中東で戦争が始まりました。
日本では、Samejima Timesの指摘『高市一強に試練。ガソリン1リットル200円可能性』のように、3月19日の高市首相の訪米での手腕は?日本を守るのか?日本への影響は?と気になるところです。
今回は、高市首相訪米を踏まえ書きたいと思います。皆さんは、どう思われるでしょうか?
「ディストピア小説「1984」の著者オーウエルは、クスクス笑っているだろう」これは、豪州ABC(NHK相当で無料)のライオンズ記者(米国特派員)”オーウエル風ひねりが効いた、トランプ・ファーストの平和委員会”というコラムの書き出しです。
平和委員会(Board of Peace)は、2月19日に会議が開かれ、国連に変わるトランプ大統領が決断権を持つ組織として設立されました。約1600億円の参加費で何に遣われるかも不透明です。西側諸国の主要国は参加していません。
”平和委員会”は、この小説に登場し、”戦争は平和だ”という政権のスローガンは、有名です。 ”平和は戦争が無い事だ”と一般的に私たちは、考えます。しかし、現実はそうではない人々もいる、と言う事でしょうか。
2月19日この会議で、時に正直なトランプ大統領は「約一週間ほどで、戦争が始まるだろう」と予告しました。その後2月28日、アメリカとイスラエル合同による空爆で、イラン最高指導者のハメネイ氏と家族、小学校で約160人の子どもたちが爆殺されたと報道されました。(CNN NYT)
トランプ大統領は2月28日早朝、SNSに動画を投稿し、「米軍はイランで大規模な戦闘作戦を開始した」と発表し、Operation Epic Furyと名付けられました。余談ですが、略すとOperation EFとなり、Operation Epstein Fileではないか、と揶揄が見られます。
ここでは、長くなるので、大まかに書きたいと思います。詳細を知りたい読者の方は参照でご覧ください。
イラン攻撃の真の目的は?
様々な発言や報道が飛び交いますが、本当の理由は、何でしょうか?
1⃣ イスラエルからの要請か
前述のベテラン記者、ライオンズさんは、豪州ABCでイラン攻撃について「トランプ大統領はイスラエルに変わって発言している。これはイスラエルの問題だ」という見解を述べていました。イスラエルから米国へのイランへの攻撃の要請は、何十年も前からあったとされます。オバマ政権の時にも要請がありましたが、これを断ったとされます。そして、その要請に応える米国大統領がついに現われた。それがトランプ大統領だったのでしょうか。
国境を定めていないイスラエルは、”偉大なるイスラエル”構想を持ち、周辺国に領土を広げる計画があるとされます。実際に、パレスチナ、ガザ、レバノン、シリアへの侵攻が見られます。「しかし、それは“イスラエル”を世界の地理的・政治的中心とする世界政府と世界宗教を樹立するという、はるかに壮大な計画の一部に過ぎません」という意見があります。これは、陰謀論なのか?
確かに、日本の政治家たちからも「国境を無くす」という発言が聞かれ、正統派キリスト教徒迫害、日本での廃仏、中国での宗教弾圧の歴史、イスラム教への攻撃が見られ、西側の国々の多国籍化が進みます。その中で、イスラエルだけは、ユダヤ教の人々のみが、イスラエル国籍を取得できる、単一的な国家を守っています。
一方で、イスラエル政府批判や親パレスチナ的言動は、反ユダヤだと罰せられ、イスラエル・ユダヤ保護の動きが広がっています。(詳しくは前回58回 )
2⃣悪魔的犯罪の隠蔽か?
