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公明、立憲、維新が自民を取り合う摩訶不思議な統一教会政局〜岸田政権を延命させる「4党合意」政治

統一教会の被害者救済法案をつくる自民、公明、立憲、維新の4党協議が始まった。10月25日にあった第一回の実務者協議の場で見えてきたのは「公明vs立憲・維新」という対決構図だ。

立憲と維新は、被害者の家族ら第三者が悪質な寄付を取り消せる仕組みの導入を主張したが、公明は本人の自己決定権を侵害するおそれがあるとして難色を示したという。

公明党は支持母体・創価学会の意向に逆らえない。統一教会問題が宗教法人全般に波及するのは断固阻止したいところだ。霊感商法はさておき、高額寄附をめぐる家族とのトラブルは創価学会を含む宗教法人には珍しくはない話である。宗教法人への寄付を大きく制約する法的規制は受け入れがたい。

立憲・維新はそれを見越して「悪質寄付の取り消し」を提起している。もちろん被害者救済の視点もあるのだが、自民党と連立を組む公明党を揺さぶる政局的な思惑からもこの問題には力を入れていくに違いない。

立憲の安住淳国対委員長は「公明党は、宗教団体の支援を受けている政党だから色々あるとは思うが、悪質な霊感商法、信者で大きな被害を受けている人たちの救済には不可欠な法案だ。我々としては粘って、日本維新の会と我が党が出した法案の成立に向けて合意づくりをしたい」と公言し、公明党を牽制する狙いを隠していない。

公明党も連立与党にくさびを打ち込む立憲・維新の政局的思惑を感じているからこそ、激しく反発することは間違いない。この問題は被害者救済法案をめぐる政策論議の中心的な対立テーマとなっていくだろう。

ここで注目すべきは、野党第一党の立憲・野党第二党の維新の連合チームと、連立与党の公明党の対立が深まるという政局的意味である。つまり、今後の「4党協議」では、立憲・維新と公明が自民の支持獲得をめぐってしのぎをけずる構図になっていくのだ。

自民党にすれば「棚からぼたもち」のような状況が出現したのである。統一教会問題は自民党を根底から揺るがす危機的な政治状況を作り出した。ところが、立憲・維新が歩み寄って「4党協議」の場ができたことで、立憲・維新と公明が激しく主張をぶつけあい、どちらに軍配を上げるかというイニシアチブを自民党が握るという構図になったのである。

しかも内閣支持率の続落で窮地に立った岸田文雄首相にとって「4党協議」は救いの手だ。

統一教会問題自体はライバルである最大派閥・清和会を直撃するもので、宏池会の岸田首相にとっては政敵を蹴落とす材料にもなりうる。しかも立憲・維新と政策協議の場ができたことで、国会での厳しい追及は弱まるだろうし、立憲・維新との連携をちらつかせ、ときに立憲・維新に軍配を上げて、そもそも岸田首相とはパイプの薄い公明党を牽制することもできる。

岸田首相が政権浮揚策の中心にこの「4党協議」を位置付けるのは当然の流れだ。

11月2日には、立憲民主党が次の感染症危機に備える政府提出の感染症法改正案に賛成する方針を決めたという報道が流れた。日本維新の会とともに岸田政権に求めた修正項目の一部が反映される見込みとなったためだという。「4党協議」政治は統一教会問題を超えて政策全般に広がり始めている。

立憲は「4党協議」を機に岸田政権と接近して影響力を拡大し、あわよくば公明を外して大連立につなげるーーそんな展望も見えてくる。当面は国政選挙がなく、政党支持率も伸び悩むなかで、与党との政策協議を通じて党勢回復を目指すというわけだ。その結果、岸田政権の延命に手を貸すことになるが、清和会が復権するよりはマシという判断もあろう。

問題は維新である。維新はそもそも安倍・菅政権の補完勢力だった。岸田政権誕生までは立憲よりも政権寄りで、その立場から立憲を徹底的に批判していた。ところが岸田政権誕生で、自民党との距離が開いた。むしろ立憲や連合のほうが岸田政権に近づいたのである。

このまま立憲が自民に接近すれば、維新は蚊帳の外に置かれるーーそんな危機感から、敵視してきた立憲との国会共闘に舵を切り、その枠組みのまま岸田政権との距離を縮めようという戦略なのだが、これでは立憲の後塵を拝することは避けられない。維新がこのまま「野党第二党」の座に甘んじて立憲との共闘関係を維持するのか、何かのタイミングで立憲と決裂して独自路線を進むのかは、今後のひとつの焦点であろう。

公明は党勢衰退が進み、世代交代も進まず、今週に退任を予定していた山口那津男代表が一転して続投するという状況である。落ち目のなかで自民党と連立解消するわけにもいかず、立憲に連立の座を奪われることも避けなければならず、ますます自民党への譲歩を迫られていくのではないか。

自民党は統一教会問題で大きなダメージを受け、かなり弱っている。しかし、自民党に挑む野党の立憲や維新、そして連立政権内の牽制役であるはずの公明党も、極めて脆弱な状況にあり、その結果として4党が国会で手を握り合う政局構造が生まれ、内閣支持率が続落する岸田政権が持ち堪えていくという展開が予想される。


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