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岡田・野田・安住…民主党政権で消費税増税を進めた緊縮財政派に支配される立憲民主党の泉執行部〜退任した小川淳也はどう動く?

立憲民主党の泉健太代表は参院選惨敗を受け、西村智奈美幹事長や小川淳也政調会長ら若手中心の執行部を重鎮に入れ替え、自らは党首の座にとどまった。その結果、立憲執行部は10年前に崩壊した民主党政権に舞い戻った様相だ。

幹事長に起用された岡田克也氏は民主党代表や民進党代表を歴任し、民主党政権では副総理や外相、幹事長を務めた。鳩山由紀夫元首相、菅直人元首相、小沢一郎元代表の「トロイカ」に続く旧民主党の顔である。野田佳彦元首相と並んで、民主党政権で消費税増税を進めた財政緊縮派の大幹部としても知られる。

野党第一党にとって重要な国会対策委員長に起用された安住淳氏も民主党政権で財務相を務めた財政緊縮派の実力者だ。NHK政治部出身で、官僚出身者が多い旧民主党では選挙対策や国会対策を通じて頭角を現し、岡田氏とも親密な関係を続けてきた。

泉代表にとって岡田・安住両氏は民主党時代からの大先輩である。西村幹事長ら同世代で協力してきたこれまでの党運営とは打って変わり、岡田・安住氏に主導権を明け渡す場面も増えそうだ。

政調会長に起用された長妻昭氏も民主党政権で厚労相を務めた「旧民主党の顔」の一人。枝野幸男氏が立憲民主党を旗揚げした2017年衆院選当初から参画した。枝野氏と枝野最側近の福山哲郎元幹事長は昨年衆院選で惨敗して引責辞任したばかりで、さすがに執行部復帰はむずかしい。そこで立憲当初メンバーの代表として執行部入りしたといえるだろう。岡田・安住氏と同様、社会保障の財源確保のための消費税増税に賛成した一人だ。

選対委員長に起用された大串博志氏は財務官僚出身。財務相経験者で消費税増税派のドンである野田佳彦元首相の側近中の側近である。大串氏の起用は野田氏の協力を得るための人事といっていい。

以上、今回の人事は、岡田氏、野田氏、枝野氏、安住氏という旧民主党政権で要職を歴任した重鎮であり、しかも消費税増税を進めた緊縮財政派の大幹部の意向を忠実に実行したものだ。泉氏は重鎮たちに屈してでも自らの代表続投を優先したといえるだろう。

その結果として、立憲民主党は、岸田政権が最優先課題とする消費税増税に協力していく方向へ大きく踏み出したと私はみている。国政選挙がしばらく予定されず、立憲支持率も低迷して政権交代のリアリズムが一向に高まらない。しかも自民党政権の重心がタカ派の清和会(安倍派)からハト派の宏池会(岸田派)に移行するなかで自民党との政策協議・政策連携を通じて党勢回復をめざす道を模索することになるのではないか。

だが、この選択は、有権者を馬鹿にしたものである。私たちは1990年代後半に二大政党制がはじまった後、自民党か、民主党か、という二者択一の選択を迫られてきた。その二大政党が消費税増税・緊縮財政で「談合」した場合、消費税増税に反対する有権者は、どちらも選べないという状況に立たされてしまうのだ。

その意味で二大政党制において与党第一党と野党第一党が消費税増税で連携することに私は反対である。政界(自民党と民主党)、官界(財務省)、財界(経団連)、マスコミ界がこぞって消費税増税を進めてきた結果、日本経済はこの20〜30年、デフレ不況に沈み、国際競争力を失ってしまった。

岡田氏や安住氏は民主党政権時代に自公民3党合意で消費税増税を進めたことをどう総括しているのか。3党合意はその後の日本経済の低迷と格差拡大を助長した愚策だったと認めるのか、あくまでも正しい判断だったと主張するのか。まずはその点を明確にすべきである。

自民党の経済失政を最も追及して政権奪取を狙う立場にある野党第一党が、自民党に同調して消費税増税をともに進めていくーーこれは国民にとっては最悪の道である。

立憲民主党の新執行部が緊縮財政派で固められるなか、政調会長を退いて執行部をただひとり離れたのが、私とは香川県立高松高校の同級生である小川淳也衆院議員だ。

私は8月29日夜のBS11「インサイドOUT」に小川氏とともに出演し、立憲民主党の新執行部や岸田政権との向き合い方、そして消費税増税などについて突っ込んで議論した。先日、鮫島タイムスのユーチューブで公開した「積極財政vs緊縮財政」の考え方に沿って話をした。小川氏はこれに対し、立憲民主党が岸田政権の消費税増税に加担する可能性を否定した。

さて、立憲民主党はこれからどうなっていくのか。そして、小川氏は今後どのような政治行動に出るのだろうか。BS11の議論をもとに、稿を改めて深掘りしてみたいと思う。


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