エプスタイン事件(未成年者虐待、人身売買、性虐待)に絡めて、、去年の8月から書いてきました(第47回、第51回、第53回等)
トランプ大統領が、未成年者への性的虐待を犯した、という証言の記録が発覚しました。ガーディアン紙は、消失していた本物の記録を見つけたとし、2月27日に報道したことが、豪州ABCで伝えられました。(こちら参照)エプスタイン・ファイル(エプスタイン事件に関わる記録証拠ファイル)は約3万ページ公開されましたが、黒塗りが多く、人々の怒りは収まらず、残り約半数の公開を請求する激しい声が上がり続けています。(こちら参照)
豪州ABCでは、3月2日「悪魔的エプスタイン・ファイル:Diabolical: The Epstein Files」というドキュメンタリーが放送されました。次は番組紹介の抜粋引用です。
これはアメリカ国民に衝撃を与え、トランプ政権を揺さぶったスキャンダルだ。
法の下ではすべての人々が平等である、という根本的な信念を打ち砕いた、法的および政治的な物語。
ジェフリー・エプスタインの人生と犯罪が、権力層に対する草の根の反乱によって、分断されたアメリカをいかに結束させたのかを描き出す。そして、どの陰謀論が真実である可能性があるのか、を検証している。
2019年、社交界の富豪リストに名を連ねる性的捕食者であるジェフリー・エプスタインが独房で死亡しているのが発見されると、長年囁かれていた陰謀論が爆発的に広がった。
彼は殺害されたのか?
権力を持つ友人たちを脅迫したのか?
彼の周囲のエリート層のうち誰が彼の犯罪に関与していたのか?
そして結局のところ、エプスタインはなぜこれほど長い間、正義を逃れることができたのでしょうか?
アメリカ人の多くは、その答えは、現代における最も衝撃的な刑事事件の一つに関する捜査の厳重に守られた記録であるエプスタイン・ファイルにあると信じている。
事実を第一に考え、複雑な状況においても視聴者に明瞭な情報を提供する、包括的かつ綿密なジャーナリズム。それが真実に基づいたストーリーテリングへの私たちのコミットメント、そして豪州ABCが世界的意義のある問題の報道に注力している番組だ。
また、以前紹介したローウェンシュタインさん(ユダヤ系豪州人ジャーナリスト)は、庶民のエプスタイン氏が、”なぜ急に富豪になったのか”という視点を投げかけ、エプスタイン氏とイスラエル要人、モサド(イスラエル諜報機関)との関係をメディアが報道しないことを指摘していました。(こちらそのYoutube)
エプスタイン氏の犯罪を助けていたのは、パートナーのギレーヌ・マクスウェル氏:Ghislaine Maxwell(現在服役中)だと見られています。彼女は、ヒラリー・クリントンの友人として知られ、エプスタイン氏に各界の大物を紹介していたとされます。
エプスタイン氏は、この世界の政界・財界・皇族・学会など著名人との幅広い人脈をもとに、人々を結び付ける役割を果たしていたとされます。
ギレーヌ・マクスウェル氏の父親ロバート・マクスウェル氏Robert Maxwellは、チョコスロバキア生まれのイギリス系フランス人、貧しい正統派のユダヤ教家庭出身だそうです。本名はHochですが、イギリスに移住し受け入れられるように改名したそうです。複数語学に堪能で、イギリス陸軍で活躍し、国会議員(労働党)、出版界帝王を築くほどの富と成功を治めます。しかし、最後は1991年68歳の時、大西洋でヨットから転覆し、謎だとされる死を遂げます。イスラエルとも緊密な関係があったようで、エルサレムのオリーブ山に埋葬されました。イスラエル国籍以外の国民には滅多に与えられない、国家による厳粛な葬儀が執り行われ、イスラエルの首都で行われた埋葬式には、首相、大統領をはじめとするイスラエル高官が参列し、追悼の言葉を述べるほどだったそうです。
このような出来事から、トランプ大統領は従わざるを得ない、未成年者性虐待の犯罪の証拠を握られているのではないか? 未公開のエプスタイン・ファイルにその証拠があるのではないか? という疑念が生まれ、更なる公開に声が上がっています。(こちら参照)
余談 “全ては野党が悪い”は日米共通工作?
ここで、余談ですが、日本の衆議院選は、野党第一党立憲の自虐作戦で、高市自民党を大勝利させたとも見られています。アメリカでも「これから何が起ころうとも、すべては民主党のせいだ。バイデン失脚後、カマラを大統領候補にしたのは民主党だ。有権者を輸入するために国境を開放していた。だから、私たちは自分が違うと信じ込ませた犯罪者、詐欺師に騙された。彼しか選択肢がなかった。民主党、ありがとう。あんたらは世界を〇ソにした」という意見がSNSにあり、日本でも同じような茶番手口が使われているのではないかと、笑わうしかない境地に落ちました。
3⃣ウソの戦争か?
