政治を斬る!

比例が映す「新しい政界地図」――自民圧勝、中道惨敗、参政・みらいの台頭

小選挙区は「いちばん嫌いな候補を落とす一票」。
比例は「いちばん好きな政党に入れる一票」。

総選挙の投開票日が迫ってきた。各党の比例情勢を俯瞰すると、そこには日本の政治地図が根こそぎ塗り替わる未来がはっきりと映し出されている。

比例は、政党人気の純度が最も高く表れる指標だ。
そして今回の総選挙では、勝ち組と負け組が容赦なく分かれている。

自民党は高市人気を追い風に圧勝ムード。
一方、立憲民主党と公明党が合流した新党「中道」は惨敗の見通しだ。
連立に加わった維新は苦戦し、連立入りで揺れた国民民主党は伸び悩む。
その陰で、参政党と新勢力「チームみらい」が急浮上している。

自民は比例72超へ――高市人気がすべてを吹き飛ばす

自民党は、石破政権で過半数を割り込んだ前回の総選挙では比例59議席にとどまった。
しかし今回は、単独過半数を維持していた岸田政権時代の前々回と同水準、72議席超に達する可能性が高い。

勝因は明白だ。高市人気である。
裏金問題も、統一教会問題も、比例票の世界では吹き飛んだ。

対照的なのが中道だ。
前回の立憲と公明の比例議席を合算すれば64議席あったが、今回はそこから16も減らし、48議席止まりの見通しとなっている。

新党効果はゼロ、いやマイナスだ。
創価学会票と連合票という二大組織票が合流しても、それ以上の無党派層が逃げ出している。落ち目の二党が合流したことに、有権者は極めて厳しい視線を向けている。

維新・国民は伸びず、新興勢力が主役に

連立入りした日本維新の会は、前回15議席から半減の7〜8議席に落ち込む可能性が強い。
全国で「維新離れ」が進み、本拠地の近畿ですら例外ではない。

国民民主党は横ばいだ。
比例は前回の17議席をわずかに上回る18議席がやっと。
高市政権誕生で保守層が自民に戻り、さらに参政党やチームみらいといった新興勢力に支持を奪われている。

一方で勢いを増すのが参政党だ。
前回3議席から一気に10増やし、13議席に届く可能性がある。

最大の注目は、総選挙初登場のチームみらいである。
都会の若者を中心に支持を急拡大し、東京では国民民主党と並ぶ2議席を獲得。
全国でも7〜8議席と、れいわ新選組や共産党と肩を並べる規模に成長する見通しだ。

れいわ・共産は崖っぷち

新興勢力に立場を奪われたのが、れいわ新選組である。
比例で1議席も獲得できない可能性が高い。
山本太郎代表は病気療養で議員辞職し、執行部全員が落選、衆議院から姿を消す事態も現実味を帯びてきた。
解党的危機と言っていい。

共産党も厳しい。
関東と近畿以外で議席を失い、比例は7から4へ減少する見通しだ。

近畿・東京・九州に共通する構図

最大ブロックの近畿(定数28)では、自民が前回6から10議席へと躍進する。
大阪19選挙区で維新に全敗し、存亡の危機にあった自民大阪府連は、比例復活で息を吹き返す。

維新は比例重複を解禁したものの、6議席程度に後退する。
中道は6議席にとどまり、比例名簿上位を公明が独占。立憲候補の復活は極めて限られる。

東京(定数19)では、自民が5から8議席へ大幅増。
萩生田光一、下村博文、丸川珠代ら裏金議員が、選挙区で負けても比例で救われる展開が続出しそうだ。
中道は7から5へ減少し、立憲の東京勢は壊滅的打撃を受ける可能性がある。

九州(定数20)でも、自民は7から9議席へ。
中道は7から5へ後退し、比例上位4位までを公明が独占。
ここでも最後の1議席を獲得するのは、チームみらいとなりそうだ。

比例が語る結論

今回の総選挙は、自民の一人勝ち。
中道は惨敗、維新は苦戦、国民は横ばい、共産は低迷、れいわは壊滅。
その一方で、参政党とチームみらいという新興勢力が台頭する。

比例の浮き沈みは、次の政界再編の予兆を、はっきりと映し出している。