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オーストラリアから日本を思って(22)れいわ6年辰年、救民政治へ、竜よ集まれ!~今滝美紀

2024年は例年になく、年明けにふさわしくない数々の出来事(災害・戦争・汚職)で始まりました。

北陸の地震で被害を受けた方々、その他の災害や紛争で被害にあわれている方々、早急な救助、救援、終戦を願い、お悔やみとお見舞いを伝えたいと思います。

今年もオーストラリアでの情報や出来事を、日本のことを思いつつ、お伝えできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

今年は、辰(竜・龍)年。干支は中国と共有する文化で、動物を身近に信仰する東洋の文化です。2024年初めは、この誰にでも親しみのある日本の文化、辰年と共に、「棄民政治から救民政治へ」の転換について考えていきたいと思います。

竜は、十二支の中で唯一想像上の動物、神獣で、ポジティブな意味で使われる干支です。陰陽では陽。万物が振動し活力旺盛な年で、干支の植物の成長では、草木の成長が整う年、隆盛の象徴で、最も縁起のよい干支とされ、運気が上昇し夢が叶えやすい年だそうです。

政権交代をして「救民政治」への縁起のよい、機運を高めるのに相応しい年にできそうです。

また、SamejimaTimes で指摘されている「積もりに積もった社会不安のマグマがついに噴火し、腐敗政治家の一掃を求める『世直し』運動に発展する気配」があり、精力的に活動される泉房穂さんが「政権交代なんか難しくない」と発信されているように、民意に反し、汚職にまみれた政治と生活苦に不満や不安が高まり、稀に見る政府への低支持率が続く中、今、政権交代を仕掛けないで、いつやるの?と消極的な野党議員に問いたいほどです。

できないとはじめからギブ・アップGive Upでは、政権交代は起こるはずがない。結果はどうであれ、まずトライTryなしには実現しない。精神論者ではありませんが、米国のリンカーン前大統領の言葉「意志あれば道あり」にあるように、「強い意志」がある野党候補が集まれば、巨大勢力を相手に、政権交代と救民政治の実現は、十分可能だと思いました。

泉房穂さんと連携する野党の動きも公に見られるようになりました。立憲民主党の原口一博代議士が主催する「日本の未来を創る勉強会」(地方議員を含む超党派)の講師・顧問として、泉房穂さんが講演をされ、「“日本の夜明け”に向けて、引き続き共に頑張りましょう」と呼び掛けられていました。(動画参照) 

参加メンバーは明らかになっていませんが、れいわ新選組の国会議員も参加していたということです。

原口代議士は今年に入り、れいわ新選組の山本太郎代表にこの「日本の未来を創る勉強会」の講師をお願いしたとのことですが、山本代表は、今の状況から丁重に断られたそうです。泉房穂さんと山本代表は食事を共にしたこともあるそうで、効果的なタイミングをねらって、れいわ新選組との連携を公にするという戦術ではないでしょうか。

政権交代をして「救民政治」を実現するための意志をもった賛同者を原口代議士は「竜」と呼び「竜を集めろ」と伊万里西念寺の井手恵住職からの説法があったそうです。そして、その「竜」たちは集まっているそうです。

政権交代の「勢い/モメンタム/Momentum」が現われているようです。

この「モメンタム」という言葉をよく耳にします。「勢いをもち続ける/Keep the momentum」とも言われます。これは、物理的には、一般的に動いているものを動かし続ける力のことですが、成功を表すことによく使われます。試合に勝ったり、目標を達成したりするなど、何かで成功し始めた場合これを「勢い/モメンタム」といいます。小さな成功を続けて、勢いを増し、大きな目標を達成しようとする時に使われます。

「勢い(モメンタム)が勢いを生む。最良の方法は、始めるということだ」というGil Penchinaさんの有名な言葉がありますが、まさに時の言葉だと感じます。

また、「竜」たちについて泉房穂さんはXで、「『清濁併せ呑む度量』というよりも、『国民を救う』1点での『大同団結』こそが今、必要だと思っています」とポストしていました。

また記事「『国民を救うまでのシナリオ』7つのステップ、『首相公選制』も導入だ!」では、候補者については「排除の理論があってはならない」「黒い猫でも、白い猫でも、鼠を捕るのがいい猫だ」しかし、救民政策を阻止しようという議員に対しては「政権交代を支持した議員が全員法案に賛成するかといえば、それは甘い。実際に予算をシフトしようとすると抵抗してくる。そこで状況を打開するには、解散を断行すればいい。そして、掲げる法案に賛成する候補者だけを公認する。かつて小泉元総理が、郵政民営化に反対する議員を『抵抗勢力』と呼び、その対立候補として刺客を立てた手法を踏襲するわけや」という強い対策を示していました。