豪州ABCによると、トランプ大統領は、はしばしば即興で話す。彼自身の発言に矛盾が生じたり、彼が発信した脅威が現実化しなかったりすることも珍しくない。側近との意見の食い違いや矛盾も見られる。彼のイラン攻撃の説明は人々を困惑させ、役に立たないとの指摘の記事を報道しています。記事は、「目標がなければ、終わりもない。そして、終わりがなければ、“エピック・フューリー作戦”」は壮大な失敗に終わる危険性がある」と締めくくっています。
ウソ?1 「民主主義を取り戻すための戦争だ」
トランプ大統領は、「こんなチャンスは二度と無い」とイラン国民に政権転覆の抗議を呼び掛けていました。しかしイランは元々戦後1951年にモサッデク首相が、大きな支持を得て、民主的選挙で当選しました。彼は、反植民地(反英米)で石油を民営化して外国に売らず、国営化し利益を国民のために使おうとしていました。1953年それが気にくわない米国が、巨額や制裁を使い、政権転覆工作を仕掛け、君主制の権威主義的政治の下での親米欧政権となりました。それに不満を抱くイランの人々は蜂起し、軍関係者も同調し、1979年のイラン革命で、現在の外国干渉を許さない政治システムが出来上がっていきます。
そして、トランプ大統領は、「米国が承認したリーダーが選ばれれば、停戦する」と伝えました。これが、民主主義でしょうか?
ウソ?2「イランは核兵器をつくり、米国を攻撃しようとしてる」
IAEA(国際原子力機関)や専門家からは、そのような証拠は見当たらないことが報道され、イランもずっと否定しています。ています。これが、妄想で戦争を起こしているのか?という声のゆえんでしょう。
ウソ?3「アメリカはイランの小学校を攻撃していない」
前述したようにすでに、アメリカが攻撃し約160名のイランの子どもたちが爆死したと。米国主要メディアから報道されていいます。攻撃したトマホークは米国と西側諸国のみが保持し、イランはもっていないとされます。ヘグセス戦争省長官が示した、攻撃地図には、それらの小学校が含まれていました。
ウソ?4 「戦争は間もなく終わる」
トランプ大統領はそう述べ、石油価格はやや落ちました。しかし、同時にイスラエルのネタニヤフ首相は「まだ終わっていない」、ヘグゼス戦争省長官は、「戦争は始まったばかりだ」と述べ、イランは「戦争の終結は、我々が決める」とし長期の消耗戦を示唆しています。
4⃣結局、戦争の目的は?
ホワイトハウスの外では懸念が高まっており、前述記事からの専門家たちは、次のように述べています。
「トランプ大統領には、“明確な目的”がない」「支配の幻想を生み出した」「遡及的に戦争開始の決断を正当化しようとしている」「私たちが目にしたのは、制御不能なエスカレーションへの準備が整った状況だったと思います」「イランは今や必死に政権としての存続を図ろうとしている。一方、米国大統領は中間選挙を前に自らの信頼性を必死に維持しようとし、戦争に踏み切るという自らの決断の意味を説明しようとしている」
結局、米国自身の目的は無く、イスラエルからの要請に応えただけなのでしょうか?
