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こちらアイスランド(72)夏だ!261号線で滝三昧。氷河山と渓谷へ!〜小倉悠加

4月も月末となり、やっとレイキャビクの街にも花が見られるようになった。この冬は本当に雪が多くて悪天候が続き、太陽が地から咲いたような花を見ると、心の中がフワっとあったかくなる。思わず、「花だ〜〜!!」と口に出る。そしてバッカみたいに涙したくなる。

アイスランド固有の野草ではなく(それはまだ先!)、花壇に植えられているものなので、たぶん輸入された球根類の花かと。クロッカスが多い。

これから街中のあちこちで見られるようになるのは、タンポポ!何種類か異なる種類が咲くようで、一旦たんぽぽ攻めが終わったかと思うと、少しばかり風情の異なるタンポポが道端を賑わせてくれる。

という季節のご報告に続き、花がちらほら咲いてくるということは、もう気温が氷点下にはならない。日照も長くなり、アイスランドは夏!例年通り、4月第三週の木曜日(4月21日)には無事に夏を迎えました。日本よりも一足早く(笑)。

ということは、本格的なドライブの季節到来。早速、気温が二桁台に乗った晴れの日に、今年初の夏ドライブに出かけたのでお裾分け。

小倉が訪れたドライブコースの地図はサロン内で公開

先週の日曜日、レイキャビクは曇りでも南部は晴れていた。なので、南部に近い内陸部寄りの、261号線がF道になるの手前まで行ってみることにした。F道は夏専用の山道で、4月のこの時期はまだ雪解け水で土地がぬかるみ通行できない。その手前は内陸の雰囲気が出てきてワイルドな大自然を感じられる上、メジャーな観光コースからは外れているため交通量も少ない。

滝は行く度に違う表情を見せてくれるので楽しい。この日は雪解け水でどこの滝も水量が多かった。最初に寄ったのは261号線沿いのここ。Thorsteins Groveという林のところにある滝。写真はクリックすると大きくなります。

この周辺は氷河の山があるため、滝が多い。南海岸の超有名な、セリャラントスフォスやスコゥガフォスなどもこの周辺にある。セリャランストスフォスの前の道から261号線へ寄ることもできる。セリャランスとスフォスから少し寄り道して見にくる価値のある地域。

たぶん、そういったツアーを作るためなのか(既にあるのかな?)Gluggafossは足元がきれいに整備されていた。写真に見えている道を行けば上の滝も見に行けるし、川の対岸側へ行けば、もうひとつ上の滝も見に行ける。

261号線、ここを過ぎると砂利道になり、それがF道に変わっていく。で、F道の手前まで走ると、左手側にたっくさん、本当にたくさん小さな滝を見ることができる。写真に撮ってもよくわからないので、実際に見にきてね。

正面はミルダルス氷河の山。水溜りが大きくて川のよう

はい、ここから先はF道なのでまだ通れません。川渡りなどもあるので、四駆以外は厳禁。うー、F道大好き。たまらなく美しいし、走りにくくもないし(運転手さん=彼、ありがとう)、アイスランドの夏の雰囲気を満喫できる。

で、この近くに標識が出ていたので(写真撮り忘れ)、何の標識かはわからないけれど、とにかく進んでオッケーっぽい。道といっても選択はほぼ無いので、「この道でいいんだろうか?」という細い道路を恐る恐る進むことに。「牧場につながってる私道っぽいけど、標識出てるから大丈夫だよね?!」と半信半疑。対向車が来るとすれ違うことができない。

放牧前の羊がのんびりと日光浴

この牧場を手前でカーブし、道は山の奥の方へ。ほどなく行き止まりになった。うーん、うーん、ここ何だろう?車を降りてみると、なんとなく道っぽい感じがする。その道は川へと向かっている。彼が「とりあえず来ちゃったから少し歩くか」と。

この「少し」が曲者で、少しが結果的に片道3キロになったりするのを覚悟で進むことにする。引き返しても面白くないしね。でもって、ハイキングを前提としない格好の私(あるある)。慣れてるので大丈夫。すると、50メートル進んだだけで、状況を理解。おぉ、いい感じの渓谷が!

さすがアイスランド、目立たない標識ひとつしかなく、現地に到着しても何も書いてないけど、人の足跡を辿れば、何かしらいい感じの場所に到達する。


駐車した場所の近くに牧場の柵があり、そこへと続いていく気配の道があった。けれど、私道であるという標識はない。冒険心を出して砂利道を登ってみると・・・これがティンドフャットラ氷河へと続く道であることがわかった。そこまで行く時間的な余裕がないので、次回は、この道を冒険することに決めて帰路へ。

家を出たのが午後2時近く。レイキャビク周辺の天気が良くならないかと様子を伺っていると、出遅れてしまった。帰宅は夜の9時。それでもまだ日照はたっぷり残っていて、夕食はチャチャっと30分で作って済ませた。ふ〜。久々に充実したアイスランドらしい郊外ドライブ。次回からは、突然「ハイキングしよう!」と言われても対応できる格好で行かなくちゃですね。

小倉悠加(おぐら・ゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。アイスランド政府外郭団体UTON公認アイスランド音楽大使。一言で表せる肩書きがなく、メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、カーペンターズ研究家等を仕事に応じて使い分けている。アイスランドとの出会いは2003年。アイスランド専門音楽レーベル・ショップを設立。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。自己紹介コラムはこちら

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