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れいわ櫛渕議員「プラカード掲げ登院停止」は国会史に残る少数者弾圧!立憲民主党「懲罰に賛成、登院停止には反対」という不誠実極まりないアリバイ作りの重罪

衆院は6月1日の本会議で、「与党も野党も茶番!」というプラカードを壇上で掲げたれいわ新選組の櫛渕万里議員に対し、登院停止10日間の懲罰を科すことを自民党、公明党、日本維新の会などの賛成多数で決めた。立憲民主党は共産党、れいわ新選組とともに反対した。

立憲は、櫛渕議員が与党だけでなく野党にも「茶番!」と批判の矛先を向けたことに激怒し、5月25日の衆院本会議では、櫛渕議員に対する懲罰動議に自公維とともに賛成していた(衆院議席の95%超の賛成多数で可決された)。これに対し、SNSで野党支持者には「さすがにやりすぎ」「少数者イジメだ」などと激しい批判が広がっていた。

野党の少数政党(衆院議員は3人のみ)の議員が議場内でプラカードを掲げた程度の抗議活動に対し、野党第一党の立憲が与党と結託して懲罰動議を可決したことは、野党の主張をとりまとめて国会対応にあたる野党第一党の責務を放棄するものだ。国会が与党一色に染まって少数者を抑圧・排除した戦前の「大政翼賛体制」を彷彿させる危機的状況で、立憲が批判を浴びるのは当然である。

私の見解は『れいわ新選組・櫛渕万里議員の懲罰動議を野党第一党として主導した立憲民主党に、もはや「立憲」を名乗る資格はない』に詳しくまとめたので、ぜひご覧いただきたい。今回は、懲罰動機に賛成した後、立憲の迷走ぶりについて解説する。

衆院本会議での懲罰動議可決を受けて、衆院懲罰委員会は櫛渕議員に対し「除名」「登院停止」「陳謝」「戒告」の4段階のなかでどの懲罰を科すのかを協議した。立憲内では「陳謝」か「戒告」にとどまるとの見方が強かったが、自民党は甘くなかった。「登院停止10日間」を主張してきたのである。

立憲は焦った。懲罰動機に加担して野党支持層から激しく批判されたのに、そのうえに「登院停止」という極めて重い処分にまで同調すれば、反発はさらに高まり支持者離反が加速しかねない。そこであわてて「戒告」にとどめるべきだとする動議を提出したのだが、自公与党に加え、維新や国民民主党も「登院停止」に賛成し、立憲の「戒告」案はあっさり否決された。

国対政治を長く取材してきた私の感覚からいえば、立憲が懲罰動議に賛成した時点で、自民と「陳謝」か「戒告」にとどめることで話をつけていなかったことが不思議でならない。裏を返せば、立憲は野党支持層から「さすがにやりすぎ」との批判を浴びるまで、れいわの「立憲批判」に立腹し、むしろ「登院停止などの重い処分で痛めつけてやればいい」という気分さえあったのではないか。

だとすると、本当に間抜けである。野党第一党でありながら、いったい誰と戦っているのか? 自民よりも立憲へのライバル心をたぎらせる維新とまるで同じだ。

野党支持層からの批判を受けてさすがに「戒告」案を主張したが、時すでに遅かった。自民党が「登院停止」を主張したのは、れいわイジメというよりも、立憲にれいわイジメへの加担を迫り、野党支持層の内部対立を煽る狙いのほうがはるかに大きいだろう。

立憲は野党分断工作にまんまとはまったのだ。

立憲の安住淳国対委員長ら執行部は、懲罰動機に加担すれば、自民党からさらにこのような揺さぶりをかけられることを想像できなかったのだろうか。あまりに稚拙な国会対応である。

立憲の困惑ぶりは、以下の泉健太代表のツイートににじみ出ている。懲罰動議に賛成した以上、何かしらの懲罰を科すことは主張しなければ整合性がとれない。とはいえ、自民提出の「登院停止10日間」に乗るわけにもいかない。そこで、否決されることを承知で、「登院停止には反対しましたよ」というアリバイ作りで「戒告にとどめるべき」という動機を出したのだった。

立憲がどんなに「登院停止には反対した」とポーズをとっても、プラカードを掲げたくらいで少数政党の議員が登院停止になったという先例をこの国の国会史に刻んでしまったことはもう取り消せない。

野党第一党の立憲が懲罰動議に反対していたら、自民党は強行しなかっただろう。なぜなら、そもそも懲罰動機の最大の狙いは野党分断にあり、立憲が最初から反対するのなら、「少数派イジメ」という批判を受けてまで強行するメリットがないからだ。

つまり立憲が懲罰動議に賛成した結果、とてつもなく悪質な少数者弾圧の前例をつくってしまった。この責任をどうとるつもりだろう。「立憲主義」とは「民主主義」の対立概念であり、多数派から少数者の基本的人権を守ることに最大の主眼がある。立憲議員たちは「立憲主義」の意味を理解していないとしか思えない。「立憲」の看板を下すべきだ。

立憲は場当たり的に対応する「芯のない政党」であることを改めて露呈した。野党リーダーとしての役割を自ら放棄する意思を明確に宣言し、いったい何がしたいのかわけがわからない政党に成り果てた。

来るべき解散総選挙でれいわが立憲陣営から離脱することは決定的になった。これほど野党第一党としての自覚を欠く立憲に、共産党はまだ付き従うつもりだろうか。はやく決別したほうが身のためである。

立憲は今や現職の議席維持を最優先にした既得権益集団であり、強力な野党第一党を誕生させる政界再編を断固阻止する最大の抵抗勢力と化している。

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