可能ではないでしょう。
いずれにしても、野党の議員、特に野党第一党の立憲民主党の議員のみなさんには、そのくらい執念を燃やして「政権交代」を実現してほしいと思います。

憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。