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岸田首相のトンデモ発言「銀行口座に残っていれば裏金ではない」!? ①違法な裏金で立件されたケース②違法な裏金でも立件を免れたケース③合法的な裏金(政策活動費など)があることをお忘れなく!

銀行口座に全額が残っているので「裏金」ではないーー。自民党岸田派で不記載となっていた3059万円について、岸田文雄首相が国会でこんな釈明をしている。

野党が国会審議で「裏金」と書かれたフリップを使うことにも自民党は反発。カギカッコつきで『裏金』と表記することでとりあえず折り合ったという。自民党は政治資金収支報告書に記載しなかったお金について「裏金」という言葉を使われることを嫌がっているようだ。

裏金とは何かーー。その定義を狭めることでイメージ悪化に歯止めをかける作戦である。

だが、収支報告書に記載しなければならないのに、記載しなかったお金は、すべて裏金である。

そもそも政治資金規正法は、贈収賄などの汚職事件は立件へのハードルが高く、そのことが政治不信を高めていることを踏まえ、政治資金を透明化して政治への信頼を回復させる目的でつくられたものだ。

法律制定の目的から逸脱して、収支報告書に記載しなければならないお金を記載しなかったり、虚偽の記載をしたりした結果、国民から収支が見えなくなったお金のことを「裏金」というのである。

銀行口座に残っていようが、箪笥にしまっていようが、収支報告書に記載されず、国民が監視できない状況にあるお金を「裏金」と定義するのが正しい言葉の使い方である。

そのうえで、「裏金」にも、「合法的な裏金」と「違法な裏金」があることを指摘していく必要がある。「合法的な裏金」を認めていること自体が、政治資金規正法が抜け穴だらけのザル法と言われるゆえんだ。

政党から政治家個人に寄付される「政策活動費」は、「合法的な裏金」の典型である。

政治家個人への寄付は原則として禁じられており、政治家は政党支部や政治団体で政治資金を集め、それを収支報告書に記載して提出している。

ところが、政党から政治家個人への寄付は例外的に認められ、しかも使途を公開する必要がないのだ。つまり、政党が幹事長ら党幹部(政治家個人)にいったん寄付をすると、その政治資金はその先、どのように使われたかはブラックボックスなのである、まさに「合法的な裏金」なのだ。

自民党で5年以上幹事長を務めた二階俊博氏は在任中、約50億円の政策活動費を党から受けていた。この約50億円を二階氏がどのように使ったのかは、法律上、公開する必要はないのだ。二階派のメンバーにばら撒くこともできるし、他の派閥に配ることもできる。ここの幹事長の権力の源泉があるといっていい。

東京地検特捜部は、収支報告書に記載しなければいけないのに記載していなかった「違法な裏金」について「3000万円」で線引きし、それ以上だった池田佳隆、大野泰正、谷川弥一の3議員を立件する一方、それを下回った萩生田光一前政調会長ら派閥幹部の立件は見送った。「違法な裏金」でも立件を免れたケースがあること自体も大問題である。

整理すると、①違法な裏金を受け取って立件されたケース②違法な裏金を受け取りながら立件を免れたケース③合法的に裏金を受け取ったケースーーに3分類されるといっていい。

岸田首相や自民党は、そのうえでさらに「裏金」という言葉を使わせないことで悪印象を薄めようとしているのだ。どこまでも卑怯な態度である。

このような姿勢では、今後の政治資金規正法の改正論議が真摯に進むことは期待できない。抜け穴だらけのザル法が上書き更新されるだけだ。

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