世論調査によると、トランプ政権(共和党)の支持率は急落し、上院議では支配権を失うと予想されます。
イランの予想外の反撃
イランは、親米で米軍基地を置くアラブ諸国(GCCと呼ばれるサウジアラビア・ラブ首長国連邦 (UAE)・バーレーン・クウェート・オマーン・カタール)の米軍基地を激しく攻撃しほぼ機能不全にしたと報道されています。安価なドローンなどで攻撃し、相手に高価な迎撃ミサイルを消費させ優位に立っているようです。これは、防御として国際法上認められていますが、それ以上にGCCに石油資源の輸出に打撃を与え、世界への経済の混乱が懸念されます。GCCの国々は米国とイランの間の板挟みで、悲観論が広がっているそうです。(詳しくはこちら)
そして、イランは攻撃の重点をイスラエルに置き変えたそうです。イスラエルは同時に、隣国のレバノンへの地上戦攻撃を繰り広げています。
このイスラエル内での様子は、報道が禁止されているのか、メディアはほとんど報道していないようです。イスラエル内では、政権の邪魔となる映像の放映は処罰されるそうです。イスラエルの人々への被害が心配されます。
脅しに屈しない準備と外交
イランでは、複数の学校や病院、水道や石油施設が攻撃され打撃を受けました。首都テヘランは、黒い空気に覆われていました。トランプ大統領は「無条件降伏しろ」「20倍の攻撃を加えて再起不能にする」と脅しのような言葉を伝えました。
しかし、イランのアッバース・アラグチ外相は、イランは米国との停戦も交渉も求めていないとしNBCニュースのインタビューで次のように強い意志を示しています。
「我々は停戦を求めていない。これまで二度米国と交渉したが、その度に交渉の途中で攻撃されてきたのに、なぜ米国と交渉しなければならないのか、全く理解できない」
「我々は数千年にわたり自国の領土を守り続けてきた。そして、これからも必要な限り守り続ける。我々の兵士たちは、敵が我々の領土に侵入するのを待ち構えている。我々は決して諦めず、決して降伏しない。我々の国や尊厳は、売り物ではない。」
「イランは米国に次期最高指導者を選ばせるつもりはない。我々は誰にも内政干渉を許さない。これはイラン国民の責任だ」
イランでは、最高指導者の死を追悼し、新しい最高指導者就任を祝い、人々が街に溢れる様子が、豪州SBS(NHK相当)で報道され、「私たちは(戦争で)妥協しない」と言う女性の声が紹介されました。
“NO To War”“戦争反対”と言う人々
EU(欧州連合)や西側諸国、豪州でも、2大政党は、米国とイスラエルのイラン攻撃を支持していますが、グリーン党の議員はそうではないようです。例えばグリーン党のNick McKim議員は、議会で 自国政府を激しく次のように非難し注目されました。
「トランプ氏のような”ファシスト・戦争犯罪者・妄想者”と、女子学生を爆撃している米国のような国を支持することを恥ずかしく思わないのか?国を辱め、品位を落としている」(こちら参照)
スペインは、首相をはじめ、反対の声が上がっています。
サントス首相は、イスラエルのパレスチナへの行動を声高に批判していました。イランへの攻撃協力を拒否し、トランプ大統領から「スペインへの貿易を全て停止する」と警告されても、この戦争に対しての立場をこの3つの言葉で要約できると“NO To War”“戦争反対だ”と表明しました。EUはスペインを擁護しています。
手遅れになる前に戦争をやめるよう次のように呼びかけました。
「一つの違法行為に別の違法行為で応じることはできない。それが人類の大きな災厄の始まりだからだ」
「何百万人もの運命を賭けてロシアンルーレットをすることはできない。~これから何が起こるのか、誰も確実には分かりません。~最初の攻撃を開始した者たちの目的さえも不明です」
「政府の第一の責任は国民の生活を守り、改善することであり、地政学を冷笑的な目的に利用したり、戦争で利益を得たりすることではない」(こちら詳細)
その後、スペイン首相はイスラエル大使を退去させました。(こちら参照)
カナダ首相は、この戦争に介入しない、と表明し、ドイツで支持を伸ばす、ADF(保守政党)クルバラ共同党首が、トランプ大統領が「”戦争の大統領”になりつつある」と警告しました。
ロンドンやベルリンでは、イランへの攻撃に反対する大きな抗議行進が行われました。
ロンドン、アメリカ、ドイツ、パキスタン、ギリシャ、メキシコ、ナイジェリア等世界各地で、イランへの攻撃に反対する大きな抗議活動が行われたようです。(こちら参照)

今滝 美紀(Miki Imataki) オーストラリア在住。 シドニー大学教育学修士、シドニー工科大学外国語教授過程終了。中学校保健体育教員、小学校教員、日本語教師等を経て早期退職。ジェネレーションX. 誰もがもっと楽しく生きやすい社会になるはず。オーストラリアから政治やあれこれを雑多にお届けします。写真は、ホストファミリーとグレートオーストラリアン湾の沖合で釣りをした思い出です。