久々にアイスランドの自然をお届け。お待たせしました!
イースターホリデーの週末は西フィヨルドの中心地、イサフョルヅルで音楽フェスが行われる。去年は20周年記念の豪華ヴァージョンだったこともあり、初めてこのフェスに参加。
フェスは楽しかったけれど、時期は3月末で道路状況は悲惨だった。いやぁ、事故も起こさず無事に帰ってこられて本当によかったという感じ。道路閉鎖を数時間だけでも回避してくれた道路公団に感謝。
これを書きながら、去年の雪道の苦労話を読み返した。本当に無事でなにより。とにかく我が家は安全第一なので、不必要な時に雪道は走らない。まして道路状況が悪い時は家に籠るの一択。あの時は本当によくぞ出て行った。
で、今年はイースターが去年よりも3週間遅かったため、天気予報を見て「どうやら天気は悪くなさそう」ということを確認し、出発3日前にホテルを予約。バタバタとレイキャビクの自宅を後にした。
1月初旬にレイキャビクを出て、レイキャビクに帰宅したのが約三ヶ月後。久々の本格的ドライブだ。
山には雪が残るけど、道路には雪はない場所が大半でドライブは快適だった。
写真として出すと同じような風景にしか見えないかな・・・。



西フィヨルドに入ると、フィヨルドの山が凪いだ浅瀬のフィヨルドに投影されて美しいことこの上なかった。反転丸写しロールシャッハのような世界も展開され、時にはどちらが本物かわからない場所に出会して、語彙に困り「うわー、うわー、うわー」ばかりを連発した。
そんなドライブをツイッターで結構な数の投稿でお裾分けしたので、興味ある方はぜひ遡ってどうぞ。ここにも写真をお裾分けしますね。




動画を入れるとこのサイトが重くなるので、それはツイッター投稿を↓引用しますね。
音楽フェスは今年も楽しかった。例年通り入場は無料。ファミリー・フレンドリーな催しで、入場が無料でなければ来ないだろう小さい子供からお年寄りまで(私も含めて!)あらゆる年代が観に来ているのがとてもいい。
去年も書いたけど、小さい子は前へどうぞが基本。夜の10時以降は18歳以下は成人(保護者)同伴でないと会場にいることはできない。これは結構徹底されていて、セキュリティ担当がティーンの子に保護者の有無を確認していた場面を今年はよく見かけた。
日本ではほとんどの場所で禁止となっているモッシュやダイブも会場側でサポートしてくれて自由度が高い。その自由度は民度の高さでもあるため、変に悪ふざけをしたりハメを外す輩は・・・今年は見なかったかな。去年はお酒やタバコを粋がってやってたローティーンがすぐ隣にいた。
思いつきで始めちゃったこの催しも今年で21年目。会場の設営もセキュリティもお手のもので、ミュージシャン以外は全員ボランティアでも、素晴らしくきっちり組織されている。フェスに関わって10年以上や20年選手もきっといるのだろう。とにかく細部まで考えられている運営が素晴らしい。
20年以上見続けたアイスランド・エアウエイブスの音楽フェスもいいけれど、西フィヨルドで行われるこの手作りの音楽フェスの方が今の私には楽しめる。年齢のせいでがつがつしなくなったということなのかな?



去年の雪道に比べれば今年の西フィヨルドの道はなんということはない。けれど、ひとつだけ気をつけたい場所がある。それは1車線しかないトンネルだ。1車線だけど二方向から車が通行する。
どのように通るのかを、まとめて動画に出した。有線車線は走り続け、反対方向の車線は対向車が来たらミーティング・ポイント(Mの表記)の場所に待機して、優先車線の車が通り過ぎるのを待つーーという文字の説明よりも、動画を見た方がわかりやすいと思う。
西フィヨルドは相変わらず美しかった。特にホテル近くの桟橋で見た風景は、アイスランドで数多くの絶景を見た中でも、とびきりの景色だった。
その日は風もなく静かで、雲はふわふわとフィヨルドを包み、幻想的な雰囲気をいっそう盛り上げていた。誰もいないフィヨルドに、アイスランドでは珍しい白砂の海岸。そこに静かに波打つ限りなく透明の海水。聞こえるのは鳥のこえだけ。
パラダイスすぎてため息をついた。西フィヨルド、美しい。絶景を彼とふたりだけで眺めた。
この景色を見て一瞬興奮したけれど、すぐに心の底がシンと落ち着いた。絶景とは圧倒されるぎて心落ち着くものなのか。

鳥の声とかすかな波の音だけが周囲を包む

知られざる道を探検するのが大好きな夫婦なので、ここでも少しばかり足を伸ばした。
以下のツイートにある動画は、上の写真のフィヨルドの海沿いを走る道路。道路の奥には農場が1-2軒あり、そこで行き止まりになっていた。
雪がこの程度あった方が絶対的に美しいので、いい時期に来られてよかった。
イースター休暇中のことなので、ほとんどの商店が休業中で、楽しみにしていたカフェなども閉まっていた。楽しみにしていたカフェは仕方がないとしても、帰りの道中400キロずっと、ビタ一軒もコーヒーを買える場所がなくて閉口した。いや、もちろんレイキャビクに近づけばコーヒーくらいは買えたけれど、その頃になるともういいや!になり、コーヒー抜きで帰宅した。
夏であれば空いているゲストハウスが軒並みまだ冬季休業中で、自分たちがいかに本格的な夏になるまで遠出をしないかを、コーヒーの一件で知ったとも言える。
2025年4月20日、アイスランドは暦の上での夏を迎えた。日照は夜10ごろまで伸び、夜まで遠出してもドライブがしやすくなる。さて、今年はどこへ足を伸ばしましょうか。
小倉悠加(おぐらゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、ツアー企画ガイド等をしている。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。
