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安倍元首相を襲撃した山上容疑者の精神鑑定留置を大幅延長〜公開の法廷に立たせず「口封じ」が目的?

安倍晋三元首相を銃撃・殺害したとして逮捕・送検された山上徹也容疑者の精神鑑定について、検察当局の対応が不透明感を増している。

殺人事件の容疑者の精神鑑定は刑事責任能力の欠如を立証しようとする弁護側が求めるのが一般的だ。だが今回の事件は山上容疑者が逮捕・送検されてまもなく検察側が精神鑑定を要請する異例の展開をたどった。

政界や法曹界では当初から「山上容疑者が公開の法廷で証言することを検察当局が避けようとしているのではないか」との見方が囁かれていた。安倍氏殺害事件の真相を隠蔽するため国家権力が容疑者の「口封じ」を狙っているという見立てである。

鑑定留置期間は7月25日に始まり、11月29日までの予定だった。奈良地検は来年2月6日までの大幅延長を請求し、奈良簡裁が11月17日に認めた。地検は大幅延長が認められたと発表する一方で、延長が必要な理由については「捜査上の理由」というばかりで明確な説明を避けていた。山上容疑者側は「延長決定には必要性や相当性がない」と批判し奈良地裁に準抗告していた。

これを受けて奈良地裁は18日、鑑定留置期間を2月6日から1月10日に短縮することを決定。地裁は「なお相当程度、期間を要すると認められるものの、1月10日以降の期間については現時点では相当性が明らかでない」などと判断したと報じられている。

検察が留置期間を必要以上に大幅に延長しようとしたと裁判所は判断したといえるだろう。

ではなぜ検察は留置期間の大幅延長を狙ったのか。当初から指摘されているように「山上容疑者を公開の法廷に立たせたくない」という思惑があるとみるのが自然である。

警察キャリア官僚から小泉純一郎首相秘書官を経て国会議員を歴任した小野次郎さんはツイッターで「公判開始を遅らせて、容疑者を裁判官に引き合わせない検察の戦術は著しく不当だ」「事件の全貌を明らかにしないまま、容疑者の精神異常を口実にする方針か?」と発信し、検察当局への不信感を示した。

私もこの見立てに同意する。

山上容疑者は逮捕直後、奈良県警の調べに対し「母親が多額の献金をしていた「旧統一教会」に恨みを募らせ、安倍元首相が団体と親しい関係にあると思いこみ、犯行に及んだ」と供述したと報道されている。

しかしこの供述は県警がマスコミの取材に対して明かした内容を報道各社がそのまま垂れ流しただけで「真実」とは限らない。マスコミが警察のリークによって世論操作に利用されるのは日常茶飯事だ。

山上容疑者の供述を実際に聞いているのは警察と検察だけである。彼らはこの供述内容を「独占」しているのだ。

仮に警察発表が真っ赤な嘘で、山上容疑者がまったく違った供述をしていたとしたら、統一教会問題に限らず政局全般に与える影響は甚大だろう。何かの理由で国家権力側が山上容疑者の「証言」を隠蔽する必要があり、山上容疑者を公開の法廷に立たせるわけにはいかないーーという動機から留置期間を引き伸ばしている可能性は否定できない。

マスコミ各社の社会部の検察担当記者たちは、このような重大な疑惑を追及しない。彼らは検察のリークを他社より早くもらって垂れ流す「自称・特ダネ」競争に明け暮れている。検察の世論操作の手先になっているのだ。

自称・特ダネなど、もういらない。検察の異例の留置期間引き伸ばしを厳しく追及して真相を暴くことこそ、社会部司法記者たちの最大の責務であることを肝に銘じてほしい。


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