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こちらアイスランド(86)火山噴火くん、久しぶり!また会いに来たよ。世紀のエンタメが親しい友に〜小倉悠加

また噴火した!

観光客にフレンドリーで、見学がしやすくていい感じのアイスランドはレイキャネス半島の火山。ここ二週間ほどひどい地震が続いていて、もしやまた噴火?と素人ながら思っていたところ、昨日(2022年8月3日)の午後から噴火が再開。やったぁ〜!

実はこの2週間ほどレイキャビクを留守にしており、前夜遅くに戻ってきたばかり。留守中、にわかに地震が激増し、「私がレイキャビクに戻れない間、絶対に噴火しないでください。アーメンソーメンで南無阿弥陀仏も」と、宗教をごちゃ混ぜにして祈っていたのだ。

そしたらなんと、帰宅して翌日に噴火。さすが私、日頃の心がけがいい。たぶん。

夏休み中の彼に、噴火を素早く伝え、さてどうするかを検討。まずは噴火の場所を特定すること。そしてどのようなルートでアプローチするのが適切かを考えること。

ここで去年の噴火見学の体験が非常に役に立つ。なにせあちこち歩いてるし、噴火口がどのように変化し、溶岩源がどのように広がっていったのかも、実体験込みで知っているため、なんだか心強い。ん?役に立つとは違う?ま、いいや。

あちこちリサーチしたところ、噴火地はStor Hrutur(山)の北側で、Meradalir(渓谷)のところだということがわかった。それも300メートル及ぶ割れ目噴火。前回は割れ目はすぐに噴火口となっていったことが思い出される。私は二日目に見に行ったが、既に三位一体状態だった。

前回の噴火の、見学初体験記はこちら。(この連載をいつも見てくださってる方、見飽きてたらごめんね〜)私がいかに噴火に驚き、オレンジ色の溶岩を目撃してはしゃいじゃったかが如実に出ているかと。

今回ははしゃぎません。たぶん。

綿密に、そしてざっくりとルートを検討した(綿密なのかざっくりなのか、はっきりせい!と自分で突っ込む)。

ルートAを使っていくのが楽そうだけど、ルートBが整備されてたら、そっちの方が歩く距離は短いかも。当局としては安全なルートCがお勧めだろうけど、遠くから見たくないからCコースはハナから無視。

「駐車場が埋まる前に到着したいから、朝早く出たい」と彼。

そうか、朝6時起きを私に迫る気だなーーー。

「10時までに家を出ることを希望」

おっと拍子抜け。午前10時って朝早いんか?と確かめたいところだけど、10時の方がゆっくり眠れる。突っ込んで墓穴を掘るのは不本意なので、突っ込まなかった。賢い妻だ。

服装を検討した結果、最高気温が13-14度になるそうなので、分厚いコートは無しにして、若干の重ね着で凌ぐことに。ほぼ正解で、ほとんどの場所で薄手のシャツとウルトラダウンのジャケットで十分だった。少し寒くなった時は、アイスランドご当地ブランド「66 North」の薄手でも防寒性がしっかりあるジャケットと、その上からポケットの多いヴェストを着用した。

全装備がこれ。食料と水は彼が持ってくれた。マイナス4度の時に行った時に比べると、超楽勝。

つーことで、2022年8月4日(木)、噴火見学へ出向いた。

ルートAは使い勝手がいい。前回の噴火で足首を骨折したり捻挫する人が続出した急斜面の滑りやすい場所を、安全に登れるようにしてある。これでもう半分は勝ったも同然。たぶん。

なにせ昨日噴火したばかりの場所なので、特に当局はまだ正式なルートを設定していない。けれど、1-2度現地へ足を運んだ人であれば、おおよその検討はつくし、みんな考えることは同じ。

ルートAを使って山に登り、そこから前回の噴火の溶岩沿いに歩いて新しい噴火地へ出向こうというもの。

ピンクのルートを歩く。青い線が新しい割れ目噴火地。

前回の噴火から10ヶ月が経過しているため、溶岩の先端であれば冷えているだろうということで、時々ズルして(?)溶岩の上を歩いていった。溶岩の下は空洞になっていることも多く、見た目よりもモロいので注意は必要。まだ熱いマグマが溜まっているのか、煙が出ている場所もあるため、もちろんそこへは絶対に近づかない。

ルートAを超えると、間も無く2021年の噴火口が見えてきた。なっつかし〜。周囲は硫黄などのミネラル分が強いのか、黄色や白っぽい色で取り囲まれている。

歩くこと約2時間弱。途中、時々休憩しながら辿り着いたのが、新しい噴火地を見渡せる山の上。だった。お〜、あの懐かしいオレンジ色のマグマ。そしてゴーっというマグマを噴き出す音。おっひさぁ〜ぁ〜ぁ〜!