また昨年末の対談「原口一博氏と鮫島浩氏が救国政権構想を語る」は、興味深いものでした。原口代議士によると、一致点として「命と平和」「日本弱体化装置の消費税減税/廃止」「反グローバリズム」で、99.9%の人々との連携だということでした。

政権交代を目指す際の総理候補の予想が出ていますが、鮫島さんは、自民党のキングメーカーである麻生太郎副総裁と首相最側近の木原誠二幹事長代理の動向に注目しています。これらの方々とは、違う意味で、世界のリーダーたちと互角に渡り合い、数々の陰謀論に乗らず「救民内閣」を実現するためにプラスに総理を支える、内政外政・経済・心理作戦などに長けた閣僚経験者なども必要なはずです。そのキーパーソンとなるリーダーたちのキャスティングや政権交代後の首相公選制についても興味深いところです。

また、泉房穂さんは、前述のニュースで、「今は政治家が官僚の言いなりになって、国民に負担を課している。国民のために官僚を動かす政治への転換。それがもっとも重要や。業界団体に媚びへつらう大臣や、方針に従わない官僚は入れ替える。それは強権発動ではなく、正当な権力の行使。これを実行したのが、安倍政権。安倍元総理は内閣法制局長官をクビにして解釈改憲をしたし、検察庁の人事にも介入した。是非はさておき、総理が人事権を使って方針転換できることは証明済み。その安倍元総理も、財務省にだけは勝てなかった。財務省と戦うのは容易やない。言うことを聞かん大臣や財務官僚のクビを挿げ替えられるか。それが方針転換には不可欠」と戦術を示していました。これは、過激ではなく組織を改革して「救民内閣」を実現するには、欠かせない、まさに、今の日本に失われたダイナミックな政治戦術だと感じました。

がんからの寛解が望まれる森永卓郎さんも「財務省解体」を提唱していました。2001年大蔵省が解体され財務省が誕生して約20年、政権交代で一新するよい機会になりそうです。歴史を振り返れば、日本は古くから時代の節目節目で、社会の変化に応じた大胆な改革を繰り返し行ってきました。

オーストラリアでは、行政裁判所 (AAT/The Administrative Appeals Tribunal) という政府の大臣、省庁、機関による、憲法に基づいて行われた行政決定について、 関連する事実、法律、政策を改めて検討し、適切か判断したり、または正しい決定が複数ある場合には、より望ましい決定を下したりする裁判所があります。

しかし、2022年5月に労働党に政権交代した後、この行政裁判所AATは、解体され全ての職員が公募されて一新されることになりました。法務大臣によると「前政府は、85 人の元自由党議員、落選した自由党候補者、元自由党スタッフ、その他の自由党の近しい関係者を、能力に基づく選考プロセスを経ずに任命した。その中には関連する経験や専門知識を持たない人物も含まれており、AAT を致命的に侵害し、その独立性を損ない、 意思決定の質と効率が損なわれた」「これは自由党による縁故主義の恥ずべき暴露であった」と解体理由を説明しました。労働組合も「政治的干渉を受けずに働く必要がある。AATは長年にわたる党派的な任命と職場でのいじめや嫌がらせの大幅な増加により、国民と多くの職員の信頼を失った」とこの解体を望んでいたそうです。

政権交代をして、政策を実現するために要となる機関を一新したことは話題になり、政策実現への強い意志を示しました。また混乱や支障を起さないよう職員を75人増やし、新たに約70億円の予算が付けらました。(こちら参照

また、オーストラリアの公務員職は流動的です。多くの場合、空いているポジションは、公に募集され、職務内容や必要な能力が示され、それぞれの点において、いかに自分が相応しいかを具体的にアピールする手紙を履歴書に添えて応募します。一般的に3人の推薦人が必要です。この応募と転職を繰り返して、より高いポジションに登ってゆきます。

オーストラリアでの考え方の一つに、“公平に行こう/Fair Go”があります。就職に関して、政治の縁故主義が影響を与えがちになるので、能力や経験、意欲を基により公平に扱おうというものです。また、人事が公になり流動的になれば、腐敗汚職も減ります。

