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『朝日新聞政治部』発売前重版が決定!先行公開第3弾は「政治記者は権力と付き合え」「小渕恵三首相の沈黙の10秒」第二章より

5月27日発売の『朝日新聞政治部』。早くも注文予約が殺到し、発売前重版が決定しました!

みなさま、ほんとうにありがとうございます。朝日新聞を好きな人も嫌いな人も必読の一冊。この本を読まずして朝日新聞を語ることはできません!!

先行公開の第3弾は第二章からの抜粋です。

第二章は私が実際に体験した政治取材を題材に政治報道の内幕をさらけ出します。

今回ご紹介するのは駆け出し政治記者時代のエピソード。まだ初々しい時代のお話です。

私が1994年に朝日新聞政治部に着任した時の政治部長は、若宮啓文さんでした。

朝日新聞を代表するハト派・リベラル派論客で、のちに社説の責任者である論説主幹や主筆を務め、韓国紙に連載するなど国際派でもありました。

父親は朝日新聞政治部記者から鳩山一郎内閣の首相秘書官に転じた若宮小太郎氏。その子息の若宮さんは「政治記者として血統の良いサラブレッド」の印象が強く、読売新聞の渡邉恒雄氏とも昵懇の大物政治部長です。

その若宮部長が私たち新米政治記者に対して着任初日に告げた言葉。それは「君たちね、せっかく政治部に来たのだから、権力としっかり付き合いなさい」でした。

この言葉の意味を掘り下げるのが「政治記者は権力と付き合え」です。

もうひとつは、小渕恵三首相のことです。

政治部記者人生は首相に朝から晩まで密着する総理番からはじまります。

私が密着したのは小渕首相でした。およそ一年を経て、私が総理番を卒業する最終日(2000年4月1日)、小渕首相は自由党の小沢一郎氏との党首会談で決裂し、連立政権解消が確定しました。

小渕首相はこの夜、記者団のぶらさがり取材に応じた後に首相公邸へ戻り、ほどなくして倒れ、極秘で病院へ搬送されたまま帰らぬ人となります。

日本の政治史に残る衝撃の1日を、当時の総理番記者からみた目で振り返りつつ、私がその後の独自取材で知った当時の裏事情についても明かしています。ぜひご覧ください。

話題の書『朝日新聞政治部』先行公開第3回〜小渕恵三首相「沈黙の10秒」

第二章はこの後、財務省や外務省のエリート官僚をはじめ、菅直人氏、竹中平蔵氏、古賀誠氏ら与野党の有力政治家が次々に登場します。政治家と政治記者が閉ざされた世界でいかに濃密な関係を築いているかがよく伝わると思います。旧来型の政治取材の実態を明らかにし、新たな政治取材へ脱皮することを促す思いを込めて書き上げました。

私が実際に行ってきた取材を追体験していただくことで政界の奥深い闇にどんどん入り組んでいく感覚になると思います。ふだんはほとんど語られることのない政治取材の裏側をここまで明らかにする本はほとんど例がないと思います。第二章は政界の奥深くに入り込むノンフィクションです。ご期待ください。

『朝日新聞政治部』の発売日は5月27日です。予約注文していただいた多くの皆様、ありがとうございます。しばしお待ちくださいね。

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