噴火地は刻々とその様子を変えていく。訪れる度に噴火口が巨大化し、溶岩の流れが川のようになり、あちこちから溢れ出して周囲を瞬く間に熱い溶岩原にしていく様を何度も見てきた。今回私が見る光景も刻一刻と変化していくし、溶岩をこうして噴き出し続ける割れ目噴火をじっくりと目撃する機会もそうはないだろう。

それにしてもヘリコプターがうるさすぎ!噴火ツアーが大盛況だそうで、常に3-4機頭上を飛んでるから、せっかくの噴火の音が聞こえないじゃないか!ドローンの音も本当に邪魔。早く噴火口に突入して、溶かしちゃってほしい。

とは思いつつ、万人がこうして長い道のりを歩ける訳ではないし、現地に出向くことができる人の数も限られる。ドローンの映像があるから詳細もわかるのであり、ヘリコプターツアーもいいじゃないか。そう思おうとはするけど、やっぱりウルサイものはウルサイ!

ドワン、ドワン、ザザザァ〜と海の波のような音を立てて噴き出すマグマ。噴き出す根元の部分はオレンジが波打つように揺れてうねる様が見える。吹き出されたマグマはすぐに表面が黒くなるが、知らない間にひょんな場所からヌルっと煌々としたオレンジ色が見えてくる。

ボケっと見ていても、ジーっと見ていても、本当に飽きない。ジリジリと肌に染み込むようなマグマ独特の熱さも好きだ。本当にジリジリと熱い。今回はメガネのコーティングがダメになるのを避けるため、コンタクトレンズにしてきた。

匂いもある。無論、有毒ガスの可能性もある。けれど、風向きも計算済みで見学しているので大丈夫。

マグマがニュルーっと進む音も独特だし、その姿も見慣れてきた。先端のマグマが地を焦がして草を焼く様も地球の営みとして、ごく真っ当なものなのだと思える。新たな世界を築くため、古い世界を焼き尽くす神聖な儀式でもある。カシャカシャ、シャリシャリというアア溶岩の音も心地いい。

こんな光景を何度も目の当たりにするチャンスを得るとは、私の人生、なんだか恵まれてる気がする。

見学者がマグマに近づきすぎて危ない等を言う人がいるけれど、一度現地へ出向けばわかるはずだ。マグマは熱すぎるため、危険な距離まで近づくのは困難だ。マグマが身辺に近づけばすぐにわかる。背たけ以上の高さのある溶岩は、上から固まりやオレンジのマグマがゴロンと落ちてこないでもないので注意が必要だが、見える範囲であればマグマの足はのろいから、オレンジのマグマが近づいてきたら、ゆっくりと遠ざかればいいだけだ。疑似噴火口からマグマが噴き出す場合もあるそうだけど、今回は疑似火口ができるような場所は近くになかったし、全て見渡せるため、特に問題なし!

山の中腹から煙が盛んに出ているのはコケが焼けているため。で、今回の噴火に近い山の中腹の苔が焼けているのは一応理解できるんだけど、ものすごく離れた場所でも煙が出ている場所があり、あれは何なのだか〜。火山帯の割れ目だとは思えなくて・・・謎!

で、とりあえず動画をゴシャっとではあるけどまとめたのでどうぞ。風の音は仕方がないけど、ヘリの音がうるさいよ〜。

ということで、なっつかし〜、また会えたね!感はあったものの、前回初めて噴火を見た時のような感動や驚きは薄れ、親しみを持つようになっていた。けど、いくら親しみを覚えても直接触れることのできない存在なので、その点はやはり畏敬の念を持ち続けて接して、いや、距離を置いてお着きたいしていきたいと思ってます。

噴火は当初が一番勢いがあり、徐々に力が尽きて噴火が終了するのが普通のパターンだそう。なのに2021年の噴火は最初チョロチョロで次第に勢いが増し、噴火口もマグマのパワーも大きくなり、半年間噴火が続いたという珍しいケース。今回は昨日の割れ目噴火が300メートルで、今日は100メートルまで縮んだとのこと。

ちなみに、この写真は、私がマグマを吐き出してるように彼が撮ったらしい。読者のみなさんにそう見えていれば御慰み。私にはそう見えないんだけどね(笑)。

これをアイキャッチ写真にしようかと思ったけど、間抜けな感じがしてやめた。

小倉悠加(おぐら・ゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。アイスランド政府外郭団体UTON公認アイスランド音楽大使。一言で表せる肩書きがなく、メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、カーペンターズ研究家等を仕事に応じて使い分けている。アイスランドとの出会いは2003年。アイスランド専門音楽レーベル・ショップを設立。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。自己紹介コラムはこちら

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