さて、話を日本に戻すと、「救民内閣」に対して「抵抗勢力」のような存在が気になります。

パンデミックや近年の戦争で、世界や社会は、民主的に選ばれた政治家たちだけでなく世界に広がり存在する“官僚・警察/検察庁・裁判官・産業(医療や軍事)・金融・財界・主要メディア/マスコミ・インフルエンサー”等が、まるで一つのシステムのように連動して世界や社会をつくっているように見えてきました。これを「グローバリズム」と呼ぶのでしょう。日本でも同様にこれらが、「反救民内閣」勢力になる可能性が高いと思われるので、これらに対抗し「救民内閣を守る」勢力づくりができないものかと、考えます。

泉房穂さんと共に「救民内閣」を実現しようとする原口一博代議士は、れいわ新選組の議員の方々と連携して様々な問題に取り組み、自公政権に対峙してパンデミックや原発、ロシアとウクライナ紛争、パレスチナとイスラエル問題、消費税等について、幅広く日本政府の対応を世界的な点から、疑問点を投げかけている、数少ない野党第一党の代議士です。しかし、れいわ新選組や原口代議士の「国民を守る」ための危機管理を「陰謀論だ」という勢力がいます。真実が明らかになるにつれ、これらの指摘が重大な警鐘だということも明らかになってきていると思います。

また、泉房穂さん、れいわ新選組、原口一博代議士にすでに、野党からも阻止勢力が働いているのではないか?という心配があります。

例えば、被災地の援助をライフワークで行っている山本代表への過剰で執拗な不合理非難(SamejimaTimes )に加え、立憲民主党の米山隆一代議士は、泉房穂さんの財務省非難や減税に対して度々批判する投稿をしています。1月6日のXで「泉氏『①消費税の軽減税率を5年間の期間限定で0%に引き下げる②医療、教育費を無償にする―事を柱とする“救民内閣”構想を掲げ、与野党双方から賛同者を募る』との事ですが、具体的実現プロセスを示さず、夢の様なゴールだけを掲げ続けるのはもう限界ではないかと思います。」と投稿していました。

しかし、国の状況が違うので一概ではないかもしれませんが、経済が日本より小さいオーストラリアの、税制・最低賃金・政府のお金の使い方と、日本のそれらを比べれば(今回は詳しくは書きませんが)明らかに庶民に重い負担をかける税制だと思います。シンプルに考えて、「救民内閣」構想の食品などの消費税0%は、十分実現可能で、なぜ「夢の様なゴール」だと言い切れるのか、不思議でなりません。また、最近では災害で避難している方々に、復旧復興は、金銭的に効率が悪いと都市部への移住をすすめ「強制移住?」「グローバリズム」「新自由主義だ」と、非難する多くの声が上がっていました。(こちら参照

SamejimaTimesに寄稿された谷誠さんも、精神性・社会性・自然生態系などの点から反対する投稿をされていました。(こちら参照) 

作家の柳美里さんは、逆に過密地の危険性に問題を投げかけ、過疎地の魅力を語っていました。(こちら参照

おわりに

安定を司る金の竜と流れを司る銀の竜が、二つの力が交わると大きな成果が出るそうです。

政権交代のためのメンバーは、竜ばかりではないかもしれません。しかし「朱に交われば赤くなる」ように、竜に変わってゆくことも、変えることもできると思います。

竜にまつわることわざは、たくさんあります。日本の政治は長らく「画竜点睛を欠く」「竜頭蛇尾」の政治だと思えます。れいわ6年辰年は「竜が雲を得る如し」「竜が翼を得たる如し」蛇と掛け合わせた「龍と成って天に昇り、蛇となって草に入る如し/入草作蛇 昇天成龍」、寅と掛け合わせた「雲竜風虎」で、勢いを増し得るものが多い年になるよう願っていきたいと思います。

冒頭の写真は、見えるところに飾っている岩手の知人からの贈り物です。干支の寅、兎、辰、へびの紙の手工芸です。指先ほどの小さなものですが、細かく精巧につくられています。

今滝 美紀(Miki Imataki) オーストラリア在住。 シドニー大学教育学修士、シドニー工科大学外国語教授過程終了。中学校保健体育教員、小学校教員、日本語教師等を経て早期退職。ジェネレーションX. 誰もがもっと楽しく生きやすい社会になるはず。オーストラリアから政治やあれこれを雑多にお届けします。写真は、ホストファミリーとグレートオーストラリアン湾の沖合で釣りをした思い出です。

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