政治を斬る!

フジテレビの最高権力者・日枝相談役は森や安倍の盟友だった!歴代社長はみんな日枝チルドレン!港社長が辞めても日枝氏が留任すればフジは何も変わらない!

フジテレビの港浩一社長が引責辞任し、次の焦点はフジテレビの天皇と呼ばれる日枝久相談役(87)の進退になってきた。ネット世論でもフジ社内でも日枝氏の退任を求める声が強まっている。フジテレビ社内だけではなく。政界に太い人脈を築いてテレビ界に君臨してきた日枝氏が失脚すれば、マスコミ業界の勢力図が大きく変わる。

フジテレビが自社の女子アナに対する中居正広氏の性加害を組織的にもみ消してきた疑惑を受けて、フジテレビが1月27日に行った二度目の記者会見で、遠藤龍之介副会長は港社長と嘉納会長以外の取締役も3月末に第三者委員会の調査結果がまとまった時点で引責辞任することを示唆した。しかし、取締役である日枝相談役の去就については言葉を濁し続けた。日枝氏がフジテレビにとって特別な存在だからだ。

日枝氏はフジ入社後、労働組合結成で頭角を現した。80年にオーナー家から編成局長に抜擢され、81年に「楽しくなければテレビじゃない」のスローガンを掲げて視聴率を引き上げた。82〜93年には12年連続で、04〜10年には7年連続で視聴率3冠王を達成した立役者といっていい。

88年に社長、01年に会長に就任し、17年に相談役に退くまで約30年、経営の実権を一手に握った。相談役になった後も院政をしき、歴代社長を次々に指名してきた。日枝氏が君臨する一強体制は実に40年に及んでいる。

27日の記者会見で壇上に並んだ嘉納会長、港社長、遠藤副会長、金光フジ・メディア・ホールディングス社長、そして清水新社長は全員「日枝チルドレン」といっていい。日枝氏は子飼いの役員たちのポストを目まぐるしく変えることで自らへの求心力を高めてきた。

政界への人脈も太い。森喜朗元首相や安倍晋三元首相との親密な関係は有名だ。まさにテレビ業界のドンである。

日枝氏にとっては港社長は手駒のひとつに過ぎない。社長が辞めても日枝氏が取締役相談役として続投すれば、フジテレビの権力構造にさしたる変化はなく、企業文化も踏襲される可能性が高い。

フジテレビ社内からも日枝氏の引退を求める声は強まっている。フジが再生できるかどうか、日枝氏の進退が鍵を握っている。

新聞業界に君臨してきた読売新聞の渡辺恒雄氏が昨年死去し、新聞業界のドンは不在となった。

テレビ業界に君臨してきた日枝氏がここで失脚すれば、テレビ業界の力学が変質し、マスコミ全体に影響を与えるのは間違いない。

政界では歴代最長政権を築いた安倍元首相が銃撃事件で他界し、自民党に君臨してきた森元首相は裏金事件による安倍派解体で失脚。公明党の支持母体である創価学会に君臨してきた池田大作名誉会長も他界し、各界の重鎮たちが次々に消えている。

日枝氏が失脚すれば、テレビ業界はどこへ向かうのか。

ユーチューブをはじめとするSNSの台頭でテレビなどオールドメデイアはすっかり凋落した。地上波全体の広告費が1兆6000億円なのに対して、ネット広告は3兆3000億円にのぼり、今やテレビの倍以上になっている。

落ち目の新聞業界を政治力で支えてきたのが読売の渡辺氏であり、落ち目のテレビ業界を政治力で支えてきたのがフジの日枝氏だったといえるかもしれない。

女子アナ接待文化をフジ社内で拡散してきた港氏を社長に昇格させた日枝氏の経営責任は大きい。日枝氏が退任すれば、フジテレビだけではなく、日本のマスコミ界にとっても大きな節目となる。

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